3TierなのにHCIライクに利用可能な HPE Nimble Storage dHCI を解説
作成日:2021/04/26
更新日:2021/06/02
3TierなのにHCIライクに利用可能な HPE Nimble Storage dHCI を解説
今回は、日本ヒューレット・パッカード合同会社 (以下、「HPE」という) の分散型HCI 【 HPE Nimble Storage dHCI 】の特徴をまとめました。
3Tierと HCI を比較するとそれぞれメリットとデメリットがありますが、今回ご紹介する HPE Nimble Storage dHCI は、3Tierなのに HCI のような使い勝手ができる製品です。
- 目次 -
1. 最初に、3Tierと HCI とは
2. 仮想化インフラで一緒に考えたいこと
3. 3TierなのにHCIライクに利用可能な HPE Nimble Storage dHCI
4. まとめ
最初に、3Tierと HCI とは
3Tierとは従来型で「物理サーバー」、「SAN」、「共有ストレージ」で3階層化している構成でそれぞれ別の機器が必要になります。
3Tierの構成イメージ
メリット
- システム要件に合わせて小規模から大規模まで自由に構成が可能です。
デメリット
- 機器が分かれるため接続性の互換 (コンパチビリティ) の確認が必要で時間や場合によっては余計なコストがかかる可能性があります。
- 管理対象が複数にまたがるため、複数の運用スキルが必要となり管理画面も増えます。
HCI の構成イメージ
HCI とは、SDS (Software Defined Storage) の技術で物理サーバーの内蔵ディスクを共有ストレージ化して、サーバー外部に共有ストレージを持たない構成です。
メリット
- ハードウエアと仮想化ソフトウエアは事前検証&認定済みです。
- 導入する機器が少なくて済むため、最小規模で導入が可能です。
デメリット
- ある程度固まった構成であるため、極端なワークロードの仮想マシンがあるケースなどで、当てはまらない場合があります。
特にストレージは、複数の仮想マシンで共有するため、特定の1台の仮想マシンで高いディスクI/Oが発生するとそれに引きずられて他の仮想マシンが遅くなる可能性があります。
- 増設時に、ノード単位の増設になるため、ノードを増やすとCPUとメモリーとディスクがまとめて増えるので、CPUだけ足りなかったり、ディスクだけ足りなかったりとした場合に個別のリソースを少しだけ足すことなどがしづらいです。
3Tierと HCI はそれぞれ、コンセプトの違いなどでメリットとデメリットがあります。
仮想化インフラで一緒に考えたいこと
仮想化インフラで考慮することですが、インフラの形式( 3Tier , HCI )という以外に考慮する点として、サーバーの集約をするということで、個別で導入していた時には発生しなかった問題もあります。
サーバーを集約することでディスクのI/Oも集約された分だけ、大きくなり、そして高いレイテンシーが必要です。
また、故障した際の影響度が大きくなるため監視やデータロストに備えたバックアップも複数の仮想マシンをまとめてバックアップするため、対象容量が大きくなることで起きるバックアップ時間の増加も考慮しなければならないものです。
集約するからこそ絶対に業務が止まらない安定性とパフォーマンスが要求されます。
3TierなのにHCIライクに利用可能な HPE Nimble Storage dHCI
3Tierと HCI のそれぞれのメリットとデメリットがあり、ユーザー利用の選択で新たなる形として、HPE が分散型HCI 【 HPE Nimble Storage dHCI 】という製品をリリースしております。
3Tierなのに HCI のように利用できる3Tierのメリットと HCI のメリットの両方を持ち3Tierの弱点を克服している製品です。
dHCI のdは集合体などが構成要素に分かれる (disaggregated) の意味をもつ HCI となります。
HCI (ハイパーコンバージド) が共有ストレージ機能をソフトウエアでサーバーの内蔵ディスクで実現しまとめた製品という意味で、それをあえてサーバーとストレージに分けた HCI といった意味の製品名です。
こちらの共有ストレージとしては、圧倒的な性能と経済性を両立したストレージソリューションの HPE Nimble Storage を利用した製品です。
管理と運用については HCI のようにまとめて行うことや、簡単にフルスタックのインフラストラクチャーを管理することができ、3Tierであることを意識しない製品です。
フルスタックのインフラストラクチャーを数分で構築できて、3Tierとすることで、HPE Nimble Storage の以下のメリットなどが受けられます。
- オールフラッシュのスピード
- ネーティブのデータ完全性
- 人工知能(AI)分析を利用した HPE InfoSight を使用した予測分析での高い可用性の保証
- ストレージ機能による、スナップショットやレプリケーション
- データ効率化によるコスト削減
サーバー部分が HPE ProLiant とストレージ部分が HPE Nimble Storage で予測不可能な成長に対してコンピューティングとストレージを個別に拡張できる柔軟性と、ビジネスクリティカルなアプリケーションに必要な、データの耐障害性とパフォーマンスを提供する大規模環境の効率化を考慮した製品です。
まとめ
今回は3Tierと HCI のメリットデメリットを通して、HPE の3TierなのにHCIライクな HPE Nimble Storage dHCI を取り上げてみました。
ポイント
- 3Tierなのに HCI のような使い勝手
- 既存のノウハウをそのまま利用できる
- HCI 由来の制限はない
上記の特徴を持つ、インテリジェントでシンプル、実績ある堅牢性、効率的な拡張性を備えたコンバージドの柔軟性と HCI のシンプルさを兼ね備えたソリューションです。