いよいよ実用の段階へ。AIプラットフォームと企業のAI活用

作成日:2023/12/20

お役立ちコラム

いよいよ実用の段階へ。AIプラットフォームと企業のAI活用

2023年は「生成AI元年」といっても過言ではないぐらい、人工知能 (AI) が一般に普及し始めた年でした。
そして2024年は生成AIを始めとしたさまざまなAIが、業務の強力なサポート役として活躍を始める年となるでしょう。

その一方で、学習データを通して、情報漏えいのリスクが上がるなど、セキュリティー面での懸念点や、莫大 (ばくだい) なデータ量を扱えるがゆえのコスト面の課題も浮き彫りになってきます。

そこで今回は、AIプラットフォームの最新の動向と見えてきた課題を踏まえつつ、企業におけるAI活用について考えてみたいと思います。

生成AIの普及で、AI活用のハードルが大きく下がった2023年

2022年秋に一般公開されたLLM (大規模言語モデル)「 GPT-3 」を使った対話型AI ChatGPT は生成AIの可能性を大きく感じさせるものでした。
その後、2023年に入り、ChatGPT の「 GPT-4 」へのアップデート、Microsoft の検索エンジン Bing への GPT-4 の導入や、オフィスアプリケーションと連携する Copilot のリリース、そして Google は自社のLLM「 PaLM2 」を基盤とした Bard のサービスを開始。
2023年はまさに「生成AI元年」と言っても過言ではないぐらい、生成AIが一般に普及し始めた年として記憶されるでしょう。

生成AIがこれまでのAIと一線を画すのは、対話型、つまり人が話す言葉でAIに指示を与え、やり取りをして成果が得られる、という点にあるといえるのではないでしょうか。
2010年代には機械学習の手法の一つであるディープラーニング (深層学習) により、AIの一気に精度が上がり実用的になってきましたが、その活用にはプログラミングなどの技術的な知見が必要でした。

それに対し、生成AIは私たちが普通に話す言葉でAIとやり取りをして使うことができるようになり、一気にAI利用のハードルを下げました。
簡単な指示でも、ある程度の答えを返してくれるし、求めることや、制限などをしっかり言葉で伝えることで、きちんとした回答をかなり高いレベルで返してくれます。

また、これまで専門的な知識が必要だったプログラミングをさせることも可能です。
行いたい処理とプログラミング言語を指示すれば、プロトタイプとなるプログラムをすぐに提示してくれます。
Microsoft は自社の Copilot を傘下のソフトウエア開発プラットフォームである GitHub に統合、GitHub Copilot によるプログラミング最適化でコードが55%早くなるとアピールしていますし、最近ではRPA / ローコードツールの Power Automate に Copilot を統合し、会話を通して業務フローの自動化ツールを構築できるなど、誰でもAIの恩恵を受けられる環境が整ってきました。

文書の生成だけから、音声、画像、映像が生成できるマルチモーダルへ

さらに2023年は生成AIが大きく進化した年でもあります。
GPT-4 は単なる言語生成から、音声や画像の認識や生成を行う「マルチモーダル」の機能が追加されました。
また、12月に Google が発表した新しい生成AIモデル「 Gemini 」は GPT-4 を大きく上回る生成能力を持ち、Google の各サービスに統合されていくことが発表されています。

マルチモーダルへの対応により、音声認識や画像認識によるサービスも簡単に使うことができるようになり、これまで自動化のハードルが高かった音声によるカスタマーサービスや、広告・マーケティング分野などへの活用が一気に普及していくことが予想されます。

情報漏えいなど、懸念されるAIのセキュリティー

その一方で、クラウドサービスが中心の現在の生成AIサービスにはセキュリティー面での課題が指摘されています。
特にユーザーから与えられた情報が学習に使われ、それが情報漏えいや個人情報の流出につながると懸念されている点です。

学習を通じた情報漏えいを指摘された OpenAI などは、オプトアウト (入力されたデータを学習には使わない) の設定を追加するなどの対策を進めていますが、一方で、AIの学習を制限すると「自社用 (自分用) のAI」として育てにくくなるというデメリットもあり、そのトレードオフは難しいところです。

安全で低コストに使うためには、オンプレミス化も

このような生成AIの情報漏えい対策として、プライベートで使える生成AIサービスも登場しつつあります。

ただ、LLMを始めとする生成AIはその名の通り大規模なコンピューターリソースを必要とするため、SaaSではコスト的に見合わない可能性もあります。
そこでもう一つの選択肢として考えられるのが、生成AIのオンプレミス化です。

例えば HPE ではハードウエアやソフトウエア環境をAIプラットフォームとして統合した HPE Machine Learning Development Environment を提供しています。
元々は機械学習のプラットフォームとして構成されたものですが、近年の生成AIの爆発的な拡大を背景に、生成AIへの対応を強化。
生成AIに最適化した環境へと進化させています。

オンプレAI基盤もクラウド感覚で使う

情報漏えい対策を考えるとオンプレAI環境が魅力的だが、どこまで活用できるかわからない中で、大きな初期投資は避けたい、という企業も少なくないでしょう。
その課題に対する答えの一つが、横河レンタ・リースの「 Cotoka for Systems 」です。

「 Cotoka for Systems 」は調達・導入・構築・運用・保守・監視というITインフラのすべてをサービス (as a Service) として利用できるソリューションです。
将来の拡張を見込んで、余裕を持って導入したコンピューターリソースを、クラウドサービスのように使った分だけ月額で支払うことができるITインフラコンサンプションサービスに、データセンターや、SOCなどのセキュリティーをワンパッケージとして提供可能。
選択型のサービスなので、必要なサービスのみを選んでお使いいただくことも可能です。

人員不足の一方で、生産性の向上が求められる今、発展目覚ましい生成AIを始めとし、AIの活用は企業活動において強力な武器となるでしょう。
2024年は自社のAI元年として、その環境整備を検討してみてはいかがでしょうか。

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