【 HPE GreenLake IaaS 】とは何なのか~DX時代の「新しいクラウドサービス」~

作成日:2023/12/20

お役立ちコラム

【 HPE GreenLake IaaS 】とは何なのか ~DX時代の「新しいクラウドサービス」~

「 HPE GreenLake 」というと「ITインフラ機器のファイナンス化」といったイメージが強いかもしれません。
確かに、以前はそのようなリース的な側面が強かったかもしれませんが、今や「 AWS 」、「 Azure 」、「 GCP 」に続く、「第4のクラウドサービス選択肢」としてのポジションを獲得しつつあります。
いわゆる「パブリッククラウド」とも、「従来のITインフラ」とも違う、「 HPE GreenLake IaaS 」ならではの「新しいタイプの【クラウド】」とは何なのか、分かりやすく解説します。

「 HPE GreenLake 」のクラウドサービスとは

2023年8月に日本ヒューレット・パッカード合同会社 (以下、「 HPE 」という) が発表した「 HPE GreenLake for Private Cloud Business Edition 」が、ついに日本国内でも提供開始となりました。
HPE の「 GreenLake 」ポートフォリオの一つとして、15種類のサービスカテゴリ、50以上のサービスメニューの重要な一角を担う製品になっています。

図1 「 HPE GreenLake クラウドサービスカタログ」

「IaaS」カテゴリのサービスとしては、既に販売されている「 HPE GreenLake for Block Storage 」や「 HPE GreenLake for Private Cloud Enterprise 」「 HPE GreenLake for Backup and Recovery 」、「 HPE GreenLake for Disaster Recovery 」などとの組み合わせで、これまで手が届きづらかったストレージから仮想基盤、バックアップやDR対策までも含めた「プライベートクラウド」の導入を、Amazon の「 AWS 」や、Microsoft の「 Azure 」、Google の「 GCP 」などに代表される「パブリッククラウド」と変わらない手軽さで実現可能にしています。

では、なぜそのようなことが可能なのか、ITインフラ基盤の調達方法から順に見ていきたいと思います。

リースなの?レンタルなの?いいえ、「 HPE GreenLake 」です。

冒頭でも言及していますが「 HPE GreenLake 」と言うと、「結局リースと同じでしょう?」と言われることが、間々あります。
ですが、この点はハッキリ、声を大にして「違います!」と、否定しておきたいと思います。

リースは「指定した製品を耐用年数に応じて期間設定し借りること」であるのに対し、「 HPE GreenLake 」は前述のパブリッククラウドなどと同じく、「月額利用料」と、「使った分だけの利用量」を測定して課金します。

例えば、「 HPE GreenLake for Private Cloud Business Edition 」の場合は、要求の厳しいアプリケーションに対応、AIによる自立管理も実現した「 HPE Alletra dHCI 」で、パフォーマンスに最適化した構成 (下図左、中央参照) からバリュー重視の構成まで幅広く対応、固定の「月額利用料」を算出します。
この「月額利用料」には、導入・設置のサービス料も含まれます。

そこに、「使った分だけの利用量」を「vCPU」「メモリ」「容量」の3つを計測 (俗にメータリングと言います) して課金することで必要最低限からのスモールスタートを可能としています。(図2 右参照)

図2 「 HPE Alletra dHCI の特徴」

また、初めから一定の成長を加味したオーバーヘッドを設定、予備リソースを確保しておくことで企業が必要とするリソースにリアルタイムに対応、無駄を削減しながらもリソース不足に陥らないITインフラへの投資を可能としています。

図3 「通常購入・リースと「 HPE GreenLake 」でのリソース調達モデル図」

ちなみに、「レンタル」は「レンタル会社保有製品から選び期間を自由に設定して借りること」です。

当社の名前にも「レンタル」と「リース」が入っていますが、2022年にローンチした「 Cotoka for PC 」に続き、2023年には「 Cotoka for Systems 」もリリース、「所有から利用へ」「モノからコトへ」の実現を、個人利用のPCだけでなくITインフラ全体に広げるべく、「 HPE GreenLake 」の「すべてをサービスで提供する」という考え方と非常に近い存在になっています。

図4 Cotoka for Systems 概要

特に「 Cotoka for Systems 」の中核を担う「 Yellow Dash Support 」では「保守・監視」の部分をwebコンソールで「デジタルタッチポイント」とすることで「いつでも」「どこでも」「だれにでも」提供可能な形を実現しています。

つまり、「 HPE GreenLake 」も「 Cotoka for Systems 」も、どちらも従来の「リース」や「レンタル」とは違う、いわゆる「as a Service」モデルで提供する「クラウドサービス」となっている訳です。

