Exchange Online の導入可否は? Microsoft 365 との違いを徹底比較

作成日:2021/08/16
更新日:2026/01/27

お役立ちコラム


Microsoft が提供するサービスのひとつである「 Exchange Online 」。

メール関連のサービスであるという認識はあるものの、Exchange Server や Outlook と混同してしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また同じくクラウド型のサービスである Microsoft 365 や Office 365 との違いについて知りたいという方もいらっしゃるかもしれません。

今回は Exchange Onlineについて、わかりやすく解説します。

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Exchange Online とは

Exchange Online とは、電子メールを送受信するためのサーバーをクラウド型で導入できるサブスクリプションサービスです。

電子メールを送受信するためのサービスである「 Exchange Server 」が、クラウド上で利用できるようになったのが Exchange Online です。
Microsoft のメール関連サービスとして Outlook も有名ですが、Outlook におけるメール送受信は Exchange のサーバー上にあるメールを Outlook が読み込むという形で行われます。

現在の企業利用では、Exchange Online は Microsoft 365 の一部として導入されるケースが主流となっています。
Exchange Server や Outlook、Exchange Online の特徴について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

Exchange Server とは

Exchange Server とは、Microsoft によって提供されているメールサーバーサービスです。

標準的な電子メールの送受信ができるだけでなく、グループ内でのメール共有やスケジュール管理機能も備えています。
また Active Directory と連携することで、ユーザーの一元管理や SharePoint と連携した文書の統合管理などが可能です。

ほかサービスとの連携機能も備わっているうえ、パソコンだけではなくモバイル端末からもアクセスすることが可能です。

セキュリティー機能も充実しており、スパムやマルウエアといった有害なメールやファイルを、事前に設定したセキュリティーポリシーに従ってブロック・制御できます。
そのため脅威がユーザーに届く前に、セキュリティーリスクを排除することができます。

Exchange Serverは電子メール送受信機能に加えて、企業におけるメール管理に必要な多様な機能を備えたメールサーバーサービスです。

※ Exchange Server 2016 および 2019 はすでにサポート終了しています。
サポート終了後はセキュリティー更新プログラムや不具合修正が提供されないため、セキュリティーリスクが高まります。
Microsoft 社はクラウドサービスである Microsoft 365 (Exchange Online) への移行、もしくは Exchange Server Subscription Edition (SE) への切替を推奨しています。

Outlookとの違い

Outlook とは、同じく Microsoft によって提供されている電子メールクライアントです。

メールサーバーがメールデータの送受信を役割としているのに対し、電子メールクライアントはメールデータの閲覧や作成を役割としています。

Exchange Server はメールを保存・配信する サーバー側の仕組みであり、Outlook はそのメールを利用者が操作するための クライアント側のツールという関係にあります。

そのため、Exchange と Outlook は役割が異なり、それぞれ単体で完結するものではなく、組み合わせて利用されるケースが一般的です。

Microsoft によって提供されているメール関連アプリとして混同しがちな Exchange と Outlook ですが、メールサーバーとメールクライアントという違いがあります。

Exchange Onlineの特徴

Exchange Online の特徴は、以下の三つです。

  • 大容量メールボックス
  • 予定表・会議情報の共有による効率的なスケジュール管理
  • セキュリティー対策とデータ保護機能

大容量メールボックス

Exchange Online では、各ユーザーに50GB(プランによっては最大100GB)という大容量のメールボックスが割り当てられます。

さらに、プランによっては インプレースアーカイブ (自動拡張アーカイブ) を利用でき、長期間にわたるメール保管にも対応可能です。

また、1通あたりのメール送信サイズも大きく設定されており、業務上必要となるファイルを添付したメール送信にも対応できます。

大容量ファイルについては OneDrive や SharePoint との連携により、安全かつ効率的な共有が可能です。

予定表・会議情報の共有による効率的なスケジュール管理

Exchange Online では、メール機能に加えて、予定表を活用したスケジュール管理が可能です。

カレンダーへのスケジュール登録という基本機能のほか、メール内の情報からフライト予約やホテル予約といったイベント情報を読み取り、自動的に予定表に追加することも可能です。

また会議のスケジューリングも行うことができ、会議時間の設定はもちろんアラームの設定や会議場所の提案、出席依頼を出すことも可能です。

また Exchange Online で管理されるメールや予定表は、共有メールボックスや共有予定表によって簡単に共有することができます。

セキュリティー対策とデータ保護機能

Exchange Online は、Microsoft のクラウド基盤上で提供されるサービスとして、高いセキュリティレベルを備えています。

スパムやマルウエアといった脅威は「 Exchange Online Protection 」と呼ばれる保護機能により、あらかじめ設定されたセキュリティーポリシーに従ってユーザーの手に届く前にブロックされます。
またメールの安全性を認証する技術である「 DMARC 」により、なりすましメールの検知ができるほか、セキュリティーグループを作成することでユーザーのアクセス制御を行うことも可能です。

