リモートワーク人口の増加に伴い、自宅などからオフィスのPCにアクセスしてファイルを操作できるリモートアクセスツールが注目されています。
本記事では、リモートアクセスツールの基礎知識や導入のメリット・デメリットを解説します。
リモートアクセスツールとは、遠隔地にあるPCやネットワークに接続するためのソフトウエアやシステムを指します。
このツールを使用することで、社外からオフィスのPCにアクセスでき、ファイルの編集や閲覧、アプリケーションの利用、社内メールの対応などを行えるようになります。
企業では、基幹システムや機密データへのアクセスを社内PCからのみ可能にしていることも珍しくありません。
しかし、リモートアクセスツールを使えば、社内PCを中継してシステムやデータへアクセスするので、どこにいてもオフィスと同様に仕事ができます。
リモートアクセスの代表的な方法としては、「リモートデスクトップ方式」「VPN方式」「仮想デスクトップ (VDI) 方式」の3種類があります。
リモートデスクトップ方式は、手元の端末 (シンクライアント端末) を通じて社内PCを直接操作する方法です。
この方式はほかの方法よりも比較的安価かつ容易に導入できるのがメリットです。
シンクライアント端末にはデータが残らないので、情報漏えい対策にもなります。
ただし、この方法を使うには社内デバイスを常時起動しておく必要があります。
また、1人あたり2台のPC管理が必要になり、Web会議が遅くなる、オフライン作業ができないなどの欠点も存在します。
VPN方式は、仮想の専用回線 (VPN) を利用して社内ネットワークへ安全に接続する方法です。
既存の回線を利用して簡単に導入できるので、迅速にリモートワークを導入したい企業に適しています。
また、社内ネットワークに接続することで、社内のサーバーや基幹システムにアクセスし、社内と同様の業務環境を構築できるのもメリットです。
その一方で、通信速度が遅くなりやすいという欠点もあります。
仮想デスクトップ (VDI) 方式とは、サーバー上に社内PCと同様のデスクトップ環境を仮想的に構築し、そこへ遠隔地からアクセスして業務を行う方法です。
高いセキュリティーとカスタマイズ性が特徴で、情報の集中管理を実現できます。
その一方で、初期コストが高く、その運用管理には高度なITスキルも求められるので、IT部門のある大企業におすすめの方法です。
リモートアクセスツールの導入により、オフィス以外の場所でも業務を遂行できるようになります。
これによりリモートワークを促進でき、多様な働き方を実現できます。
また災害や緊急事態の際にも従業員が業務を継続できるため、ビジネスの継続性を確保できます。
リモートアクセスツールの導入によってリモートワークが可能になることで、交通費の削減、オフィススペースの縮小・移転による賃料の削減などを実現できます。
また、リモートアクセスツールを使えば、シンクライアント端末側に社内PCと同じアプリケーションを導入したり、高い性能を求めたりする必要がなくなるので、ITコストの削減も可能です。
VPNなどを利用してリモートアクセスすることで、従業員は社内システムへ安全にアクセス可能です。
そのため、重要なデータをモバイルPCやUSBメモリなどに入れて物理的に持ち出す必要がなくなります。
これはデバイスの紛失・盗難などによる情報漏えいリスクを回避する上で非常に効果的です。
リモートアクセスでは、ネットワーク環境により通信速度が左右されることがあります。
特に大容量のデータを転送する場合や、ネットワークが混雑している場合には、通信速度が遅くなり、業務をスムーズに行えない可能性があります。
リモートアクセスツールの導入には、ソフトウエアやハードウエアの購入、設定や導入作業のコストがかかる場合があります。
また、利用料金やライセンス料などのランニングコストも考慮する必要があります。
リモートアクセスでは、外部からのアクセスを許可するため、セキュリティーリスクが増加します。
不正アクセスやデータ漏えい、マルウエア感染などのリスクに対処するために、適切なセキュリティー対策がされたツールであることを確認する必要があります。
リモートアクセスツール選びで必ずチェックすべきことは、セキュリティーの信頼性です。
具体的には、2段階認証やワンタイムパスワードなどの認証方式や、アクセス履歴の監視機能、画面キャプチャー機能の有無などが挙げられます。
また、外部からの攻撃やデータの不正持ち出しに対する対策がされているかも重要です。
自社のセキュリティーポリシーに合致する製品を選びましょう。
Windows PCだけでなく Mac やモバイル端末でも使えるかなど、対応する利用環境も事前にチェックしておくことが大切です。
使い慣れたマシンやOSを利用できるかどうかは、従業員の生産性に直結します。
また、「リモートデスクトップ方式では社内PCの電源をつけておく必要がある」など、利用に当たって一定の条件が求められる場合もあるので、その点にも注意しておきましょう。
リモートアクセスツールの支払い方法は、主に従量課金型と定額課金型の2種類があります。
従量課金型はサービスの利用規模に応じて支払うものであり、定額課金型はあらかじめ定めた金額を支払い、契約の範囲内で自由に使えるようになるものです。
小規模な企業や試験運用をしたい企業の場合は、従量課金型の方が安価に済むことが多いです。
その一方で、大規模に導入したい場合は、定額課金型の方がコスト的に優れている場合もあります。
そのため、事業規模や利用頻度、予算に応じて選定することが重要です。
操作性の良しあしはユーザーの快適性や業務効率に直結します。
例えば、フレームレートが低いと、クリックや入力をしても反応が遅く、ストレスがたまりがちです。
そのため、リモートアクセスツールを選ぶ際はフレームレートの高さが鍵になります。
そのほかには、仮想キーボードや仮想マウスの有無、ショートカットキーへの対応なども確認する必要があります。
リモートアクセスには多くのメリットがある反面、通信速度やコスト、セキュリティー面のデメリットも存在します。
リモートアクセスツールのデメリットが気になる方は、横河レンタ・リースが提供する「 Passage Drive 」を検討してみてはいかがでしょうか。
リモートデスクトップやVDIから Passage Drive に乗り換えたお客さまも多数いらっしゃいます。
一般的なリモートアクセスツールではWeb会議や動画再生の動作が遅くなりがちですが、 Passage Drive ではそのような影響がありません。
また、既存のPCにインストールするだけで利用開始できるので、導入コストも非常に安価です。
Passage Drive はセキュリティー対策としても有効です。
ローカルディスクへのユーザーデータの保存を制限し、Microsoft 365 の OneDrive へデータを自動的に集約するため、PC紛失・盗難時のデータ漏えいリスクを軽減します。
さらにオプションを追加すれば、在宅勤務中の接続状況を自動で検知でき、自宅プリンターでの印刷やデータの書き出しを制御できます。
これにより、情報漏えいのリスクを最小限に抑えられます。
Passage Drive を導入することで、仮想デスクトップ (VDI) 環境と同等のセキュリティーをもったリモートワーク環境を、低コストかつスムーズに構築できます。
リモートアクセスツールを導入することで、従業員が自宅にいても社内のPCやネットワークに接続し、スムーズに業務を行うことが可能です。
そのため、特にリモートワークを実施したい企業にとって、その導入は非常に価値があります。
横河レンタ・リースの「 Passage / Passage Drive 」は、データレスPC™という独自のアプローチで、セキュリティーと利便性を両立させたリモートワーク環境を提供します。
リモートワーク環境の整備に取り組む際は、ぜひご相談ください。