市場動向からみたオンプレミス?クラウド?

作成日:2020/06/12
更新日:2022/01/18

お役立ちコラム

市場動向からみたオンプレミス?クラウド?

皆さまの会社のITインフラ環境は、自社で所有する、いわゆる「オンプレミス」をメインに運用をされていますでしょうか?
それとも、インターネット上にある環境を利用する、いわゆる「パブリッククラウド」をメインに運用をされていますでしょうか?

「オンプレミス」と「パブリッククラウド」の説明と近況の市場動向を、簡単ですが紹介させていただきます。

オンプレミスとパブリッククラウド、それぞれのメリットと特徴

まずは、ご存じの方も多いと思いますが、ITインフラ環境における「オンプレミス」と「クラウド」を簡単に説明させていただきます。

オンプレミスとは

ITインフラであるサーバーや周辺機器などを購入やリースで調達、またはレンタルで準備を行い、自社内(データセンター内も含む)に設置して、システムの導入から運用、保守を自社で行う環境を表します。

オンプレミスの一般的なメリットは下記があげられます。
- 構築時の要求にも自由にカスタマイズ対応が可能
- 既存システムとの連携や統合にも柔軟な対応が可能
- コンプライアンス的に外部へ出せないデータも管理が可能

懸念点としては、
- 機器の調達、構築に一定の期間が必要
- 数年後を想定した初期投資となるため、高額投資となる場合もある
などが考えられます。

パブリッククラウドとは

クラウド提供事業社がサーバーや周辺機器を所有し、それをサービスとしてユーザーに提供する環境を表します。
そのため、利用者は希望するシステムを利用するためのITインフラとなるサーバーや周辺機器などを自社で所有する必要がなくなります。

パブリッククラウドの一般的なメリットとしては、
- 初期費用が無料、もしくは少額な場合が多く低コストでのスタートが可能
- 使用開始までの期間も短く、利用状況に応じてサーバー台数やストレージ容量などのスペック変更も容易

そして懸念点としては、
- セキュリティー面はクラウド提供事業社のポリシーに準じる必要があるため、自社のセキュリティーポリシーとの差分を確認する必要がある
- クラウド事業社の資産を利用するため、自社の要求どおりにカスタマイズできない場合がある
があげられます。

オンプレミスとパブリッククラウドの市場動向

サーバーやストレージが市場に出始めたときはオンプレミスでの利用があたりまえでした。
そこにインターネットの普及に伴いクラウドサービスが市場に浸透し、社内にあるITインフラ環境の一部、もしくは社内にITインフラ環境の一部を残し、残りの多くのITインフラ環境をクラウドへ移行した会社も多くなりました。

しかしながら、ここにきて、近年では、一度パブリッククラウドへ移行したITインフラ環境を、オンプレミス環境へ回帰する企業が増えていることをご存じでしょうか?

2019年にIDCが行った調査結果では、今後パブリッククラウドからオンプレミスに移行する計画があるかとの質問に対し、約80%の企業から「パブリッククラウドからオンプレミスへ移行を予定している」との回答がありました。

出典:IDC Japan 2019年 国内ハイブリッドクラウドインフラストラクチャ利用動向調査

パブリッククラウドからオンプレミスへの移行に関しては、少し前のデータとはなりますが、総務省の調べでも、国内クラウド利用の中心が大手企業から、平成29年には資本金1,000万円未満の顧客層でも大きく拡大しています。

出典:総務省 平成29年通信利用動向調査

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/180525_1.pdf 外部リンク

しかし、平成30年では、資本金1,000万未満、および1億円~5億円未満、5億円~10億円未満の中堅企業で初の減少が確認されているのが実情です。

出典:総務省 平成30年通信利用動向調査

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/190531_1.pdf 外部リンク

それではなぜ、パブリッククラウドからオンプレミスへ移行されるのでしょうか?

その理由として、サービスレベルの向上やセキュリティーの向上、データ連携を容易にするためにオンプレミスへの回帰が高まっているというIDCの調査報告もあります。
例えば、サービスレベルを稼働率の観点で考えた場合、パブリッククラウドでは、障害復旧までの時間がオンプレミスと比べて遅いわけではなく、サービスによっては連続稼働率も高いものがあります。
ただし、障害が発生した際、利用者側で障害時の状況把握が難しく、障害対応のコントロールもできないことが、利用者側の不満になっている場合があるのかもしれません。

出典:IDC Japan 2019年 国内ハイブリッドクラウドインフラストラクチャ利用動向調査

以上が、オンプレミスとクラウドの市場動向も踏まえた説明となります。
皆さまのITインフラ設備投資に対して検討材料のひとつになれば幸いです。

次回は、オンプレミス、クラウドのメリットも踏まえ最近のトレンド、クラウド&ハイブリッドをご紹介できればと考えています。

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執筆

横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター

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