さらに、プランや追加ライセンスによっては「 Microsoft Defender for Office 365 」を利用でき、メール内リンクや添付ファイルの安全性チェック、フィッシング対策、脅威の可視化・分析といった、より高度なメールセキュリティー対策を実現できます。
なお、Microsoft Defender for Office 365 は一部の上位プランでは標準で含まれていますが、プランによっては別途ライセンスの追加が必要となる場合があります。

加えて、DLP (データ損失防止) 機能を活用することで、機密情報の誤送信や内部不正による情報漏えいリスクの低減にも対応可能です。

Exchange Online のプラン

Exchange Online には、以下二種類のプランが存在します。

  • Exchange Online (プラン1)
  • Exchange Online (プラン2)

プラン1 は、最もスタンダードなプランであり、各ユーザーへの50GBのメールボックスやメール・予定表の共有、Exchange Online Protection による標準的なセキュリティー対策が提供されます。
クラウド型メールサーバーを低コストで導入したい企業や、基本的なメール運用を中心に利用したいケースに適したプランと言えるでしょう。

プラン2 は、プラン1 のすべての機能に加えてメールボックスが100GBに拡張されます。
また、容量無制限のインプレースアーカイブ (アーカイブフォルダ) が利用できるため、長期間のメール保管や監査対応が求められる企業にも対応可能です。

さらに、DLP(データ損失防止機能)も含まれるため、内部での不正や過失に伴う情報漏えいリスクを低減することが可能です。
大容量メールボックスの運用やセキュリティー機能拡張を求める企業向けに適したプランと言えるでしょう。

Exchange Online と Microsoft 365 の違い

Exchange Online は、Microsoft 365 や Office 365 に含まれるメール・グループウエアサービスのひとつです。
ここでは、Exchange Online と Office 365 ・ Microsoft 365 の違いについて解説します。

Office 365、 Microsoft 365 との違い

2020年4月に Microsoft 社は「 Microsoft 365 」のサービス名称の発表をしました。
これにより、従来提供されていた「 Office 365 」と何が違うのか、単なる名称変更なのか、それともサービス内容が違うのかと疑問に感じた方も多いのではないでしょうか。

Exchange Online はメールサーバーをクラウド型で導入できるサービスであることに対し、Office 365 は Exchange Online に加えて Outlook や Word などの Office アプリケーションをセットにしたサービスです。
一方Microsoft 365 は、Office 365 の機能に加え、 Windows OS と セキュリティー・デバイス管理機能 (Intune、Microsoft Defender など) を含めた、より包括的な統合サービスとなっています。

つまり、Exchange Online は Office 365 に含まれるサービスのひとつであり、Office 365 は Microsoft 365 に含まれるサービスのひとつであるといえます。

なお、サブスクリプション型の Office スイートプランとして「 Office 365 」は現在も提供されており、「 Microsoft 365 」という名称のプランとは料金や含まれる製品/サービスなどが異なっています。

関連記事として内部リンクによって別KW記事『 Microsoft 365 とは?企業が抱える課題別解決機能・導入するポイントを徹底解説』への誘導を想定しています。

Exchange Online が含まれるプラン

Exchange Online は Office 365 や Microsoft 365 に含まれていますが、すべてのプランに含まれているわけではありません。
プランによっては Exchange Online が含まれない場合もあるため、導入時には注意が必要です。

Microsoft 365 と Office 365 におけるプランのうち、Exchange Online を含んでいるのは以下のものです。

Exchange Online を含む Office 365 のプラン
  • Office 365 E1
  • Office 365 E3
  • Office 365 E5
Exchange Online を含む Microsoft 365 のプラン
  • Microsoft 365 Business Basic
  • Microsoft 365 Business Standard
  • Microsoft 365 Business Premium
  • Microsoft 365 E3
  • Microsoft 365 E5
  • Microsoft 365 F3

なお、「 Microsoft 365 Apps for business 」「 Microsoft 365 Apps for enterprise 」など、 Microsoft Office アプリのみを提供するプランには Exchange Online は含まれていません。

また、メールセキュリティー機能である Microsoft Defender for Office 365 については、一部の上位プランでは標準で含まれていますが、プランによっては別途契約が必要となります。

単体とパッケージのプラン比較

Exchange Online は Office 365 や Microsoft 365 に含まれるサービスのひとつですが、Exchange Online 単体のプランも存在します。

