小柳建設さまは新潟県三条市に本社を構え、地域の土木・建築・浚渫(しゅんせつ)工事を手掛ける総合建設会社(ゼネコン)です。2025年に創業80周年を迎える同社では、3代目となる小柳卓蔵氏が社長に就任後、「変化を楽しもう。」をモットーに、ITを始めとしたテクノロジーを積極的に活用し、業務効率化・働き方改革を強力に推進。MRデバイスを活用した建設現場の次世代コミュニケーションツール「Holostruction」の開発・販売なども手掛けています。
この業務効率化の一環として、横河レンタ・リースのCotoka for PCを導入。情報システム部門をPC運用管理業務から解放し、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に注力できる環境整備を実現しました。
評価ポイント
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情報システム部門を
PCの調達・導入・
運用・保守業務から解放 -
PC運用コストの最適化を実現
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情報システム部門の
DXへの集中が可能に
お話を聞いた方
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小柳建設株式会社
代表取締役社長(CEO)
小柳 卓蔵 氏 -
小柳建設株式会社
統括経営管理部 兼
Innovation推進部 部長(CIO)
和田 博司 氏
小柳建設株式会社さま Cotoka for PC 導入事例 インタビュー動画
建設業界の業務効率をテクノロジーで変革
地元新潟を中心に全国の土木・建築、そして河川や湖沼の土砂を取り除く浚渫事業を手掛ける小柳建設さま。1945年に創業以来、数多くのインフラ整備を手掛けるとともに、埋蔵文化財の発掘調査などを支援する事業も展開しています。
同社代表取締役社長(CEO)の小柳卓蔵氏は金融業界を経て2008年に入社、2014年に3代目として代表に就任します。小柳氏は入社時を振り返りつつ、こう語ります。「家業ではありましたが、それまで建設業に縁のなかった私が最初に感じたのは、あまりにも業務に手間がかかりすぎている、ということでした。人材不足に直面しているにもかかわらず、生産性が低い結果、不人気な業界となっているこの建設業において、社員が面倒事をせずにもっとやるべき仕事をできるようにするには、ITを始めとしたテクノロジーを活用するしかないと考えました」。
そこで、役員時代から、デジタルを活用し経営の見える化に着手。社長就任後は積極的に業務のデジタル化を進めていきます。「2016年には勤怠や給与など社内の全てのシステムをクラウド化し、さらに Microsoft 365 を導入して、社内コミュニケーションをすべてメールからビジネスチャットに移行しました。その後、名刺管理や電子契約を導入し、2021年にはコワーキングスペースやサイネージなども導入した新オフィスを開設しました」(小柳氏)。
現場コミュニケーションを変革するツールを開発・販売
さらに、現場へのテクノロジーの導入も進めます。それがMR(複合現実)デバイスを使った建設現場の次世代コミュニケーションツール「Holostruction」の開発です。
HolostructionはMRデバイスを通して建設現場を1/500から等倍まで立体的に見ることが可能です。小柳氏は「元々、私が平面図を見ても現場をイメージできなかったことが開発のきっかけです」と語ります。その一方で「狭い場所や段差のある場所など現場の状況によっては、熟練者でも施工の手戻りやミスが起き、それが品質低下や事故につながります。そのような現場でもHolostructionによって事前に確認することでミスを減らすことができます。現在では現場をスキャンして社内やお客さまとも同じ映像を共有しながらミーティングをすることも可能になっており、より進んだコミュニケーションが可能となっています」。
このHolostructionは、国土交通省の「建設現場の生産性を向上する革新的技術」に採択され、同社の新しい事業として成長しつつあります。
PC運用効率化のためにPCレンタルを導入
このような現場へのテクノロジー導入の一方で、社内のPC運用の効率化も手掛けていきます。「経営の数字を可視化していくと、人の動きにかかるコストがよく見えるようになってきます。PCの運用もその一つです。以前はPCを購入していましたが、保守にかかる手間やコスト、資産として保有することのリスク、さらにPCレンタルなら専門的なサポートが受けられるという観点から、レンタルを使ったときと使わなかったときのコストや、効率化される業務を比較検討した結果、レンタルのコスト削減効果が高いと判断しました」(小柳氏)。そこで横河レンタ・リースのPCレンタルサービスを導入します。
