EMPLOYEE TALK SESSION業務支援グループ社員座談会

横河レンタ・リースは2024年に東京都の「障がい者雇用エクセレントカンパニー賞(産業労働局長賞)」を
受賞するなど、障がい者雇用を促進しています。
すべての人が自分らしく、いきいきと働ける社会の実現に向け、障がい者雇用の社内制度をつくり、
業務支援グループを立ち上げた人事総務部長や障がい者たちの指導を行う現場のリーダー、そして、知的障がい
を抱えながらも他の社員と遜色のない成果を生み出す2名の社員で座談会を行いました。

参加メンバー

  • H.O

    2017

    校正担当

  • H.T

    2022

    校正担当

  • Y.I

    1988

    上司

  • A.S

    1990

    上司

横河レンタ・リースでの取り組みについて

入社の経緯と現在の業務

上司

Y.I

私は1998年に中途入社して以来、ずっと人事部門で働いており、2000年頃に障がい者雇用に関わり、その後、採用や社員育成、中国法人の運営に携わってきました。2015年に再び障がい者雇用の担当になり、多様性のある社会の実現に貢献するため、障がい者手帳を持つ人々が働く業務支援グループを立ち上げたんです。もちろん、ただ雇えばいいというわけでないので、彼らが働きやすいチームづくりや、彼らに当社の仕事を体験してもらう機会の設計といった制度も構築してきました。現在は、人事総務部の部長をしています。

上司

A.S

私は大学時代に電気工学科に在籍しており、実験などでオシロスコープや電源装置などの計測器に触れて興味を持ち、1990年に新卒で計測器のレンタルを行う横河レンタ・リースに入社しました。今年で35年目になり、かなり長いです。計測器の検査作業や、使用時に正しく測定できる計測器なのかを判定する校正作業などを長く担当してきました。2024年4月から、業務支援グループのリーダーになり、障がいを持った人たちを含め、若いメンバーにこれまでの経験や技術を指導しています。

校正担当

H.T

私は、南大沢学園※で職業訓練の授業を受け、実習として横河レンタ・リースに来たのがきっかけで入社し、今年で3年目です。レンタルから返却された計測器の検査作業や校正作業を行なっており、オシロスコープを担当しています。波形に現れる反応を細かく確認しなければならないので、正確さが求められる仕事ですね。

※南大沢学園…東京都八王子市にある知的障害特別支援学校(高等部)。主に職業教育を行う就業技術科が設置されている。

校正担当

H.O

私もH.Tと同じ南大沢学園に通っていました。就職活動では、小売業や物流業などでのインターンシップや、横河レンタ・リースの実習に参加しましたが、同じ学校の先輩が働いていたこともあり、当社に入社しました。現在は入社8年目で、主に校正作業を担当しています。H.Tとは、同時期に学校に通っていたわけではありませんが、先輩後輩ではあるので学校の話などで盛り上がっています!

校正担当

H.T

そうですね。同じ学校の先輩がいてうれしいです。

仕事内容について

仕事のなかで大変なこと

上司

Y.I

業務支援グループにいる障がいを持つ人の多くは、18歳で入社するのでとても若く、素直で真面目に仕事に取り組むため、実は成長がものすごく早いんです。彼らに対するサポートが成長に追いついていないと感じることがあるので、そのあたりは常に考えていかないといけないと感じています。もう1つは、彼らを現場でサポートするメンバーの確保ですね。人を育てるというのはもっとも難しい仕事だと思いますし、純粋に一生懸命仕事をする彼らの模範にならなければならないので、A.Sには感謝しています。

上司

A.S

ありがとうございます。障がいのあるメンバーにはさまざまな背景があり、大きく異なる特性があるので、接し方や指導法に正解がないことは少し大変かもしれません。私は、なるべくたくさん話しかけ、その反応を見て、興味を持って仕事ができるようにメンバーごとに対応を考えています。

上司

Y.I

少し悲しい話になりますが、現在、障がいを持つ人が健常者と同じように社会でいきいきと暮らせているかというと難しい面があると思います。特に学生時代などには辛い経験をすることも少なくないはずです。ですから、彼らの内に秘めた悲しい過去なども、想像して理解できる人をリーダーにアサインしたいと考えており、A.Sはさまざまな人の気持ちになって考えてくれるので適任だなと感じています。テーマからだいぶ逸れてしまいましたね(笑)。失礼しました。

校正担当

H.O

現場の話になりますが、私が苦労したのは温度湿度計などの検査や校正です。すごく精密な機器なので、設置する場所やセンサーの位置が数ミリ異なるだけで計測値が大きく変化してしまうので、慣れるまでは調整が難しいと感じましたね。

校正担当

H.T

計測器にはさまざまなメーカーや機種があるので、検査や校正をする際の手順や項目、ポイントなどを覚えるのが大変でした。最初はやっていけるのか不安で……。ただ、自分のメモを見たり、わからないことは周囲の人に聞けば優しく教えてくれたりしたので、少しずつ対応できるようになりました。

