Microsoft 365 とは?生産性を高める新たなクラウドサービス
作成日:2021/06/24

Microsoft 365 とは?生産性を高める新たなクラウドサービス Office 365との違いを比較

Microsoft 365 の導入を検討しているものの「 Microsoft 365 とはどんなサービス? 」「 Office 365 と何が違うのですか? 」とお悩みの方も多いでしょう。
今回は、導入することで業務効率化が期待できるサービス、Microsoft 365 について紹介します。
Microsoft 365 とは
Microsoft 365 とは、最新バージョンの Office アプリやクラウドストレージなどの利用ができる、サブスクリプション型 (月額制) のクラウドサービスです。
プランによって異なりますが、Word や Excel、PowerPoint や Outlook などのさまざまなアプリが使用可能です。
2020年4月に、Office 365 の一部製品が Microsoft 365 に改名されており、Office 365 と比べて使用できるアプリの数や機能、セキュリティー面などが強化されています。
【一般企業向け】Microsoft 365 のプラン・価格
一般企業 (中小企業) 向けのプランを4つ紹介します。
ただし一般企業向けのプランには「 ユーザー数は300人以下まで 」という制限があるため、300人を超える場合は大企業向けのプランを検討してください。
それぞれの価格や、使用できるアプリについては下記の表にまとめているため、ぜひご活用ください。
プラン | 価格 (税込み) | 主な使用可能アプリ |
---|---|---|
Microsoft 365 Business Basic |
594円 (ユーザー/月) |
・Teams ・Exchange ・OneDrive ・SharePoint |
Microsoft 365 Business Standard | 1496円 (ユーザー/月) |
・Outlook ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Publisher ・Access ・Teams ・Exchange ・OneDrive ・SharePoint |
Microsoft 365 Business Premium | 2398円 (ユーザー/月) |
・Outlook ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Publisher ・Access ・Teams ・Exchange ・OneDrive ・SharePoint ・Intune ・Azure Information Protection |
Microsoft 365 Apps for business | 990円 (ユーザー/月) |
・Outlook ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Publisher ・Access ・OneDrive |
※2021年6月時点
Microsoft 365 Business Basic
Microsoft 365 Business Basic は、一般企業向けプランの中で最も価格が安いプランです。
チャットツールである Microsoft Teams (以下 Teams) や、クラウドストレージである OneDrive の利用が可能なため、リモートワークに適しています。
デスクトップ版の Office アプリは利用できないですが、Web版の Word や Excel、PowerPoint の利用は可能です。
社内ストレージのクラウド化や、テレワークの効率化を実現したい企業におすすめできます。
Microsoft 365 Business Standard
Microsoft 365 Business Standard は、テレワークに役立つグループウェアや Officeアプリをまとめて利用できるプランです。
デスクトップ版の Word や Excel、PowerPoint などの利用が可能であり、モバイルデバイス・タブレットでの操作も可能です。
また、Outlook や Teams も利用できるため、導入することで社員同士のチームワークも強化できます。
「業務でOfficeアプリを使いたい」、「テレワーク時の連携を強化したい」といった課題を抱えているなら、Business Standard のプランがおすすめです。
Microsoft 365 Business Premium
Microsoft 365 Business Premium は、Business Standard プランで使用できるOfficeアプリ・グループウエア に加えて、高度なセキュリティー機能が備わっているプランです。
メールからのウイルス感染を防止する機能やデバイスの管理機能、特定の情報にアクセス制限を設ける機能などが利用できます。
