Microsoft 365 とは?企業が抱える課題別解決機能・導入するポイントを徹底解説
作成日:2021/08/13


Microsoft のサービスのひとつである「 Microsoft 365 」。
今回は Microsoft 365 の概要やプラン、 Microsoft 365 によって解決できる課題や導入のポイントなどについて解説します。
テレワークや業務効率化などに課題を抱えている方や、 Microsoft 365 の導入を検討している方は、ぜひご覧ください。
Microsoft 365 とは?
Microsoft 365 とは、以下三つのサービスがパッケージ化されたクラウド型サービスです。
- Office 365
- Windows OS
- EMS (Enterprise Mobility + Security)
Microsoft 365 は、Windows OS や 各 Officeソフト によって業務効率化を可能にするだけではなく、EMS による高度なセキュリティーで多様な働き方を実現します。
※ Windows OS と EMS は、主にエンタープライズ向けプランで使用できます。
一般企業向けのプランでは Business Premium で使用できます。
Office 365 との違いやそれぞれのサービスについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
Office 365 との違い
Microsoft 365 と Office 365 の違いは、次の通りです。
- Office 365:主に Officeアプリケーション がセットになったサービス
- Microsoft 365 :Officeアプリケーション に加え、 Windows OS と EMS がパッケージ化されたサービス
Office 365 は、Officeアプリケーションとチームでの作業を便利にするサービスをセットにしたクラウド型のサービスです。
Officeアプリケーション の例としては Word や Excel、PowerPoint などがあります。
また、チームでの作業を便利にするサービスとしては Teams や Exchange、OneDrive などがあります。
対して Microsoft 365 は、Office 365 に Windows OS と EMS を加えてパッケージにしたクラウド型のサービスです。
EMS ( Enterprise Mobility + Security ) には、Azure Active Directory Premium や Intune といった機能が含まれています。
Microsoft 365 には Windows OS が加わっているだけではなく、EMS によってセキュリティー面も強化されるため、安全・効率的に業務を行えるでしょう。
Microsoft 365 のサービス内容
Microsoft 365 のサービス内容は、大きく以下の三つに分けられます。
- Office 365
- Windows OS
- EMS (Enterprise Mobility + Security)
それぞれの細かい内容について、詳しく見ていきましょう。
Office 365
Microsoft 365 には、Office 365 で利用できる一部サービスやアプリケーションが含まれています。
含まれるアプリケーションは、基本の Word、Excel、PowerPoint、Access のほか、メールと予定表管理のできる Outlook や Exchange などです。
さらにオンラインでの会議や共有に便利な Teams や SharePoint、To Do など、ビジネスを支えるための Officeアプリケーション を利用することができます。
サービスがインターネットを経由して提供されているため、Office 365 などのサービスは SaaS (Software as a Service) とも呼ばれています。
Office 365 が含まれていることにより、数々の優れた Officeアプリケーション を常に最新の状態で利用することが可能です。
また Office 365 の特徴である「 パッケージ版と比べて、より複数の端末で利用できる 」といったメリットも得られます。
Windows OS
Microsoft 365 には、最新の Windows OS ( Windows 10 Business または Enterprise ) も含まれています。
Windows 7 や 8.1 Pro から Windows 10 へのアップデートが可能であるほか、VDI (仮想デスクトップ) 環境での利用や、AutoPilot による Windows 10 の自動展開が可能です。
さまざまな機能が含まれていることにより、 Microsoft 365 では効率的で一元的なOSやソフトウエアの管理、メンテナンスができます。
EMS (Enterprise Mobility + Security )
Microsoft 365 には、EMSも含まれています。
EMS とは「 Enterprise Mobility + Security 」の略であり、端末や情報の管理、セキュリティーに関するさまざまな機能を備えたサービスです。
具体的な機能として、以下が挙げられます。
- Azure Active Directory Premium (ユーザー管理や接続制限の設定が可能な機能)
- Intune (アクセス制御やリモートでの初期化が可能な端末管理機能)
- Azure Information Protection (ファイルの暗号化や操作制限が可能なドキュメント保護機能)
EMS が含まれていることによって、 Microsoft 365 に含まれる Office 365 や Windows OS のサービスを高いセキュリティーレベルのもとで効率的に利用できます。
Microsoft 365 のプラン
Microsoft 365 には、大きく分けて以下二種類のプランが用意されています。

それぞれのプラン内容について、以下で詳しく見ていきましょう。
Microsoft 365 Business
Microsoft 365 Business は、300名以下規模の一般企業を対象としたプランです。
Microsoft 365 Business はさらに Basic、Standard、Premium の3つのプランに分かれており、プランによって使用できる機能の範囲が異なります。
- Microsoft 365 Business Basic
簡単なリモートソリューションを必要とする企業向け - Microsoft 365 Business Standard
リモートワークとコラボレーションのツールすべてを必要とする企業向け - Microsoft 365 Business Premium
安全なリモートワークソリューションを必要とする企業向け
