最新計測器の動向、便利な測定機能
～デジタルマルチメータ編～

最新のデジタルマルチメータの特長

近年のデジタルマルチメータは設計開発の効率化やトラブルシュートなどのニーズにより、従来のファンクションテストに解析機能が加わるようになってきました。大型のグラフィックディスプレイと演算機能を備え、測定トレンドや統計データ、ヒストグラム表示なども可能になり、これらの高度な解析およびデータ収集機能を使えば測定データはPCに転送しなくてもデジタルマルチメータだけで解析を行うことができます。
また、低パワーデバイスの測定を可能とする低電流測定機能やデータロギング機能の強化など、デジタルマルチメータは測定機能の強化とともにデータ解析が行えるようになり、評価効率の向上に役立っています。

測定データの変化の把握に苦労していませんか？

一般的に、測定値に変化がないものであれば、繰り返して測定を行なう必要はないかもしれません。ところが、実際の測定は多くの場合、時間とともにドリフトしたり、外部からの干渉など、環境の影響などにより複雑に変化します。デジタルマルチメータのトレンドチャート表示を使用すれば、直近の数分間の最新データまたは、最後に読み値がクリアされた時刻以降の全収集データを表示できます。

読み値の最小桁が常に目視で確認できないほど早く変化している場合は、その挙動を把握することが重要です。これにはデジタルマルチメータのヒストグラム機能で測定値の分布を確認してデータを解析することができます。ここでの平均、分布の形状、標準偏差は変動する現象を見極めるための重要な情報となります。

※出典・参照：キーサイト・テクノロジー　34465A Application Brief 「グラフィカルなデジタルマルチメータ測定による高速データ解析」

低レベルの信号測定に苦労していませんか？

近年の組み込み機器やIoT機器の急速な増加、成長にともない、電子回路設計の特性評価において、ますます低レベル信号の測定、解析が重要になってきています。低レベル信号の測定には低ノイズ、高感度のデジタルマルチメータが必要です。ケースレー DMM7510は低ノイズ入力ステージや32ビットA/Dコンバータなどの機能により、高いDC確度を実現しました。また、100 mV、10 Ω、10 µAのレンジがあり、最新の電子回路設計の特性評価で必要となる低レベル信号測定に欠かせない感度を備えています。

DMM7510型の測定項目と測定範囲

※出典・参照：ケースレー DMM7510 データシート

キーサイト・テクノロジー　34465A

34465Aは2つの測定値を1画面に表示することができます。セカンダリ測定機能によって、1つの測定データに対して、無調整の測定データと、フィルタ処理などの演算を施した調整済みの測定データ（セカンダリ測定）を、一度に比較して確認できます。より多くの情報を短時間で取得でき、測定効率が高まります。

34465A-GPB/DIG

ケースレー　DMM7510

DMM7510は、高確度、高分解能および、グラフィック・タッチスクリーン・ディスプレイ、高速／高分解能デジタイザを備えた、高性能グラフィック・サンプリング・マルチメータです。pAレベルの感度と1MS/sのサンプル・レートにより、超低電圧のスリープ・モード電流や、無線伝送デバイスのドレイン電流も測定できます。

DMM7510