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開発秘話 DLM3000シリーズオシロスコープ

エンジニアに直撃取材!知られざる開発秘話
当社社員がインタビュー!普段なかなか知ることのできない設計開発の苦労やこだわりをたっぷり聞いていきます。

あふれる“オシロ愛”と“チーム力”で進化を続ける
ロングヒット縦型オシロDLMシリーズ(前編)

横河計測株式会社
DLM3000 ディジタルオシロスコープ
DLM3000 ディジタルオシロスコープ

縦型省スペースのユニークなデザインや、ロングメモリーの搭載など、特長あるディジタルオシロスコープを作り続けている横河計測株式会社。

今回は、横河計測のディジタルオシロスコープ開発チームの皆さんにお集まりいただき、開発でのご苦労や、ディジタルオシロスコープへの思いを伺いました。

前半はYOKOGAWAオシロの特徴や、縦型筐体設計の難しさ、ユーザーの変化で大きく変わったプローブ開発について語っていただきました。

1.横河計測のオシロスコープとは

———まずは、YOKOGAWAのオシロスコープの特徴である「縦型省スペース」について教えてください。

横河計測株式会社 遠藤氏
遠藤 誠 氏
横河計測株式会社
技術開発本部 第1技術部
ソフトウェアデザインGr マネージャ

遠藤:横河電機がディジタルオシロスコープ市場に新規参入したのは1988年のことですが、翌年に発売したDL1200という機種が縦型省スペース型オシロスコープの初代となります。以来30年以上にわたり、コンパクト化と機能の充実に取り組んできました。最新モデルDLM3000では、ロジックアナライザやシリアルバスのプロトコル解析といった機能に加えて、シリーズとして初めてタッチスクリーンを採用しています。

———もう一つ、YOKOGAWAのオシロの特徴として、「ロングメモリー」がありますね。

遠藤:初代の縦型モデルDL1200の最大メモリー長は128kBでしたが、これは当時としては画期的ともいえるロングメモリーでした。われわれの先人たちは、いち早くロングメモリーのユーザーメリットに着目していたことがおわかりいただけると思います。
近年では他社も追従しつつありますが、現在でもYOKOGAWAオシロの大きな特長となっています。

———DL1200が発売された当時と、オシロのニーズが変わってきているそうですね。

DL1200 ディジタルオシロスコープ
DL1200 ディジタルオシロスコープ

遠藤:かつては、オシロといえば電子機器メーカーが主なユーザーでした。しかしその後の国内の産業構造や技術の変化と共に、2000年ごろから自動車産業や重電メーカーなど、いわゆるメカトロニクスやパワーエレクトロニクスを扱うユーザーへの変化が起こりました。このようなメカトロニクス分野のお客さまには「一連の動作の全体を測定できる」ということで、先にもお話した「ロングメモリー」が非常に好評を博しています。やっと時代がYOKOGAWAのオシロに追いついてきた、という感じでしょうか(笑)

2.コンパクトであるがゆえに続くチャレンジ(筐体について)

———ところで、DLM3000は「ベンチの上に置いても邪魔にならない」コンパクトさが魅力的ですね。

小野 秀憲 氏
横河計測株式会社
技術開発本部 共通技術部
機構デザインGrチームリーダー

小野:はい、手狭になりがちなベンチで作業エリアを有効的に使えることに加え、4.2kgと軽量なため持ち運びやすいという点を高く評価していただいています。しかし、実はデザインに対するお客さまの評価にはかなり地域性があるんです。日本のお客さまにはほぼ間違いなく魅力を感じていただいているのですが、海外の比較的潤沢にスペースのある地域では、大きくて重いオシロを専用の台に乗せて使うことに対してあまり抵抗がないというお話も伺います。

———コンパクトの筐体ならではの苦労はありますか?

