Exchange Online とは?複数人で情報を共有できるメールサービスを解説

作成日:2021/06/24
更新日:2022/07/29

お役立ちコラム

【Microsoft 365】Exchange Onlineとは? 複数人で情報を共有できるメールサービスを解説


今回は、 Microsoft Exchange Online のサービス概要や機能について、解説します。
メールの管理だけでなく、組織内外のスケジュール共有や会議室・備品管理を一元管理したい場合は、Microsoft Exchange Online の導入を検討することをおすすめします。

Microsoft Exchange Online とは

Microsoft Exchange Online とは、マイクロソフトが提供するメール受送信サービスです。
Microsoft Exchange Server の機能をクラウドサービスとして提供しています。

メールの受送信以外にも、さまざまなデバイスからスケジュール共有やタスク管理を行えます。

Outlook との違い

Outlook とは、Microsoft Office の一部として提供されている、メールの受送信管理を行うためのアプリケーションです。
スケジュールや連絡先の管理なども行えます。

Microsoft Exchange Online と Outlook の違いは、メールサーバー機能の有無です。
Outlook にはメールサーバー機能が無いため、Outlook だけではメールを受送信できません。

Outlook on the web との違い

Outlook on the web は、webから Microsoft Exchange Online にアクセスするために用意されたwebアプリケーションです。
使用感は Outlook とほぼ変わりません。

Microsoft Exchange Online のプラン

Microsoft Exchange Online のプランは、次の3つです。

  • Exchange Online (プラン1)
  • Exchange Online (プラン2)
  • Microsoft 365 Business Standard

各種プランの機能やサービス内容の違いを確認しましょう。

Exchange Online (プラン1)

ユーザーごとに、マルウェア対策・スパム対策で保護された50GBのメールボックスが割り当てられます。
受信トレーにはタブが二つあり、すぐに対応すべき重要なメールとそれ以外のメールを分けての管理が可能です。
古いメールは自動的にアーカイブされるため、メールボックスをわざわざ整理する必要がありません。

Exchange Online へは Outlook と Outlook on the web からアクセスでき、下記の機能が使えます。

使える機能

  • スケジュール管理
  • 予定表の共有
  • グループ作成
  • タスク管理
  • 会議室管理
  • グローバル アドレス一覧 (GAL)
  • 社外の連絡先管理
  • 代理人機能 など

Exchange Online (プラン2)

ユーザーごとに100GBのメールボックスが割り当てられるほか、容量無制限でメールのアーカイブ機能が利用可能です。
「 Exchange Online (プラン2) 」のメールボックスも、マルウェア対策・スパム対策で保護されています。

「 Exchange Online (プラン1) 」のすべての機能に加え、データの特定や監視、保護を行えるほか、使える機能が増えます。

使える機能

  • 呼び出し応答
  • ダイヤルイン ユーザー インターフェース
  • 自動応答機能 など

Microsoft 365 Business Standard

メールホスティングサービス(50GB)が利用可能なため、独自ドメインのメールアドレスを設定できます。

「 Exchange Online (プラン1) 」のすべての機能に加え、1ライセンスでユーザー1名につきフル機能の Office アプリケーションを下記のデバイスにインストール可能です。
ただし、最大ユーザー数は300名です。

インストール可能なデバイスと台数

  • スマートフォン 5台
  • タブレット 5台
  • Windows PC 5台 または Mac 5台

含まれる Office アプリケーション

  • Outlook
  • Microsoft Word
  • Microsoft Excel
  • Microsoft PowerPoint
  • Microsoft Publisher ( Windows PC のみ )
  • Microsoft Access ( Windows PC のみ )

また、「 Exchange Online (プラン1) 」に含まれない以下のサービスも利用可能です。
ファイルの保存や情報共有、共同作業に役立ちます。

利用可能なサービス

  • OneDrive (1TB)
  • SharePoint
  • Microsoft Teams
  • Microsoft Bookings
  • Yammer
  • Microsoft Planner

さらに、 FastTrack の導入サポート(無料)や、24時間年中無休の電話・Web サポートを受けられます。
使用可能なアプリケーションやサービスが多い Microsoft 365 Business Standard を、安心して使用できるでしょう。

別メーラーからの乗り換え準備

別メーラーから Exchange Online に乗り換える場合は、下記4ステップの準備が必要です。
四つめのステップが完了した時点で、ユーザーは Exchange Online メールボックスを使用開始できます。

  1. 別のメーラーと Microsoft 365 を同期
  2. CSVファイルを作成
  3. Exchange 管理センター >移行ダッシュボードで段階的移行バッチを作成・実行
  4. 移行できたメールボックスの数と、移行できなかったメールボックスを知らせるステータスメッセージメールを受信

また、同期の一部として Exchange Online はメールボックスに、連絡先、予定表アイテムも移行します。この詳しい手順は、「 段階的移行の動作方法 」をご確認ください。