一般企業向けプランの中では比較的価格が高いですが、機密性の高い情報を扱う企業や、リモートワークにおけるセキュリティーを強化したい企業におすすめです。
Microsoft 365 Apps for business
Microsoft 365 Apps for business は、Office アプリとクラウドストレージの利用が可能なプランです。
Excel をはじめとする Office アプリや OneDrive の利用はできますが、Teams は利用できません。
Teams などのアプリが利用できない分、Business Standard よりも価格は安く、税込み990円 (ユーザー/月) でサービスを試すことができます。
そのため「グループウェアは不要だが Office アプリやクラウドストレージは使用したい」という場合におすすめです。
【大企業向け】Microsoft 365 のプラン・価格
ユーザー数が300人を超える企業には、ユーザー数に制限がない大企業向けのプランが用意されています。
各プランの価格や使用できるアプリの一例は、以下の通りです。
プラン | 価格 (税込み) | 主な使用可能アプリ |
---|---|---|
Microsoft 365 F3 | 957円 (ユーザー/月) |
・Word ・Excel ・OneNote ・PowerPoint ・Publisher ・Access ・Outlook ・Teams ・To Do ・OneDrive |
Microsoft 365 E3 | 3828円 (ユーザー/月) | Microsoft 365 F3 と同様 |
Microsoft 365 E5 | 6820円 (ユーザー/月) | Microsoft 365 F3 と同様 |
※2021年6月時点
Microsoft 365 F3
Microsoft 365 F3 は大企業向けプランの中では価格が安く、現場担当者の生産性向上を図るためのプランです。
Word や Excel などの Office アプリはもちろん、Teams や OneDrive の使用も可能です。
ただし使用できるアプリには一部制限があり、Office アプリはWeb版・モバイル版のみ使用が可能で、デスクトップ版は使用できないため注意しましょう。
また、OneDrive のストレージ容量はユーザー1人あたり2GBとされているため、容量不足にならないようファイルを管理する必要があります。
Microsoft 365 E3
Microsoft 365 E3 は、大企業のための生産性向上アプリや、セキュリティー対策などが用意されているプランです。
F3プランと比べて、使用できるアプリ・機能の制限が緩和されており、デスクトップ版 Office アプリの使用が可能です。
また OneDrive のストレージ容量についても、1ユーザーあたり5TBの初期容量が用意されています。
300人以上の規模でテレワークを導入する企業や、本格的にOfficeアプリを使用したい企業におすすめです。
Microsoft 365 E5
Microsoft 365 E5 は、大企業向けプランの中でも特に幅広いアプリが使用できるうえに、より高度なセキュリティー対策が用意されているプランです。
E5にはほかのプランにはない、以下のようなアプリ・機能が追加されています。
- Power BI
- Microsoft 365 Defender
- Microsoft Defender for Office 365
Power BI は、あらゆるデータの分析が可能になるため、企業の意思決定やビジネスへのデータ活用の効率化が図れます。
また、Microsoft 365 Defender があれば、外部からの攻撃や悪意のある添付ファイルなどの脅威から自社の情報を保護できます。
業務を総合的に効率化したい企業や、強度なセキュリティーを求めている企業におすすめです。
Microsoft 365 のメリット
Microsoft 365 は、Office アプリやクラウドストレージの利用が可能で、セキュリティー面にも優れているサービスです。
Microsoft 365 のメリットは、主に以下の5つです。
導入の初期費用を抑えられる
Microsoft 365 は、年単位もしくは月単位で料金を支払うサブスクリプション型のサービスであるため、導入の初期費用を抑えることができます。
買い切り型サービスの場合は、サブスクリプション型よりも初期費用が高額になることが多いため、サービスを利用する社員が多い場合、それだけ導入費用も高額になることが考えられます。
しかし Microsoft 365 なら、Office アプリを使用できるプランでも、税込み1496円 (ユーザー/月) から利用することが可能です。
さらに導入後に Microsoft 365 が不要だと感じたら、解約・キャンセルもできるため、クラウドサービスを試してみたい場合におすすめです。
万全のセキュリティー対策
万全のセキュリティー対策がなされている点も、Microsoft 365 のメリットです。