Microsoft 365 Business は 各種 Officeアプリケーション のほかに、共有機能やセキュリティー機能を備え、ビジネスに必要な要件を高いレベルで満たすだけではなくリモートワーク環境の構築を可能にします。
Premium では、すべての機能が利用可能です。
しかし Standard では高度な脅威対策とデバイス管理機能の利用が制限され、Basic では デスクトップ版Officeアプリケーションなどの利用が制限されます。
ほかにも Officeアプリケーション の利用とクラウドのファイル保存利用にフォーカスした Microsoft 365 Apps もあります。
Microsoft 365 Enterprise
Microsoft 365 Enterpriseは、大企業を対象としたプランです。
Microsoft 365 Enterprise はさらに E3、E5 の2つのプランに分かれており、プランによって使用できる機能の範囲が異なります。
- Microsoft 365 E3
クラス最高の生産性向上アプリに大企業のための中核的なセキュリティーとコンプライアンス機能の組み合わせ - Microsoft 365 E5
クラス最高の生産性向上アプリに大企業のための高度なセキュリティー、コンプライアンス、音声通信、分析の機能を利用可能
Microsoft 365 Enterprise には、Microsoft 365 Business のプランに備わっているビジネスに必要な機能に加えて、業務をより効率化するアプリケーションや管理・監視の機能が備わっています。
大企業に必要な、優れた生産力や高度なセキュリティー、コンプライアンス管理の実現が可能です。
E5 ではすべての機能が利用可能である一方、E3では高度な分析や情報保護、コンプライアンスにおける一部機能が制限されます。
E3 と E5 のほかにも、生産性向上アプリとクラウドサービスにフォーカスした Microsoft 365 F3 もあります。
家庭向けプラン
これまで法人向けプランを紹介しましたが、 Microsoft 365 には家庭向けのプランもあります。
- Microsoft 365 Personal
- Office Home & Business 2019
- Office Personal 2019
家庭向けプランでは生産性を向上させる各種Officeアプリケーションが常に最新の状態で利用できるほか、1TBのクラウドストレージや高度なセキュリティー機能を利用できます。
家庭向けプランではサブスクリプション契約だけではなく、永続ライセンスを取得することも可能です。
Microsoft 365 で解決できる課題
Microsoft 365 は Office アプリケーションをはじめ管理機能やセキュリティー機能など、さまざま機能を備えているため、以下のような課題の解決が可能です。
- テレワーク・在宅ワークを導入したい
- クラウドを活用したいがセキュリティーが心配
- 業務を効率化し生産性を向上したい
テレワーク・在宅ワークを導入したい
近年重要性が高まっているテレワークですが、導入にはセキュリティーや共有、会議などさまざまな課題が伴います。
Microsoft 365 には、テレワーク導入の課題を解決するさまざまなサービスや機能が用意されています。
例えばセキュリティーに関しては、Windows 10 に標準で備わっているセキュリティー機能に加え、EMS によってさらにセキュリティーレベルを引きあげることができます。
また SharePoint や OneDrive の活用よってデータや作業の共有が可能になり、会議については Teams を利用することでオフィスと同じように行うことができます。
Microsoft 365 を導入することで、セキュリティーや共有、会議などの課題を解決しテレワークを導入することが可能です。
クラウドを活用したいがセキュリティーが心配
近年導入や活用が進んでいるクラウドサービスですが、セキュリティーの課題やサーバー・端末の管理などの課題があります。
セキュリティーに関しても、Microsoft 365 に備わっているサービスや機能によって安心して活用できるようになります。
Intune によって、セキュリティーポリシーに基づいたアクセス制限などの端末管理が行えるほか、リモートワイプ機能によって万が一端末を紛失した場合の情報漏えいを防止できます。
さまざまな機能を Microsoft 365 で一元管理できるほか、すでに利用していた他社製のクラウドアプリケーションなどとも連携することが可能です。
Microsoft 365 を導入することで、管理やセキュリティーにおける課題を解決できます。
業務を効率化し生産性を向上したい
Microsoft 365 を導入することで、システムおよび人的な課題を解決し、業務効率化と生産性向上を実現することが可能です。
Teams や SharePoint、OneDrive などを活用することで効率的かつスムーズな社内コミュニケーションを実現します。
さまざまなグループウエアが用意されている Microsoft 365 だからこそ、業務効率化に関する課題を解決できます。
さらに Microsoft 365 は、月額のクラウドサービスであるため初期投資も抑えられるほか、ライセンス管理も柔軟に行うことができます。
Microsoft 365 を導入するメリット・導入するポイント
最後に Microsoft 365 を導入するメリットと導入のポイントについて解説します。
テレワークの導入や業務効率化についての課題に加えて、以下のような問題意識をお持ちの方は Microsoft 365 の導入を検討してみてください。
- 管理コストを削減したい
- セキュリティーを向上したい
管理コストを削減したい
Microsoft 365 は、管理コストを削減したい方におすすめです。
Microsoft 365 は Officeアプリケーション の利用ができるだけではなく、 Windows OS のライセンスや端末、ファイルなどの効率的な管理を実現します。
さまざまなデータを一元管理することもできるため、管理にあてる人員を減らしながら1人にかかる負担も減らすことができます。
セキュリティーを向上したい
Microsoft 365 は、セキュリティーレベルを向上させたい方にもおすすめです。
従来の Office 365 とは異なり、 Microsoft 365 には Windows 10 の標準セキュリティー機能や EMS の高度なセキュリティー機能が備わっています。
充実したセキュリティー機能により、自社のビジネスや情報を確実に保護するだけではなく、クラウドの活用やテレワークの導入など、現代に必要な最先端の働き方を実現します。
まとめ
今回は Microsoft 365 で解決できる課題と導入のポイントについて解説しました。
Microsoft 365 を導入することで、管理コストを抑えつつセキュリティーや生産性も向上させることができます。
業務効率化やテレワークの導入を検討している場合は、 Microsoft 365 の導入を検討してみてはいかがでしょうか。