日鉄エンジニアリング株式会社さま 導入事例

テレワーク時代の社内コミュニケーションを検証するため、
Microsoft HoloLens 2 と次世代会議室アプリケーションを
組み合わせたトライアルを実施 MR、VRを活用したコミュニケーションの知見を獲得

製鉄や環境・エネルギー、パイプライン、海洋インフラなどのプラントや社会インフラの構築を手掛ける日鉄エンジニアリング株式会社では、システムのクラウドシフトを始めとしてさまざまな DX (デジタル・トランスフォーメーション) を推進しています。

DX推進の中核となるデジタル・トランスフォーメーション・センターでは、先を見据えたさまざまなICTの技術調査を行っており、そのテーマの一つである「テレワーク時代のオフィスコミュニケーション」のあり方の調査において、横河レンタ・リースの提供する MR (Mixed Reality) グラス「 Microsoft HoloLens 2 」とMRを活用した次世代会議室「 WHITEROOM 」のトライアルを実施。
レンタル活用によりコストを抑えつつ、実践的な次世代のオフィスコミュニケーションにおける知見の蓄積を得ることができました。

評価ポイント

少し先の技術を検証するICT導入調査委員会

さまざまなプラントシステムやインフラの設計から構築までを手掛ける日鉄エンジニアリングでは、DX (デジタル・トランスフォーメーション) を強力に進めています。
社内でDXの推進役となっているのがデジタル・トランスフォーメーション・センターです。

日鉄エンジニアリング株式会社
デジタル・トランスフォーメーション・センター
ICT企画推進部
ICTソリューション室
基盤グループ
シニアマネジャー 大塚 泰広 氏

デジタル・トランスフォーメーション・センターでは、円滑なITの新技術導入を目的として、部門横断的に集まったメンバーで構成されるICT導入調査委員会を組織。
現場からのニーズに先立って、新技術のセキュリティーや運用について調査・検証を行っています。

デジタル・トランスフォーメーション・センター ICT企画推進部 ICTソリューション室 基盤グループのシニアマネジャー 大塚泰広氏は「これまでも施工現場における5GネットワークやWi-Fi活用、セキュリティーカメラの調査などさまざまな活動をしてきました」と語ります。

さまざまなテーマについて調査活動を行う中、コロナ禍をうけて新たなテーマとして挙がったのが「在宅業務の障壁を探る」ということでした。
「 Microsoft 365 を導入している当社では、テレワークのコミュニケーションツールとして Teams を使っていますが、オンライン会議や、同僚とのやり取りの中で、例えば雑談がし難いことからコミュニケーションに課題があると考えていました。今後テレワークが一般化することが想定される中で、コミュニケーションを改善する技術はどのようなものがあり、導入するにはどのような課題があるかということを検証していくことにしました」(大塚氏)

レンタルだから実現できた WHITEROOM+HoloLens 2 のコミュニケーション体験

さまざまな情報収集を進める中で、横河レンタ・リースが開催するMRを活用した次世代会議室「 WHITEROOM 」のウェビナーを知ります。
大塚氏は「あいにくタイミングが合わずウェビナーを受けることができなかったのですが、横河レンタ・リースにお願いしたところ、WHITEROOM の開発元である南国アールスタジオ株式会社に伺って、実機で体験することができました。実際に体験して、Teams とは全く違うコミュニケーションが期待できると感じ、WHITEROOM を一定期間社内で使用してPoCを行うことにしました」といいます。

PoCにあたって同社では、HoloLens 2 を3台、VRグラス2台を準備しました。
「VRグラスは比較的安価のため購入しましたが、HoloLens 2 は高価のため、購入のハードルがとても高くPoCのような短期利用には向きません。その点で横河レンタ・リースの『 HoloLens 2 サブスクリプションプログラム 』なら月額料金で使うことができ、コストを抑えることができます。レンタルがあったからこそ、このPoCが実現できたと思います。動作の保証も問題なくできたので、スムーズにPoCを行うことができました。」(大塚氏)

