EVの未来はバッテリーだけでなく、プラットフォームにあった MEB編

作成日:2018/09/27

お役立ちコラム

EVの未来はバッテリーだけでなく、プラットフォームにあった MEB編

2020年に15万台のEV販売を目標とするフォルクスワーゲンのEV戦略に注目! 「ELECTRIC FOR ALL(すべての人々のための電気自動車)」というPRキャンペーンを打ち出す同社の取り組みに迫る!

EVの進化はプラットフォームにあった

自動車のプラットフォーム(シャーシ)は走行性能や乗り心地、燃費(環境性能)に大きな影響をもたらします。フォルクスワーゲンが新開発したMEB(エレクトリック ドライブ マトリックス)についてご紹介します。 

新開発MEBアーキテクチャ

9月に発表された新開発のEV専用プラットフォーム「MEB」

100%EVの「ID.」ファミリーはMEBと呼ばれる、新開発の車両プラットフォームが基盤となります。これは従来のガソリン車と共用することは前提としておらず、EV専用のアーキテクチャならではのメリットを提供します。

同社ではMQBという別なアーキテクチャでも大成功を収めており、今後はこのMEBを活用した車種を全世界で27モデル展開の予定です。

既に大成功を収めた先輩「MQB」

同社ではすでに「MQB(モジュラー トランスバース マトリックス)」を市場に投入しており、MQBをベースの車両は既に約5,500万台生産されています。

ブランドや車両のクラスを超えて、様々な車両コンポーネントを標準化する事を可能にしました。複数のパワートレインや、車両サイズの変更にも柔軟に対応するMQBは生産コストの削減に貢献しています。

今後普及が見込まれるEVの事情

電気自動車の販売台数は、過去1年間で60%増加しました。これは今後も増え続けるだろうとフォルクスワーゲンも予想しているようです。
ガソリン車と同等の航続距離が実現できれば、わざわざガソリンスタンドまで走るということも無くなり自宅、職場、商業施設で空いている時間に充電を済ませられると便利ですね。
最近では自然災害も多く発生していますが、電気は早く普及するインフラとして緊急時でもガソリンスタンドに並んで給油ということが無くなります。
また充電だけでなく、給電にも対応した(双方向利用)充電設備を利用することで、電力のピーク時にはEVを蓄電池として利用することも可能です。

従来の常識を覆すパッケージ

EVのコンポーネントはいたってシンプルに構成されるため、内燃機関を搭載した自動車ではできなかったパッケージングが実現できます。革命的なのは全長に対してきわめて長いホイールベースと短いオーバーハングを可能にします。

EVしかできないこと

パワーエレクトロニクスやギアボックスとともにリアアクスルと一体化した電気モーターとスペース削減のため、フロアの下部に設置したフラットで高電圧なバッテリー、車両前方に統合した補助パワートレインなどです。
いたってシンプルな構造ですが、電気自動車をちゃんとした車に仕上げるには、自動車メーカーのノウハウが欠かせないはずです。

現在フォルクスワーゲンが発表している「ID.」ファミリーは3種のコンセプトカーですが、従来の内燃機関と共通プラットフォームでは実現できなかったダイナミックなデザインが実現できると街の景色も華やかになりそうですよね。

次号ではEVの“肝”バッテリーについて触れたいと思います。お楽しみに♪

執筆

原田 大輔 (横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター)

原田 大輔 (横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター)

Flex Work Placeをはじめとする、情報システム管理者の課題解消ソリューションのマーケティングを担当。
業界を問わず各社とコラボレーションした企画やウェビナーを多数開催している。
趣味の自動車好きが高じて、くるまマイスター検定1級を取得。
時間があれば近未来の水素/電気で刷新される自動車の未来について考えている。

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