Microsoft Exchange Online の特徴

さまざまな機能やアプリケーションが利用可能な Microsoft Exchange Online 。
特徴は以下の4つです。

メールの受送信だけでなく、法人向けのサービスならではの特徴があります。

Microsoft Exchange Online の特徴

  • スケジュール共有
  • 会議室・備品管理
  • さまざまな端末からアクセス可能
  • ウイルス・スパム対策

スケジュール共有

組織内外の人とスケジュール共有が可能です。
他の人のスケジュール確認や共同作業、チームの管理に便利でしょう。
組織外の人とスケジュールを共有する場合は、自分のスケジュールを公開する範囲 (アクセス権) を指定できます。

スケジュール公開範囲パターン

  • アクセス許可なし
  • 空き時間へのアクセスのみ
  • 時間、件名、場所を含むスケジュールと空き時間へのアクセス

会議室・備品管理

会議室や備品用など、場所や物に割り当てるメールボックスを作成することで、予約の管理を行えます。
Microsoft 365 全体管理者、もしくは Exchange 管理者の権限があれば、メールボックスを作成可能です。

管理者が以下の作業を行えば、会議室の予約とその承諾・辞退の処理が行えるようになります。

Exchange Online (プラン1)

  • メールボックスの作成
  • 会議出席依頼の処理方法の設定
  • 予約可能時間、最大利用時間、予約ポリシーの設定
  • スケジュールの共有・アクセス権限設定

さまざまなデバイスや場所からアクセス可能

Microsoft Exchange Online は、下記のデバイスからアクセスできます。

使用可能なデバイス

  • Windows Phone
  • Windows 8 タブレット
  • Android
  • BlackBerry®
  • iOS デバイス (iPhone および iPad) など

また、クラウドベースのサービスであるため、必要な時にどこからでもアクセス可能です。
出先での作業や、リモートワークや在宅勤務の際に役立ちます。

ウイルス・スパム対策

クラウドベースのフィルター サービス「 Exchange Online Protection (EOP) 」 が搭載されており、スパムメールやウイルスが潜むメールを検知・削除します。

受信したメールは以下の過程を経てメールボックスに至るため、安心して開封できるでしょう。

  1. 接続フィルター
  2. マルウェア検査
  3. ポリシーフィルター処理
  4. コンテンツフィルター (スパム対策・スプーフィング対策)

Microsoft Exchange Online のメールに関する便利機能

Microsoft Exchange Online には、メールに関する便利な機能が5つ備わっています。
煩わしいメールボックスの整理や、情報漏えい対策を行う手間を省けるでしょう。

大容量ファイルを添付

受送信できるメールサイズの既定は、最大25MBです。
大容量ファイルも問題なく添付できます。
「大容量ファイルを送りたいのに送れなかった」ということがなくなるでしょう。
また、管理者はメールサイズを1MBから150MBまでカスタマイズ可能です。

メール・共有フォルダをオフラインで確認

Exchange キャッシュモードを使用すれば、オフラインでメール・共有フォルダで確認できます。
メールボックスのコピーと共有フォルダがコンピューターにダウンロードされるためです。
既定では12カ月分のデータがダウンロードされますが、任意の期間をダウンロード設定することができます。

オフラインで作業できるため、ネットワークに接続できない外出先でもメール・共有フォルダを確認できて便利でしょう。
また、接続料金を削減でき、低速ネットワークへの接続で操作が遅くなることを避けられます。

バックアップ

Microsoft Exchange Online はクラウドサービスであるため、 Microsoft データセンター内にある複数のデータベースにメールボックスがリアルタイムで複製されます。
そのため、どれか一つのデータベースでシステム障害が発生しても、ユーザーは作業を中断することなくメール機能を使用可能です。

自動アーカイブ

古いメールは、無制限アーカイブ機能によりアーカイブメールボックスへ移動されます。

アーカイブメールボックスの容量は最大100GB用意されますが、そのうち90GBを使用すると自動拡張アーカイブに変換されて記憶領域が追加されるため、アーカイブできるメールの量は実質「無制限」です。

また、アーカイブメールボックス内で削除したメールは、 14日間なら回復できます。

誤送信による情報漏えい防止

メールの誤送信防止機能五つが標準装備されています。
組織外への情報漏えい防止に役立つでしょう。

  1. メールヒント
    組織外のメールアドレスをTo/CC設定すると警告 (ヒント) を表示。
  2. 遅延送信
    送信ボタンを押したあと、いったん送信せずに送信トレーにとどめておき、そのあと実際に送信。
    送信ボタンを押してから送信までの時間は設定が必要。
  3. トランスポートルール
    特定のルール下でメールフローを制御。
    組織外へのメールを禁止/組織外へのメールを上司の承認制に設定/組織外へのメールに免責事項を追加 など
  4. データ損失保護 (DLP)
    トランスポートルールの機能拡張。機密情報を検出。
  5. Office 365 Message Encryption
    暗号化されたメールを送信可能。閲覧するためには認証が必要。

まとめ

スケジュール共有や会議室・備品管理を行えるだけでなく、セキュリティー対策も万全な Microsoft Exchange Online 。
メールはバックアップや自動アーカイブ、さらには誤送信による情報漏えいを防止することができます。

プランは三つあり、それぞれ使用できる機能が異なります。
自社に最適なプランを導入しましょう。

Microsoft Exchange Online の機能を最大限に使いこなして、業務を効率化しましょう。

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監修

横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター

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