成長について

身についたスキルや能力

上司

Y.I

ひたむきに仕事に取り組む障がいを持つメンバーと関わっていると、日々、教えられることや、自分がまだまだだなと感じることは多いです。最近の一例ですが、知的障がいや発達障がいのある人に対しては、抽象的な指示ではなく、シンプルで明確なコミュニケーションが必要なのですが、そうした伝え方などは足りていないと感じることがありました。彼らと仕事をしていると、これまであまり目を向けて来なかった自分の一面に気付かされることがあるので、50歳になってそのような経験ができるのはありがたいですし、気付きがあるおかげで成長できていると思います。

上司

A.S

現場でメンバーと接する私からすると、仕事の質と量の両面で、正社員とほとんど変わらないレベルまで向上したメンバーを見ると、ここまできちんと教えられたなと、彼らの成長とともに自分の成長も実感できます。あとは、ほかの部署から新しい仕事の依頼などが来ることもあるのですが、業務支援グループのなかでうまく取り込めたときも成長を感じますね。

校正担当

H.T

先ほども少し話しましたが、最初は仕事に不安を感じていて、1台の計測器を検査・校正をするのに時間がかかっていました。でも現在はスピードが上がり、1日で10台以上も対応できるようになったので、そこは成長できたかなと思っています。

校正担当

H.O

入社当初はOJTで教えてもらいながら検査をしていましたが、その後、1人で担当するようになり、さまざまな計測器の検査法を学び、忙しい時期には1週間に10種類、1年間で200種類以上の機種の検査法を覚えました。現在では、1,000種類以上の検査法を理解できたので、検査に関してはすごく成長できましたね。

仕事の意義について

日々行っている業務のやりがい

上司

Y.I

横河レンタ・リースは、比較的自由にやりたい仕事をやらせてくれるので、業務支援チームをつくったときも、私が「こういうことをしたい」と言ってスタートしました。少しずつ拡大して現在では15名くらいがチームに在籍し、きちんと会社に貢献してくれているので、自分ではじめたプログラムが横河レンタ・リースの一部になっていることには大きなやりがいを感じますね。

上司

A.S

普段、業務支援グループのメンバーと一緒に仕事をしていて感じるのは、みんなそれぞれ潜在能力を持っているということ。それを引き出して、うまく仕事に生かせるように導いていきたいと思っていますし、それが現在のやりがいですね。

校正担当

H.T

入社したばかりの頃は、私が検査・校正した計測器を別の人にチェックしてもらっていましたが、現在では担当する機器はすべて私1人に任されているので、責任を感じますし、やりがいになっています。

校正担当

H.O

私は、学生時代に学級委員をするなど、誰かに何かを教えたり、チームを引っ張ったりするのが好きで、今年、校正を行うチームに新しくメンバーが入り、教える側になったことには大きなやりがいを感じました。

会社に思うことについて

横河レンタ・リースのいいところ、(あれば)悪いところ

上司

Y.I

良くも悪くも、優しい社員が多いことですね。例えば、人事関連の業務で何かミスがあり、社員に謝りのメールをした際も、本来なら怒ってもいいはずなのに、「わざわざご連絡いただき、ありがとうございます。承知しました」と返信をくれる。管理部門や経営層のお願いにスムーズに協力してくれますし、本当に性格のいい人が多いと思います。反面、悪い部分なのかはわかりませんが、おっとりしている人が多いので、迅速な変化などは苦手なのかなと個人的には感じています。

上司

A.S

私もY.Iと同じです。優しい人が多いので、人間関係がいい。だからこそ35年も働き続けられましたし、ニュースで出てくるような「ハラスメント」のようなことは、私は見たことがありませんね。もちろん、嫌いなところはありません。

校正担当

H.T

私も同じですが、みなさん明るくて優しい。どの人にも話しかけやすくて安心できる職場です。

校正担当

H.O

優しい人が多いことに加え、すごく個人的な話ですが、H.Tのように、同じ学校の卒業生がいることが横河レンタ・リースのいいところですかね。学校のことなどは話が弾みますし、コミュニケーションが取りやすいので、うれしいです。

目標について

今後、横河レンタ・リースで実現していきたいこと

上司

Y.I

大きく2つ目標があります。1つは、業務支援グループを拡大していくことです。IT機器を扱う事業所から「お願いしたい仕事があるので、こちらにも業務支援グループをつくって欲しい」という依頼をいただいおり、こちらの優秀な人財を送り込むことも考えています。あと2年くらいで実現できたらと思っています。もう1つは、障がいを持つメンバーの処遇です。現在のところ彼らは20代がほとんどですが、今後、ライフステージに合わせたイベントが発生すると思うので、彼らが安心して生活を送れる制度をつくっていきたいです。

上司

A.S

すごくシンプルですが、業務支援グループから1人でも多く、社内で活躍できるメンバーを育成し、会社に貢献していくことかな。ゆくゆくは、横河レンタ・リースにとって業務支援グループがなくてはならない部署になれれば、うれしいですね。

校正担当

H.O

私には大きな目標がありまして、“肩書き”というものにすごく憧れがあるので、何年後か何十年後かわかりませんが、いつか係長や課長など、メンバーを率いる立場になりたいなと思っています。

校正担当

H.T

まだ大きな目標はありませんが、日々の業務のなかで、正確にスピード感を持って行えることを増やしていきたいです。あとは、先ほども少し話しましたが、以前、少し残って仕事をしているときにH.Oがお手伝いをしてくれたことがあり、とても心強かったので、私も後輩に頼られる先輩になりたいです!