HoloLens 次世代会議室アプリケーション「 WHITEROOM 」

遠隔地にいる相手との臨場感の高いコミュニケーションが可能

社内のPoCでさまざまな課題抽出と知見獲得ができた

日鉄エンジニアリング株式会社
デジタル・トランスフォーメーション・センター
ICT企画推進部 ICTソリューション室
業務APグループ(総務部 総務室 兼務)
マネジャー 永田 達也 氏

PoCでは東京の本社と、設計開発部門のある北九州を結んで、延べ30名ほどのさまざまな部署の社員が WHITEROOM によるミーティングを体験しました。
このPoC通して、さまざまな課題の抽出と、知見の獲得ができたといいます。

特に大きな導入効果が期待できるのは設計部門だと大塚氏はいいます。
「3D CADのレビュー会では、設計したエンジニアが投影された3D CADのデータを、操作によってさまざまな方向に回すことによって、細かい点までレビューを行うことができるということを実感しました。また、設計したエンジニアが HoloLens 2 をかけ、それをチェックする管理職や他のエンジニアは HoloLens 2 やVRグラスで見る、またその他のメンバーは自分のスマホやタブレットでその様子を見るといった、使い分けの発想がでてきたのも、実機を使って実際に社員が体験できた成果だと思います」と大塚氏は語ります。

日鉄エンジニアリング株式会社
デジタル・トランスフォーメーション・センター
ICT企画推進部 ICTソリューション室
業務APグループ
(人事部 人事業務プロセス改革室 兼務)
シニアマネジャー 清水 敏男 氏

一方で、「当社ではバックオフィス部門には時期尚早だと感じた」と語るのは同ICTソリューション室 業務APグループのマネジャーで総務部と兼務している永田達也氏です。
「アバターによるコミュニケーションができる点では新鮮味があると感じましたが、設計開発部門や現場と異なり技術的に高度な機能を求められるものでもないので、コストなどを考えると優先順位は低い」と語ります。

同じく業務APグループのシニアマネジャーで人事部と兼務している清水敏男氏は「MRやVRという技術のすごさを体感できたことは大きな収穫だったと思います。また、MRとVRの違いも理解できました。没入感に関しては圧倒的にVRグラスのほうが高いのですが、それがかえって圧迫感に感じることもあり、MR の HoloLens 2 のほうがその辺は和らぐ実感がありました。逆にMRはリアルとバーチャルの映像が混在することで脳が処理する情報量が増え、すべてCGで構築されているVRのほうが楽と感じる人もいたようです。また、1セッションを1時間半としていましたが、初めての人はちょうどセッションの終わりごろに慣れてくるといった感じで、慣れが重要であることもわかったのは収穫でした」と語ります。

新しいオフィスのあり方をさらに考えていく

世界最高レベルの Mixed Reality 技術を兼ね備えた「 Microsoft HoloLens 2 」

今後の展望について大塚氏は「今回のPoCを通して、MR、VR、平面ディスプレーデバイスの使い分けや、慣れの問題、業務に対する向き不向きなどの知見や課題感を得ることができ、当初の目的は達成できたと感じています。先にお話した3D CADのレビューや現場とオフィスとのコミュニケーションなどでは、そう遠くない将来に活用できるのではないかと感じています。バックオフィス系のコミュニケーションでは WHITEROOM が Teams との連携が可能となれば実用的になるかもしれません。今後も継続的に新しいオフィスのあり方、働き方について調査・検討を進めて考えていきたいと思います。今後ますます MR、VR、そしてスマートグラスといったウエアラブルデバイスは進化していき、今課題になっている点も改善されていくと思います。レンタルであればこういったデバイスのトライアルも容易になるので、今後もうまく活用していければと思います。横河レンタ・リースには、今後さらに他社の同様の事例や、使い方のヒントなどの情報を継続的に提供いただければと思います」と語ってくださいました。

会社情報

会社名 日鉄エンジニアリング株式会社
所在地 東京都品川区大崎1-5-1 大崎センタービル
社員数 単独1,585人 連結4,485人 (2022年3月末現在)
URL https://www.eng.nipponsteel.com/

・記載の会社名・商品名は各社の商標または登録商標です。
・記載事項は変更になる場合があります。

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