こんにちは、横河レンタ・リース サポートサイト運用担当です。
第2回では、Unifierの配布グループの設計および設定方法について記載します。
Unifier Castでは、FU・QUのパッケージを配布グループ単位で配布するため、どのように配布グループを設計するかが重要です。
また、Windows 10 では短いサイクルでアップデート運用を行う必要があるため、配布設計の考え方については、Microsoft が推奨するパイロット運用に則って配布グループの設計を行うことをおすすめします。
Microsoft が推奨するパイロット運用
パイロット運用に則り、配布グループを設計する際に考慮すべき点は以下の通りです。
事前検証
初めに検証用PCを対象にFUQUの配布を行います。
アップデート後にPCが正常に動作することを確認します。
機種依存によるアップデート失敗もあるため、可能な限り複数機種で確認します。
先行配布
先行で実環境にて検証を行うPCを対象に、FU/QUの配布を行います。
アップデートによりソフトウエアが動作しなくなることがあるため、可能な限り全てのソフトウエアの正常動作を確認します。
本番展開
本番配布として、全てのPCを対象にFU/QUの配布を行います。
拠点数が多い場合や、拠点内のPCが多い場合などは、本番配布グループを分割することで段階的に配布を行うことができます。
Unifier Castでは分散配布による配布が行われるため、1拠点につきPC 1台までがマスターサーバーからの配布を受け取り、その他のPCは拠点内のPC間でパッケージの受け渡しを行います。
なお、Unifier Castの配布グループは拠点ごとに分ける必要はありません。
分散配布については各PCが拠点内(同一セグメント)のPCを自動で判別し、伝搬が行われる仕様です。(配布グループの単位で伝搬されるものではありません。)
また、最初に取りに来たPCを伝播の起点とするため、各拠点で初回配布PCを選定する必要もありません。
【ワンポイントメモ】
配布グループ(コンピューターグループ)とコンピューターリストはそれぞれ以下の用途で利用されます。
コンピューターグループ:パッケージの配布対象を指定する単位
コンピューターリスト:CastコンソールでFUQUの配布状況を管理する単位
コンピューターリストを参照してコンピューターグループを作成することで、「配布対象の指定」と「配布状況管理」を一致させることができます。
ここまでに記載した設計ポリシーを基に、当社では以下のように配布グループの設計をしています。
当社環境でのグループ設計:
[検証配布Gr] … 情報システム部の検証用PC(10台)
[先行配布Gr] … SE社員の利用PC、重要業務を検証するPC(30台)
[本番配布Gr] … その他の全端末(1000台)
当社配布グループを例とし、配布グループ、および配布グループ作成時に参照するコンピューターリストの設定例を以下に記載します。
検証配布Grおよび先行配布Gr
台数が少ないため、静的に配布対象PCを指定してコンピューターリストを作成し、これを配布グループに参照させます。
本番配布Gr
台数が多いため、動的に配布対象PCの条件を指定してコンピューターリストを作成し、これを配布グループに参照させることで、一括で対象PCの指定ができます。
なお、前述の通り、本番配布グループを拠点ごとに分ける必要はありませんが、運用上の都合により拠点ごとにグループを分けたい場合は、拠点に対応した配布グループを作成し、それぞれの配布グループに対応するコンピューターリストを下記の通り作成することで、拠点ごと(GWごと)の配布グループを作成することが出来ます。
■条件式を有効化(動的リスト化) |
項目分類 | 項目名 | 比較 | 値 |
ネットワーク | GWアドレス | = | [“対象拠点のGWアドレス”] |