【2026年版】PCの納期は大丈夫? 半導体不足時代に備えるべき調達リスクと対策
作成日:2021/11/15
更新日:2026/06/22
昨今、"半導体不足"や"メモリ高騰"といった言葉を耳にする機会が増えています。
PCを調達する立場の情シス担当者の中には、「新入社員用PCが入社日に間に合うか不安」「見積もり取得後に価格や構成が変わってしまう」といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
2020年頃のような深刻な供給不足は落ち着いている一方で、現在は「必要なPCを必要なタイミングで調達できるか」という別の課題が顕在化しています。
本コラムでは、PCの納期状況を整理するとともに、調達が難しくなっている本当の理由と、その対策について解説します。
- 目次 -
1. PCの納期は今どうなっているのか?遅延は起きている?
3. 半導体不足はなぜ繰り返されるのか
4. 半導体不足だけではない、PC調達が滞る理由
5. 納期遅延の背景にある“不確実性”とは
6. 情シスが取るべき調達戦略
7. PC調達の不確実性に備えるなら
8. まとめ
PCの納期は今どうなっているのか?遅延は起きている?
2026年現在、PCの納期は、構成や発注タイミングによって変動が見られる状況となっています。
背景として、AI需要の拡大によりメモリの生産がAI向けへシフトする傾向があるほか、各国の情勢の影響もあり、供給環境は継続的に変化しています。
その結果、価格の上昇や調達条件の変動といった影響が出ており、メーカーや機種、構成、発注タイミングによっては納期が大きく異なります。
納期状況は短い間でも変動しているので、実際の調達にあたっては、ベンダーへの確認をおすすめします。
なお、ここでの内容は主に法人向けPCを前提としており、ワークステーションやサーバーについては使用されるメモリや構成が異なるため、同様の傾向が当てはまりません。
『メモリ不足・価格高騰はいつ解消する?AIブームのなか企業がPC運用で押さえておくことを紹介』についても合わせてご確認ください。
数年の間に、半導体不足という言葉は度々耳にします。
なぜ半導体不足が繰り返されるのでしょうか。
半導体不足はなぜ繰り返されるのか
こうした状況の背景には、半導体市場の構造的な特性があります。
半導体不足は一時的な問題ではなく、市場の仕組み上、繰り返されやすい性質を持っています。
順を追って確認していきましょう。
需要が急激に増加し、予測を上回る
今や半導体は、PCやスマートフォンにとどまらず、AIやデータセンターをはじめとするさまざまな分野で利用されています。
経済産業省「半導体・デジタル産業戦略の今後の方向性」によると、半導体需要はPCや液晶テレビから拡大し、スマートフォンへと広がり、2022年のChatGPT登場以降はAI分野がその成長をけん引するようになりました。
実際に、AIデータセンター需要の拡大により、世界の半導体市場は成長が加速しており、年間成長率は2020~2024年の約9%台から、2024年~2026年は20%超の水準へと急速に伸びる見通しとなっています。
また、2025年時点ではAI主導の市場拡大フェーズの序章にあるとされ、今後も需要の増加が続くと見られています。
こうした環境では、企業側も需要予測や投資を行っているものの、実際の需要はその想定を上回るケースも多く見られます。
実際に近年では、2024年および2025年の実績において、いずれも予測値を上回る結果となっており、2年連続で需要が上振れする状況が続いています。
このように、需要の伸びが想定以上のペースで進むことで、結果として全体の需給バランスが崩れやすい状況が生まれます。
供給がすぐ増やせない
半導体の生産には大規模な設備投資が必要であり、生産能力を簡単に拡張することはできません。
そのため、需要が急増した場合でも供給をすぐに増やすことは難しく、需給のバランスが崩れた状態が一定期間続きやすくなります。
需要の高い分野に供給が集中する
半導体はすべての用途に均等に供給されるわけではなく、需要の強い分野や付加価値の高い用途に供給が集中する傾向があります。
近年では、AIやデータセンター向けの需要が急増しており、メーカー各社もこれらの分野向け製品の生産を優先しています。
その結果、PC向けの部材は必要な条件で確保しづらくなり、調達の不安定さにつながっています。
現在は、単純な供給不足ではなく、供給の集中によってこのような状況が生じているといえます。
半導体不足だけではない、PC調達が滞る理由
ここまで、半導体不足が起きる構造について解説しました。
こうした状況の影響は、単なる部材不足にとどまらず、実際の調達現場ではさまざまな形で現れます。
例えば、
・メーカー側で価格改定が実施される
・一部部材の変更に伴い型番や構成が変更される
・想定していた機種が終息となる
・納期見込みが変更される
といったケースです。
こうした変更が発生すると、企業側では見積もりの取り直しや機種選定の見直し、社内稟議の再申請などが必要になることがあります。
さらに、キッティングや導入スケジュールの再調整、利用部門との日程調整、新入社員や異動者への配布計画の見直しなど、関連する業務にも影響が及びます。
このように、当初の調達計画から条件が変わることで、メーカー側・利用企業側の双方で調整が発生し、その対応が積み重なることで調達全体が後ろ倒しになるケースも少なくありません。
つまり実際には、半導体不足そのものだけが問題なのではなく、価格・型番・構成・納期といった調達条件が変動しやすい環境が、結果としてPC調達を難しくしているといえます。
納期遅延の背景にある“不確実性”とは
ここまで見てきたように、調達の遅れは単純な納期遅延だけで説明できるものではありません。
納期が遅れるケースもある一方で、その背景には調達条件が変動しやすい状況があります。
・想定していた機種が確保できない
・見積もり条件が途中で変わる
・導入スケジュールが確定できない
このように、調達を進める中で前提条件が変わることで、計画どおりに進まないケースが増えています。