DLM3000を横から見た写真。全面パネルに角度がつき、天板も後傾している。設置面積はA4サイズの約2/3だ。

小野:もともと普通のオシロと比較しても小さい筐体なので設計側は大変なのですが、最新のDLM3000シリーズでは、タッチパネルを搭載したことによる操作性向上のため、前面パネルに7.5°の角度をつけてあります。これがなかなかの厄介者なんです。
もともと、天面も後傾しているためかなり内部容積が少なくなっている上に、前面パネルに角度をつけたために直方体ではなくなっているので、大きなデッドスペースができてしまいます。そのため、内部に基板などを収めるのにかなり苦労しています。いつも、なんとかやり繰りしながら、という感じですね(苦笑)

———パネルのスイッチやダイヤル、ボタンなどの配置も重要だそうですね。

画面はスマートフォンのように直感的に操作ができる一方で、従来からのハードキーも健在。

小野:特に当社のオシロを使い続けているお客さまは、ダイヤルやボタンの位置を「手」で覚えていらっしゃいます。以前の機種で、よかれと思ってレイアウトを変更したところ、長年のユーザーさまからお叱りを受けてしまったことがあります。
このようないわゆるYOKOGAWAファンの方々にとっては微妙な位置のズレが操作性に関わるということがわかって、それ以来、細心の注意を払うよう肝に銘じています。

DLM3000では初めてタッチスクリーンを採用しました。しかし、微調整しては計測といった操作を繰り返すことが多いオシロでは、すべての操作をタッチスクリーン前提にしてしまうと、かえって使い勝手が悪くなってしまいます。タッチスクリーンと、以前からのハードキーのそれぞれのいいところをバランスよく統合するのが、機構設計のポイントになります。
使い勝手のよさというのは絶対的な正解がない難しいテーマなのですが、ついついあいまいになってしまいがちな「気持ちのよい操作とは何か」について、きちんと言語化して、デザインに落とし込むなどの工夫をしながら、日々追求し続けています。

3.大きく変わったニーズとプローブ(プローブについて)

———オシロのユーザー層が変わったことにより、プローブも大きく変化しているそうですね。

佐藤 勇 氏
横河計測株式会社 技術開発本部
第1技術部 ハードウェア開発2Gr

佐藤:いわゆる弱電系の電子回路がメインだったころは、電圧や電流もさほど高くない場合が多く、温度環境などを含めてプローブに対する要求もそれほど厳しいものではありませんでしたので、標準で添付しているプローブやクリップ型のプローブで問題ありませんでした。
しかし、メカトロニクスやパワーエレクトロニクスの開発の場でオシロが使われるようになり、数千V、数百Aといった高電圧、大電流を測定したり、今までより幅広い温度で測定したりする場面が増えており、これらに応えることのできるプローブが求められています。

左)高電圧差動プローブ 701926。差動入力電圧範囲は5000Vrms/7000Vp-p。
右)高感度電流プローブ 701918。1mAからの微小電流測定に。

佐藤:また、自動車関係のお客さまからは、極寒地や砂漠といった極地と同様の厳しい温度環境下での測定にも使用できるプローブが求められています。エンジンルーム内のような厳しい環境にECU(Electronic Control Unit)が配置されることも多くなっていますので、これらの測定用に高温での使用に耐えられるプローブへの要求が日々高くなってきています。
一方、従来オシロが使われてきた弱電の電子回路では、より高い周波数帯域への対応や、低電圧・微小電流などの要求があり、プローブに対し、全般的により高い精度が求められるようになっています。

———そのようなニーズの変化の中で、プローブ開発の大変なところとはどのような点ですか?

佐藤:「いかに正確に測定回路に信号を導けるか」に尽きますね。温度、電圧・電流、帯域、測定する対象物への接続の仕方などによって、測定器への入力が不安定になってしまうようでは、プローブの役目を十分に果たしているとは言えません。さまざまに変化する環境下で、測定対象からの信号の情報を、可能なかぎり正確にオシロ本体の測定回路に伝えられるように設計することが、プローブ開発のポイントと考えています。

インタビュー後記

据え置きの計測器といえば直方体のものが多い中、DLMシリーズはなんといっても特徴的なそのフォルム!
手狭な環境でもコンパクトで使いやすいオシロスコープのその開発の裏側では、限られた筐体のスペースの中でどう配置するか、苦労が絶えなかったのですね。
そしてプローブは縁の下の力持ち!計測器本体の機能に注目が集まりがちですが、プローブが正確に信号を受け取り、本体へ伝えなければ始まりませんよね。
ユーザー視点に立った計測器づくりに、30年以上もの間、多くのファンに愛され続けている理由が垣間見えました。

ご意見・ご感想をぜひお聞かせください。

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