仮想化基盤に変革をあたえる「コンテナ」とは
作成日:2021/10/25
更新日:2022/12/23

仮想化基盤に変革をあたえる「コンテナ」とは
デジタルトランスフォーメーション (DX) を進める中で活用が広まるサービス、その代表が「コンテナ」と呼ばれる仮想化基盤です。
コンテナとは

図1 コンテナ型 仮想化基盤イメージ
コンテナとは、アプリケーション、ライブラリをひとまとめにした「コンテナ」を構築するシステムの総称です。
具体的には、サーバーインフラにホストOSをインストールし、そこに「コンテナエンジン」と呼ばれる仮想化ソフトウエアをインストール。
そしてコンテナエンジンの上にコンテナをおいたシステムを表します。
コンテナは、導入ユーザーが右肩上がりという調査結果もあります。

出典:IDC Japan 株式会社 プレスリリース
「2021年 国内コンテナ/Kubernetesに関するユーザー導入調査結果を発表」(2021年4月15日)
仮想化基盤とコンテナの比較
多くのお客さまが活用されている仮想化基盤には、ホスト型やハイパーバイザー型があります。
ホスト型とは、ホストOSを基盤となるハードウエアにインストールし、その上に仮想化ソフトウエア。
その仮想化ソフトウエアの上で仮想マシンが動く基盤を示します。
ハイパーバイザー型は、基盤となるハードウエアを、ホストOSではなくハイパーバイザー型の仮想化ソフトウエアが制御します。
そのハイパーバイザーの上で仮想マシンが稼働する基盤を示します。
ホスト型、ハイパーバイザー型、どちらにも共通していますが、仮想マシンごとにOSが必要になります (ゲストOS)。
それに対し、コンテナはホストOSの上に、仮想化ソフトウエアであるコンテナエンジンがあります。
そのコンテナエンジンの上にコンテナを置いています。
結果、複数のアプリケーションがホストOS上で動く環境を実現しています。
図2 ホスト型 仮想化基盤イメージ
図3 ハイパーバイザー型 仮想化基盤イメージ
コンテナの特長・メリット
コンテナは、ゲストOSが不要なためCPUやメモリーの負荷も仮想化基盤と比べ抑えることができます。
そして、従来のホスト型やハイパーバイザー型と比べ、ゲストOSの起動が不要な分、アプリが迅速に起動します。
アプリはコンテナエンジン上で起動するため、テスト環境として動かしていたものを、そのまま本番環境に移行することも簡単にできます。
また、DXに対応したサービスやアプリケーションを開発部隊と運用部隊が協力し、開発・運用すすめる手法、いわゆる「DevOps」にも適しているといえます。
同じコンテナで開発・本番環境を展開できます。
つまり開発環境と本番環境、異なるインフラを使用する際に発生するミスを防止できます。
その結果、効率のよい開発を進められます。
なお、コンテナが稼働するサーバーのOSと異なるOSが必要なシステムは活用することができません。
コンテナを実現するサービス
代表するコンテナサービスをまとめてみました。
クラウド型
サービス名称 | 特長 |
Amazon Elastic Kubernetes Service
略称:EKS |
業界標準 (デファクトスタンダード) となっているサービス。 他の AWS サービスとの統合メリットがあり、きめ細かく構築可能。 |
Google Kubernetes Engine 略称:GKE |
もっとも自動化が進んでおり、誰でも簡単に構築可能。 |
Azure Kubernetes Service 略称:AKS |
Azure の他サービスとの連携が容易。 コンピューティングリソースのみ課金。コントロールプレーンは無料。 |
オンプレミス型
サービス名称 | 特長 |
Red Hat OpenShift |
Kubernetes コンテナ管理プロジェクトのコンポーネントを含むソフトウエア。 大規模企業にとって重要な生産性およびセキュリティー機能が付加。 |
VMware Tanzu |
仮想化ソフトウエアベンダーが生み出したコンテナソリューション。 使い慣れた vSphere 上で、Kubernetes を稼働できる。 |
HPE Ezmeral Container Platform | Kubernetes を基に、AI (人工知能) / ML (機械学習) を焦点としたコンテナプラットフォームと永続ストレージを提供。 |
現在、コンテナの市場動向について調査中です。
結果がまとまり次第、公開します。
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