ここでは、一般的なJ型熱電対を例として使用します。J型 熱電対は、鉄の導線とコンスタンタンの導線から構成さ れています。コンスタンタンは、ニッケル45%と銅55% の合金です。
これに2本のテスト・リード(銅製)を接続すると、さらに 2本の熱電対が追加され、それぞれが回路に電圧を印加す ることになります(図3)。これで、3本の熱電対と、3つの 未知の温度が存在することになります。
これで、接点は元の熱電対の接点(Tx)と、追加した基準 接点(Tref)の2つになりました。基準接点の温度が分かっ ていれば、Txを計算することができます。熱電対測定を 行う多くのデータ収集システムでは、Txを自動的に計算 します。
実用的でコストのかからない温度基準点は、いくつかあ ります。そのうち自然が提供してくれるものが、水の氷 点(0℃)と沸点(100℃)です。接点Trefを氷槽の中に置けば、 Trefの温度を0℃にしておくことができます。実際に、熱電 対表はすべて氷槽を基準温度としています。
氷槽を使わずにシステムを簡素化することも可能です。 氷槽によってTrefの温度を0℃に保つ代わりに、RTDなどの 絶対温度測定デバイスによってTrefの温度を測定して、数 学的に補償することが可能です。
Trefを測定した後で、その等価電圧を計算して測定電圧V から引くと、0℃のTrefをシミュレートできます。これで氷 槽基準の熱電対表、または式からTxを計算することがで きます。前述のように、熱電対測定を行うデータ収集シ ステムでは、一般にこの計算が自動で行われます。
表2からわかるように、ゼーベック係数、および出力電圧 は小さな値です。値が小さいため、絶対レベルおよび相 対変化の正確な測定は困難です。また他のタイプのトランスジューサに比べて、電気的なノイズが温度測定の確 度に大きな影響を与えます。