特に、納期の変動をきっかけに調整が連鎖的に発生し、調達全体が後ろ倒しになるケースも少なくありません。
つまり、納期遅延は単独の問題ではなく、調達条件の変動が連鎖した結果として現れる現象といえます。
このような環境では、調達の前提を固定したまま進めること自体が難しく、従来の「型番固定・一括調達」のやり方では対応しきれない場面が増えています。
情シスが取るべき調達戦略
こうした不確実性が前提となる環境では、従来の調達方法をそのまま適用すること自体がリスクになり得ます。
例えば、以下のような調達は、環境変化の影響を受けやすい傾向があります。
・型番を固定した調達 (調達不能リスク)
・一括での大量購入 (リスクの集中)
・年単位での調達計画 (前提崩れに弱い)
こうした方法は、調達条件が変動しやすい環境では、計画全体の遅延や見直しにつながる可能性があります。
そのため、これからの調達においては、次のような考え方が重要になります。
機種や構成に依存しない設計にする
従来のように特定の型番や構成を前提とした運用では、調達条件の変動によって、その前提自体が成立しなくなるケースがあります。
そのため、機種が変更されても影響を受けないよう、特定の機種や構成に依存しない設計が重要になります。
例えば、Windows Autopilot (以下、Autopilot) などを活用することで、機種に依存しない展開やセットアップが可能になり、調達条件が変わっても柔軟に対応できるようになります。
Autopilot の環境構築のポイントについては、下記でご確認ください。
調達と運用を切り分ける
調達条件が変動する環境では、調達と運用が密接に結びついているほど、その影響は大きくなります。
例えば、特定のメーカーや機種を前提とした調達を行っている場合、供給状況の変化によって調達先の見直しを余儀なくされることがあります。
その結果、機種変更に伴う再選定や再設定、社内調整が発生し、全体の遅延につながるケースも少なくありません。
このため、調達と運用を切り分け、調達条件に左右されにくい体制を構築することが重要です。
具体的には、 Autopilot のような仕組みを活用することで、デバイスに依存しないセットアップや展開が可能となり、機種変更があっても同一の運用を維持できる状態を実現できます。
また、当社の Cotoka™ for PC では、プラットフォーム上で複数メーカーから選択して調達し、 Autopilot による展開、ヘルプデスクまでをワンストップで提供しています。
これにより、調達条件が変動した場合でも影響を最小限に抑えながら、安定した運用を継続することができます。
変化に対応できる調達方法を選ぶ
価格改定や納期変更、型番変更などが発生しやすい環境では、変化に対応しやすい調達方法を選ぶことも重要です。
従来のように購入を前提とした調達は、長期利用に適した方法である一方、調達条件が変動した場合には、計画の見直しや再調整が必要になることがあります。
そのため、変化の大きい環境では、運用方針や利用期間に応じて柔軟に調達方法を選択できる体制を整えておくことが有効です。
例えば、PCレンタルであれば、週単位から年単位まで柔軟な利用期間を設定することができます。
また、あらかじめレンタル会社が在庫を抱えているケースも多いため、必要な台数を必要な時に調達しやすく、不確実性の高い環境における調達手段の一つとして活用されています。
このように、特定の調達方法に固執するのではなく、自社の状況に応じて最適な調達方法を選択できる状態を構築することが重要です。
PC調達の不確実性に備えるなら
PC調達を取り巻く環境は、価格改定や納期変更、型番変更など、さまざまな要因によって変化しやすくなっています。
こうした状況においては、単にPCを調達するだけでなく、変化に対応できる運用体制を整えることも重要です。
当社では、法人向けPCレンタルサービスを通じて、PCの調達から運用までを支援しています。
複数メーカーのPCを取り扱っているため、ご要件や調達状況に応じた機種選定が可能です。また、レンタル期間中の問い合わせ窓口を一本化できるため、メーカーごとに異なるサポート窓口を管理する負担を軽減できます。
さらに、キッティングや Windows Autopilot への対応、ヘルプデスクサービスなど、導入後の運用を見据えた支援も提供しています。
PC調達の不確実性が高まるなか、調達条件の変化に柔軟に対応しながら、安定したPC運用を実現したい企業にとって、レンタルは有効な選択肢の一つです。
PC調達や運用方法についてお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
まずは、PCレンタルとリースの違いを詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
まとめ
生成AIの普及に伴うメモリ需要の変化により、PC調達の前提はこれまで以上に不安定なものとなっています。
こうした環境下では、特定の機種やベンダーに依存した調達や、調達と運用が強く結びついた仕組みは、変化の影響を受けやすくなります。
そのため、機種や構成に依存しない設計や、調達と運用の分離といった考え方を取り入れ、変動を前提とした運用体制を構築することが重要です。
PCレンタルのような柔軟な調達手段を組み合わせることで、不確実性を吸収しながら安定した導入・運用を実現することが可能になります。
これからのPC調達においては、「固定化」ではなく「柔軟性」を軸にした戦略が求められていくでしょう。
PC納期や調達条件の変動への対応、運用負荷の見直しなどでお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
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監修
横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター




