競合ひしめく欧州Cセグメントのダークホース
~プジョー 308 GT Line~

作成日:2019/04/03

お役立ちコラム

競合ひしめく欧州Cセグメントのダークホース
~プジョー 308 GT Line~

プジョー 308 GT Line

今回お届けするのは2018年12月の8速ATに切り替わる前の308 GT Line 1200ccターボに6速ATを組み合わせたモデルだ。
最新のラインナップでは全グレード8速ATとなり、ディーゼルモデルも1600ccから最新の1500ccへとダウンサイジングされている。

毎日乗れるスポーティなセッティングの足回り

登場から約4年が経過しているモデルとなり熟成が進んできており、私もデビュー当初の308 アリュールに試乗したことがあるが、細かい部分のNVHが滑らかになっていると感じた。
ただし今回は扁平率の低いタイヤを装着するGT Lineというグレードであるため、乗り心地全般に関してはフランス車のイメージではなく欧州ホットハッチという感じを受けた。

プジョー 308 GT Line ホイール

装着されているタイヤはミシュランのパイロットスポーツ3で、サイズは225/40/ZR18。
元々電動パワステのアシストが強めなフランス車の例に漏れず、ハイグリップタイヤを装着しても、毎日乗れる実用車としても疲れないフィーリングであった。
他社を含めた感想ではあるが、ルノースポールが手掛けるメガーヌR.S.などもハードなバケットシートに低扁平率のタイヤを装着しても路面の細かい凹凸を車体全体で吸収する感じがあり、この辺はフランス車の得意なところなのであろう。

あくまでも1200ccターボのスポーツラインとして設定されているグレードであるため、ブレーキキャリパーは比較的小さめなのは致し方ない。
全て本物を望む方には別途GTiグレードが用意されている。

プジョー 308 GTi by Peugeot Sport

好みは分かれるが、デザインはやっぱり秀逸。

インテリアは現在市販されているプジョーブランドの中では最もシンプルな構成になっているのではないだろうか?

インテリアデザインは賛否両論あると思うが、ナビゲーションを頻繁に利用するユーザーは毎回マルチディスプレイからエアコン画面とナビゲーション画面の切り替えが発生するので煩わしいかもしれない。一方で、綺麗好きなクルマ好きには拭き掃除がし易いという最大のメリットになるのではないだろうか。

プジョー iコックピット ディスプレイ

プジョー 308 iコックピット

308 EAT6

プジョーお馴染みの小径ステアリングの上にはアナログメータに5インチ前後のインフォメーションディスプレイが組み合わせれている。
タコメータの針がスピードメータの逆を向いていることに一瞬違和感を感じるが、走り出してしまえばあまり気になることは無かった。
そもそも最近ではタコメータが無いクルマも多くなっているため、一種の飾りに近いものと考えて良いだろう。

308 メーター

フランス車は遅れているイメージを払拭

インフォメーションディスプレイには路上の速度標識を認識して表示できる、スピードリミットインフォメーションも装備されている。
ミラー内にもアクティブブラインドスポットモニタリングシステム(以下、BSM)が装備されており、特に首都高速や3車線以上の路線で車線変更する場合に非常に安心感を高めてくれる。

308 ブラインドスポットモニタリングシステム

私もBSMとレーンアシストがセットになったクルマに乗っているが、豪雨時の高速を走行すると巻き上げた水しぶきを物体と認識してBSMが作動することがある。
その上でレーンアシストが作動して車線変更を抑制するステアリング反力を起こす場合があるので、高速道路の合流などでは驚くこともある。
基本的には安全に走行する上で非常に有効なアイテムであることに間違いない。

プジョー 308 GT Line LEDヘッドライト

最近のフランス車は過去のイメージと異なり、ハイテク技術が満載だ。
LEDヘッドライトにアダプティブハイビームを装備しており、驚いたのはフォグライトまでLEDになっている。数年前のフランス車では考えられない進化だ。
19年モデルでは全車にミリ波+カメラのアクティブクルーズコントロールも装備されており長距離移動も快適だ。
静岡県と岩手県の一部区間では高速道路の制限速度が120km/hに引き上げられたが、意外にもフルモデルチェンジされた車種でもクルーズコントロールの設定速度上限が115kmまでとなっている場合が多い。
トヨタやマツダなどは最近180km/hまで設定できるようになってきたが、欧州車は当然のことながら設定速度の上限値は高い。

世界で評価されるエンジンを搭載

PSAお得意の3気筒1.2Lターボ Pure Techエンジンは2015年のインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーで1.0L~1.4L部門で最優秀賞を受賞している。

308 1200CCターボ

3気筒とは思えない振動の少なさと、ロングストロークを生かしたトルクフルな特性、絶対的に1200ccという排気量が生む燃費性能とランニングコストは非常に魅力的だ。
日本国内で乗る分には全くもって不満のない実力を持っていて、私も以前PSAグループに属するシトロエンのC3に乗っており搭載されていたエンジンは1200ccのターボなしであったがフル乗車、フル積載の高速ハイペースで移動などのシーンでなければ問題なかった。
そのエンジンにターボが付いているのだから、困ることはないだろう。

308 1200CC 実用燃費

308 給油

気になる燃費だが流れがいい早朝の時間帯に都内を移動して、メーター読みだが14.2km/Lを記録することができた。前日は渋滞に遭遇しながら60km程度走行して11~12km/L程度だったので2000cc程度の実力をもってこの燃費なら、良好な数値と言えるのではないだろうか。

308 アイドリングストップ メーター表示

ここ最近の輸入車に搭載されているアイドリングストップは本当に良く働く。本当にこんなに水温が低い状態で作動しても大丈夫なのか?と心配になるほどだ。
再始動もスムーズで気にならないレベルだが、ディーゼルエンジンモデルではスターターがオルタネータ方式となっているため、より一層スムーズだ。ぜひ一度試乗していただきたい。

308 GT Line リアビュー

執筆

原田 大輔 (横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター)

原田 大輔 (横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター)

Flex Work Placeをはじめとする、情報システム管理者の課題解消ソリューションのマーケティングを担当。
業界を問わず各社とコラボレーションした企画やウェビナーを多数開催している。
趣味の自動車好きが高じて、くるまマイスター検定1級を取得。
時間があれば近未来の水素/電気で刷新される自動車の未来について考えている。

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