2020.05.08

「Unifier Castの運用を考える」(2)Unifier Cast の配布グループ作成

こんにちは、横河レンタ・リース サポートサイト運用担当です。

第2回では、Unifierの配布グループの設計および設定方法について記載します。

Unifier Castでは、FU・QUのパッケージを配布グループ単位で配布するため、どのように配布グループを設計するかが重要です。
また、Windows 10 では短いサイクルでアップデート運用を行う必要があるため、配布設計の考え方については、Microsoft が推奨するパイロット運用に則って配布グループの設計を行うことをおすすめします。

参考情報
横河レンタ・リースの「Win10運用マスターへの道」(8)
Windows 10 の動作検証が面倒? そんなにイヤなら、やめればいいじゃない (3/3)
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1810/17/news007_3.html(外部サイト)

Microsoft が推奨するパイロット運用 Microsoft が推奨するパイロット運用


パイロット運用に則り、配布グループを設計する際に考慮すべき点は以下の通りです。

事前検証
初めに検証用PCを対象にFUQUの配布を行います。
アップデート後にPCが正常に動作することを確認します。
機種依存によるアップデート失敗もあるため、可能な限り複数機種で確認します。

先行配布
先行で実環境にて検証を行うPCを対象に、FU/QUの配布を行います。
アップデートによりソフトウエアが動作しなくなることがあるため、可能な限り全てのソフトウエアの正常動作を確認します。

本番展開
本番配布として、全てのPCを対象にFU/QUの配布を行います。
拠点数が多い場合や、拠点内のPCが多い場合などは、本番配布グループを分割することで段階的に配布を行うことができます。


Unifier Castでは分散配布による配布が行われるため、1拠点につきPC 1台までがマスターサーバーからの配布を受け取り、その他のPCは拠点内のPC間でパッケージの受け渡しを行います。

なお、Unifier Castの配布グループは拠点ごとに分ける必要はありません。
分散配布については各PCが拠点内(同一セグメント)のPCを自動で判別し、伝搬が行われる仕様です。(配布グループの単位で伝搬されるものではありません。)
また、最初に取りに来たPCを伝播の起点とするため、各拠点で初回配布PCを選定する必要もありません。

拠点ごとの配布グループ設計例

【ワンポイントメモ】
配布グループ(コンピューターグループ)とコンピューターリストはそれぞれ以下の用途で利用されます。
コンピューターグループ:パッケージの配布対象を指定する単位
コンピューターリスト:CastコンソールでFUQUの配布状況を管理する単位

コンピューターリストを参照してコンピューターグループを作成することで、「配布対象の指定」と「配布状況管理」を一致させることができます。


ここまでに記載した設計ポリシーを基に、当社では以下のように配布グループの設計をしています。

当社環境でのグループ設計:
[検証配布Gr] … 情報システム部の検証用PC(10台)
[先行配布Gr] … SE社員の利用PC、重要業務を検証するPC(30台)
[本番配布Gr] … その他の全端末(1000台)


当社配布グループを例とし、配布グループ、および配布グループ作成時に参照するコンピューターリストの設定例を以下に記載します。

検証配布Gr・先行配布Grのコンピューターリスト設定 検証配布Grおよび先行配布Gr

台数が少ないため、静的に配布対象PCを指定してコンピューターリストを作成し、これを配布グループに参照させます。

本番配布Grのコンピューターリスト設定 本番配布Gr

台数が多いため、動的に配布対象PCの条件を指定してコンピューターリストを作成し、これを配布グループに参照させることで、一括で対象PCの指定ができます。


拠点ごとに配布グループを分けて作成する例

なお、前述の通り、本番配布グループを拠点ごとに分ける必要はありませんが、運用上の都合により拠点ごとにグループを分けたい場合は、拠点に対応した配布グループを作成し、それぞれの配布グループに対応するコンピューターリストを下記の通り作成することで、拠点ごと(GWごと)の配布グループを作成することが出来ます。

■条件式を有効化(動的リスト化)
項目分類項目名比較
ネットワークGWアドレス[“対象拠点のGWアドレス”]