シスメックス株式会社さま 導入事例

計測器のレンタルの導入と同時にMyAssets™を導入
計測器の管理・運用の効率化と業務で利用している
計測器のライフサイクルマネジメントの強化を目指す

 臨床検査用の機器・試薬などの研究・開発・製造・販売・サービス&サポート・輸出入を展開するシスメックス株式会社では、開発現場で使う計測器の運用・管理の効率化を目指して、計測器の調達方法を長期のレンタルを積極的に活用。 同時に、横河レンタ・リースの提供する計測器管理ツール「MyAssets」を導入しました。

「MyAssets」の計測器予約機能を活用し、社内の計測器の共用利用を促進しつつ、把握した利用状況の情報から、最適な計測器の調達・運用・管理の取り組みを始めています。

評価ポイント

「購入」から「利用」 計測器の運用効率化を目指す

 兵庫県神戸市に本社を構え、臨床検査用の機器・試薬、関連ソフトウエアなどの研究・開発・製造・販売・サービス&サポート・輸出入を行うシスメックス株式会社。海外にも多数の開発・製造拠点を持ち、主力製品である血液検査用機器、特にヘマトロジー(血液中の赤血球や白血球の数や種類、大きさを分析し、精密な検査が必要かどうかを判断するための検査)分野ではグローバルでトップシェアを誇る企業です。
 

シスメックス株式会社
開発推進部 開発情報課
係長
大久保 孝一 氏

 同社の研究開発中核拠点である「テクノパーク」(兵庫県神戸市)では、開発用として約200台の計測器が稼働しており、その効果的な調達・運用・管理が課題となっていました。

 同社で計測器の管理・運用を行っている開発推進部 開発情報課 係長の大久保氏は「これまで計測器は各部門で購入し、管理は当課で行っていました。このため、同じ計測器を複数の部門で所有していることも珍しくないことでした。また、計測器は価格が高価であることから、古い機器で、ほぼ使われていないのにも関わらず、廃棄されることもなく場所だけを取っている、ということも常態化していました。このような状況を見直し、効率的な調達・運用と、計測器には必須の定期的な校正業務を軽減するため、レンタルによる調達を行い、台数の適正化と、効率的な運用、さらには校正業務のアウトソーシング化による、管理業務の効率化を図ることを決定しました。」と言います。

計測器管理ツール「MyAssets」の存在が横河レンタ・リース採用の決め手に

 計測器レンタルによる調達が決まり、同社では複数のレンタル会社に声をかけ、選定を始めます。その中で、計測器のレンタルサービスだけでなく、計測器の運用管理を支援するツールを一緒に提案したのは横河レンタ・リースだけだったといいます。

 大久保氏は「実は10年ほど前から、Microsoft社のイントラネットシステム SharePoint 上に計測器管理ポータルを内作で構築し、オンラインの管理台帳として運用していました。このポータルでは、計測器ごとにページを作成し、計測器の予約や、校正時期の管理に使っていました。しかしながら、使い勝手が今一つということもあり、フル活用されていませんでした。

 MyAssetsは最初から計測器専用の管理システムとして作られており、当社が必要としている機能がおおむね装備されているのでとても魅力的に感じました。特に、利用履歴から各計測器の稼働状況が把握できるという点は、当社の目指す「効率的な計測器の運用」にマッチするものであり、レンタルサービスと含めて、横河レンタ・リースから調達することを決定しました」と語ります。

高い検索性で台帳としての利便性が向上 校正のアラートは校正漏れを防ぐ

 MyAssetsには、レンタル品だけでなく、既存の計測器、約200台を登録し、一括管理が可能となっています。

 実際にMyAssetsを使い始めて、従来の管理システムにあった3つの課題が解決されたといいます。同じく開発推進部 開発情報課の仁尾氏はこう語ります。
「まず従来のポータルでは管理機能の制約から、予約の重複が発生してしまうことがありました。このため、実際に予約が競合してしまうことがあり、問題となっていました。

 また、校正に関しては従来のポータルだと、校正期限がきた機器を、検索機能を使って絞り込んだり、Excel にエクスポートしたデータから抽出したりしていたのですが、抜け漏れがあり、苦労していました。

シスメックス株式会社
開発推進部 開発情報課
仁尾 英一 氏

MyAssets導入後は、予約もスムーズに行えるようになり、重複予約のトラブルもなくなりました。また、校正漏れもまずなくなり、MyAssetsの良さを実感しています。」

 「予約がしっかり行えるようになったことで、技術の担当者が計測器を予約して使うということがだいぶ身についてきたように感じています。

 また、検索も強力になり、確実に検索で見つけられるようになったところも大きなメリットです。ISO 9000 シリーズや ISO 13485(医療機器・体外診断用医薬品に特化した品質マネジメントシステム)では、定期的に監査が行われますが、この際、開発の検証記録からその検証の際に使用した計測器の校正についてトレースされてきて、校正記録を求められることがありますが、MyAssetsによってすぐ探せるので、メリットを感じています。」(大久保氏)

運用から2年余り 効率的な計測器の運用を目指して分析に着手

 同社では、MyAssetsの導入から2年余りが経過し、いよいよ各計測器の稼働状況の分析に着手します。

 仁尾氏は「稼働状況の情報が蓄積されてきたため、横河レンタ・リースに依頼して、各計測器の稼働状況や使われ方の分析と、それに基づく、最適な計測器の調達・運用の提案をいただくことに着手し始めています。

 当社の技術者に限らず、多くの開発現場でもそうだと思いますが、技術者の心理として『計測器は使いたいときにすぐに使うために、手元に置いておきたい』という意識が強く働いた結果、同じ計測器が社内にたくさんある、という状況になっていると思います。

 しかし、稼働率や使われ方、使うタイミングなどが詳細にわかれば、トータルで社内に置いておく機器の数を最適化し、投資コストを抑えることは、さほど難しくはないのではないか、と考えています。」と語ります。

 加えて大久保氏は「臨床検査機器のニーズも変化が進みつつあり、特に遺伝子の解析結果に基づく患者一人一人の特性に合った医療を行う“個別化医療”への取り組みが始まっています。個別化医療に対応するには、検査機器にも100~1000倍の精度が求められるようになってくるため、開発するときに使う計測器もより高精度の物が求められるようになってきます。他方で、先に述べたように古い計測器が残っていると、管理コストは増える一方です。

 最新の計測器を調達しやすくするためにも、ライフサイクルマネジメントを意識したレンタルによる調達や、最適な台数調達など、MyAssetsから得られた情報をもとに、最適な計測器の調達と運用コストの低減を進めていきたいと思います」と語ってくださいました。

 横河レンタ・リースでは、さらに高度化する臨床検査機器の開発を支援するため、レンタルサービスとMyAssetsを最大限生かして、運用・管理のコストを抑えつつ、最新の計測器がお使いいただける環境を提供してまいります。

オンラインミーティングの様子

新型コロナウイルス感染防止のため、インタビューはオンラインで行いました。

会社情報

会社名 シスメックス株式会社
所在地 兵庫県神戸市中央区 脇浜海岸通1丁目5番1号
資本金 128億7,774万円(2020年3月31日現在)
社員数 2,638名(単体・2020年3月31日現在)
URL https://www.sysmex.co.jp/

・記載の会社名・商品名は各社の商標または登録商標です。
・記載事項は変更になる場合があります。

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