「 HPE GreenLake for Private Cloud Business Edition 」のポジション

既に販売されていた「 HPE GreenLake for Private Cloud Enterprise 」と「 HPE GreenLake for Private Cloud Business Edition 」は何が違うのでしょうか。
サービス構成要素の表をもとに見ていきたいと思います。

図5 「 HPE GreenLake IaaS – Storageサービスの構成要素」

ストレージ単体のサービスとしては、「 HPE Alletra Storage MP 」をベースとしたブロックストレージの「 HPE GreenLake for Block Storage (IaaS)」があり、そこに仮想マシンのサービスを組み合わせた「 HPE GreenLake for Private Cloud Business Edition 」、さらにコンテナ、自動化、運用管理を追加した「 HPE GreenLake for Private Cloud Enterprise 」と仮想マシンのバックアップと、DR環境を補完する「 HPE GreenLake for Backup and Recovery 」と「 HPE GreenLake for Disaster Recovery 」があります。

一覧表を見ていただければお分かりの通り、「 HPE GreenLake for Private Cloud Business Edition 」はクラウド上で仮想マシンを動かすための必要最低限のサービスだけが組み込まれ、いわゆる「クラウドサービス」同様、本当に必要なサービスだけを享受することができるようになっています。

管理も運用もクラウドから可能に!

前項では「 HPE GreenLake for Private Cloud Business Edition 」を始めとした「 HPE GreenLake IaaS 」の各構成要素をご紹介してきましたが、「 HPE GreenLake IaaS 」はその全てが「 Data Services Cloud Console 」から利用可能となっています。
「 HPE GreenLake for Private Cloud Business Edition 」だけでなく、「 HPE GreenLake for Block Storage (IaaS)」や「 HPE GreenLake for Backup and Recovery 」「 HPE GreenLake for Disaster Recovery 」も管理可能になっています。

さらに「 HPE GreenLake Edge-to-cloud platform 」を活用することで、オンプレ環境のサーバーを管理する「 HPE GreenLake for Compute Ops Management 」や、ネットワーク環境を一括管理する「 Aruba Central 」、パブリッククラウドも含めてデプロイ・キャパシティ管理、課金管理が行える「 HPE GreenLake central 」とも連携し、ITインフラの全てを統合管理することが可能となっています。

図6 「 HPE GreenLake Edge-to-cloud platform 」概念図

「 HPE GreenLake 」と「 Cotoka for Systems 」の違い

ここまでの解説で、「じゃあ「 Cotoka for Systems 」は何をしてくれるの?」と思ったお客さまも多いことと思います。
何でもできそうな「 HPE GreenLake 」ですが、唯一の弱点は「基本的に HPE 以外の製品には対応していない」ことです。
「 AWS 」や「 Azure 」などのパブリッククラウドとのデータ連係や、利用状況・課金の管理は可能ですが、他社製のサーバーやストレージ、ネットワーク機器の導入、運用、管理には対応していません。

そこで登場するのが当社の「 Cotoka for Systems 」となる訳ですが、詳しくはまた別の機会に取り上げさせていただきたいと思います。

まとめ 

今回は「 HPE GreenLake クラウドサービス」における「 HPE GreenLake IaaS 」のストレージサービスに焦点を当てて解説いたしました。

情シスと言えば、一昔前まではサーバールームやデータセンター、オフィスのデスクに張り付いて業務を行っていましたが、「 HPE GreenLake クラウドサービス 」や「 Cotoka for Systems 」を組み合わせてご利用いただければ、オフィスだけでなくテレワーク先からもITインフラの管理・運用業務が可能となります。

2025年問題、2030年の崖がすぐそこに迫っていますが、今後のITインフラの在り方について考える際に、本コラムを参考としていただければ幸いです。

おまけ

コラム内でも言及していますが、横河レンタ・リースでは、ハイブリッドIT環境において、どこでもサーバー管理ができるデジタルタッチポイントサービス「 Yellow Dash Support 」をご提供しています。
データ分析に興味はあるが、今IT環境管理の煩雑さに工数を取られている…など、IT環境管理にお悩みであれば、ぜひご相談ください!

筆者

娘とカミさん大好きマン (横河レンタ・リース株式会社 営業統括本部 ITS&システム営業推進本部 システム営業技術支援部)

主な業務は、構成支援、問い合わせ対応、コラム・メルマガ作成など。
まな娘と、ビールと、ラウドミュージックと、もちろん妻も愛してやまない、アラフィフパパです。

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