プランによって異なりますが、Microsoft 365 には情報漏えいや外部からの攻撃などの脅威から情報を保護するためのサービス・機能が豊富に用意されています。
例えば Exchange Online Protection (EOP) というサービスには、マルウェアやスパムからの保護など、電子メールにおけるセキュリティー対策機能が備わっています。
ほかにもセキュリティーに関するサービスが豊富なため、「クラウドサービスの導入を検討しているがセキュリティーに不安がある」という企業におすすめです。
オンラインストレージの利用が可能
Microsoft 365 では、OneDrive や SharePoint などのオンラインストレージが利用できます。
一般企業向けでは1TB、大企業向けのプランである Microsoft 365 E3・E5であれば、5TB の初期容量が割り当てられます。
ソフトウエアのアップデート作業が不要
ソフトウエアのアップデートによる手間やコストを削減できる点も、Microsoft 365 のメリットといえます。
Microsoft 365 では、常に最新版の Office アプリ (Word、Excel など) が使用できるため、アップデート作業が不要です。
また、買い切り型サービスの場合はソフトをアップデートするために追加料金が発生しますが、Microsoft 365 はアップデートによる追加料金は発生しません。
パソコン以外のデバイスからでもアクセス可能
スマホやタブレットなど、パソコン以外のデバイスからアクセスできる点もメリットです。
Microsoft 365 はクラウドサービスであるため、さまざまなデバイス・場所から、保存した情報にアクセスすることができます。
Office 365 とは
Office 365 は、Office アプリや OneDrive 、Teams などのアプリが使用できる、サブスクリプション型のサービスです。
2020年4月に、Office 365における一部製品の名称が Microsoft 365 に変更されていますが、現在も大企業向けのプランとして、以下三つのプランが用意されています。
- Office 365 E1
- Office 365 E3
- Office 365 E5
Office 365 と Microsoft 365 は類似する点が多いサービスですが、それぞれ異なるポイントもあります。
Microsoft 365 と Office 365 の違いを比較
Microsoft 365 と Office 365 には、以下三つのような違いがあります。
対象となる企業
Microsoft 365 には一般企業向け (ユーザー数300人以下) のプランが用意されていますが、Office 365 には一般企業向けのプランは存在しません。
Office 365 には大企業向けのプランのみが用意されており、一般企業向けのプランと比べると価格も高くなる傾向にあります。
そのため、300人以下のユーザーで Office アプリやサービスを使用したい場合、一般企業向けのプランが用意されている Microsoft 365 のほうがおすすめです。
セキュリティー
セキュリティー面では、Office 365 よりも Microsoft 365 のほうが優れているといえます。
Microsoft 365 には Office アプリに加えて、Enterprise Mobility + Security (EMS) というサービスが含まれているためです。
EMSにはID・アクセス管理機能や、高度な脅威から情報を保護する機能などが備わっているため、企業のセキュリティー対策に役立ちます。
利用可能なサービス
Office 365 と Microsoft 365 では、利用できるサービスが異なります。
例えば Office 365 と Microsoft 365、それぞれのE3プランで一部サービスの有無を比較した場合、Microsoft 365 には以下三つサービスが用意されています。
- Microsoft Intune (デバイスの使用方法を制御するサービス)
- Azure Active Directory (ID管理・セキュリティー保護サービス)
- Microsoft Advanced Threat Analytics (高度なサイバー攻撃などを防ぐサービス)
さらに、Microsoft 365 には Windows 10 のライセンスも含まれているため、より充実したサービスを利用したい場合には Microsoft 365 がおすすめです。
まとめ
今回は、Microsoft 365 のメリットや Office 365 との違いについてまとめました。
Microsoft 365 は高度なセキュリティー対策がなされており、導入時の初期費用も抑えられます。
そのためリモートワークにおけるセキュリティーに不安がある企業や、クラウドサービスを試しに導入したい企業などにおすすめです。
一般企業と大企業、それぞれに適したプランが用意されているため、ぜひ Microsoft 365 の導入を検討してみてください。