Exchange Online の単体プランと Exchange Online を含む Office 365、 Microsoft 365 のプランを比較すると以下のようになります。

  • Exchange Online の使用に焦点を当てているため、一部高額プランは除く。

Exchange Online と Office 365 の比較

  Exchange Online
(プラン 1)
Office 365 E1 Office 365 E3
含まれている Exchange Online のプラン
(メールボックス容量)

(50GB)
プラン 1
(50GB)
プラン 2
(100GB)

Exchange Online と Microsoft 365 の比較

  Exchange Online
(プラン 1)
Microsoft 365
Business Basic
Microsoft 365
Business Standard
Microsoft 365
Business Premium
含まれている Exchange Online のプラン
(メールボックス容量)

(50GB)
プラン 1
(50GB)
プラン 1
(50GB)
プラン 1
(50GB)

単純に料金を比較すると Exchange Online 単体プランの方が安く済みますが、月額料金に数百円をプラスするだけで Exchange 以外の数々のサービスを利用できるようになります。

メールボックス容量が 100GB となる Exchange Online (プラン2) が含まれているサービスは、 Office 365 E3 / Office 365 E5、Microsoft 365 E3 / Microsoft 365 E5 に含まれています。

Exchange Onlineを導入するメリット

Exchange Online を導入するメリットは次の4つです。

  • メールボックス容量も送信可能サイズも大きい、優れたメールサーバーが利用できる
  • メール送受信のほかに、共有やイベントの自動追加が可能な予定表機能も利用できる
  • パソコンに限らずモバイル端末など、多様なアクセス方法を選択することができる
  • Exchange Online Protection をはじめとしたセキュリティー機能により、安全なメール運用ができる

Exchange Online は、単なるメールサーバーにとどまらず、スケジュール管理や情報共有、セキュリティー対策の観点からも優れているサービスであるといえます。

Exchange Online は、単体で導入することでも十分な性能を発揮しますが、Outlook や Microsoft 365 の各種アプリケーションと連携することで、性能をさらに高めることが可能です。

Exchange Online を導入する際の注意点

非常に優れたメールサーバーである Exchange Online ですが、導入する際には以下2点に注意が必要です。

  • 既存のメールデータを移行する必要がある
  • Exchange Online の設定が必要

既存のメールデータを移行する必要がある

既に利用しているメールサーバーから Exchange Online に移行したい場合、既存のメールデータを移行する必要があります。

メールデータの移行は、以下の三つの方法で行うことができます。

  • 一括移行
  • 段階的な移行
  • ハイブリッド

※ 移行方式の選択は、ユーザー数や既存環境、運用体制によって異なります。

一括移行ではデータ量が多いと時間がかかる、段階的な移行では不在時返信メッセージが移行されないといった注意点があります。

メールデータの移行には時間を要するため、極力業務に支障をきたさないように移行を行う必要があります。

Exchange Online の設定が必要

各メールクライアントに、Exchange Online の設定を行うことも必要です。

Gmail や iPhone などで Exchange Online を利用したい場合はもちろん、Outlook で利用する場合もメールアドレスやパスワードを入力して Exchange のメールアカウントを追加する必要があります。

データ移行だけではなく、Exchange Online 自体のアカウント設定を行う手間がかかるという点も、認識しておく必要があるでしょう。

手間をかけずに Exchange Online を導入する方法

Exchange Online は優れたメールサーバーである反面、導入には少し手間がかかってしまうのが難点です。
しかしパソコンレンタルサービスを利用することで、手間をかけずに導入することができます。

パソコンレンタルサービスというと、従来は単に機器を借りるのみというイメージでしたが、近年は事前に必要な環境を構築したうえでレンタルできるサービスも登場しています。
パソコンレンタルサービスを利用すれば、Exchange Online が事前にセットアップされた状態のパソコンをレンタルすることが可能です。

そのため導入にかかる手間を省きながら、Exchange Online の優れた機能を利用することができます。

まとめ

今回は Exchange Online と Microsoft 365 の違いや導入のメリット、導入の際の注意点などについて解説しました。

Exchange Online を導入することで、高いセキュリティーレベルのもとでのメール運用やスケジュール管理を行うことができます。
クラウド型サービスであるため共有の面においても優れており、テレワークなどの働き方を支えるメールサーバーともいえるでしょう。

また Office 365 や Microsoft 365 にも Exchange Online が含まれているため、数々のOfficeアプリケーションと連携することも可能です。

ただし Exchange Online を導入するためには、データ移行や設定などの手間がかかります。
手間をかけずに導入したい場合は、環境設定もまとめて依頼できるパソコンレンタルサービスの利用も検討しましょう。

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監修

横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター

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