実際に社内でPC運用を担当する統括経営管理部部長 兼 Innovation推進部部長(CIO)の和田博司氏は「レンタル調達を始めたのは2016年頃で、初期コストを抑えつつ、PCのコストを平準化できる点がメリットだと感じています。また調達時の人的コストを削減できるのは大きなメリットだと感じました。購入ですと各PCのメーカーに見積もりを取って比較し、調達先を決めてオーダーという流れですが、レンタルはそのプロセスがないので、非常に楽だと感じました」と語ります。
さらなる業務効率化を目指し、Cotoka for PCを導入
社内のPCをすべてレンタルに移行して運用を行っていた同社ですが、PC運用をより効率化できるものとして、横河レンタ・リースよりCotoka for PCの提案を受けます。その提案に和田氏は「これならPCの運用業務を手放すことができる」と感じたといいます。「うまく回り始めれば、調達からユーザーに引き渡すまでの工数が丸々削減できる」と考えた和田氏は、小柳氏に提案し、小柳氏の目指す業務効率化の方針ともマッチしたことからCotoka for PCの導入が決まりました。
250台のPCを3カ月で更新
2024年6月からCotoka for PCによる調達を開始、8月には対象となるPC250台すべての入れ替えが完了したといいます。
和田氏は「Windows Autopilot(以下、Autopilot)によるキッティングの自動化に加え、Cotoka for PCに含まれるアプリケーション配布管理ツール Flex Work Place AppSelf(以下、AppSelf)によって、アプリケーションのインストールをユーザーセルフ化できたので、これまで大変だったPC更新時の工数が大幅に削減できました。特に当社は事業によって使うアプリケーションが異なるため、共通アプリケーション以外にも、それぞれの事業で多い場合は5種類程度のインストールが個別に必要でしたが、AppSelfによりその作業が効率化できました」といいます。
さらに、「横河レンタ・リースは運用設計から、Autopilot の設定まで常に伴走してサポートしてくれたので非常に助かりました」と語ります。
情報システム部門をPC運用管理から解放
今回のCotoka for PCへの切り替えに関してはInnovation推進部が主導で作業を行いましたが、切り替えが終わった今後はユーザーセルフ化を進めていくと和田氏はいいます。「今後はPCにトラブルが発生しても、各自が横河レンタ・リースに直接修理や代替機の手配依頼ができますし、セットアップ・キッティングに関しても Autopilot やAppSelfによってユーザーセルフで対応が可能となります。その結果、Innovation推進部の業務からPCの運用管理を手放すことができ、AI活用やさらなるコミュニケーションの高度化、また生産性向上につながる社内DXの推進など、クリエイティブな業務に集中できると期待しています」(和田氏)。
AI活用やコミュニケーションの高度化に挑む
今後のIT戦略の展望について小柳氏に伺うと「データ活用とAI活用がメインのテーマです。データ活用に関してはどのようなデータを取るべきか、今持っているデータをどう生かしていくかということを掘り下げて考えていかないといけないと思います。またAIに関しても、全社を挙げて業務に活用しながらリテラシーを上げて、建設業のビジネスモデルを変える取り組みや、社員の起業を促すような取り組みを進めていきたいと考えています」と語ります。最後に横河レンタ・リースに期待することとして、「これまでと同様に、伴走しながら当社の事業をサポートいただくとともに、新しいビジネスの事業展開を一緒に考えてもらえるようなサービスがあると心強く、うれしく思います」と語ってくださいました。
会社情報
名称 | 小柳建設株式会社 |
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所在地 | 新潟県三条市東三条1丁目21番5号 |
資本金 | 1億円 |
社員数 | 220名(2024年5月31日時点) |
URL | https://n-oyanagi.com/ |
※本事例は2024年11月に作成したものです。本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞などは初掲載当時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
- ・記載の会社名・商品名は各社の商標または登録商標です。
- ・Cotoka™、Flex Work Place、データレスPC™、Passage、Passage Drive、AppSelf、Unifier Cast、Simplit Manager™は、横河レンタ・リース株式会社の商標および登録商標です。
- ・記載事項は変更になる場合があります。