ただ捨てるだけではない、「もったいない」を実践していますか?

作成日:2022/07/01

お役立ちコラム

ただ捨てるだけではない、「もったいない」を実践していますか?

今回は法人向けのお堅い話は小休止して、もっと身近な話題、個人で取り入れられているエコなグッズやサービスについて取り上げます。

江戸時代はリサイクル・リユースが当たり前だった

江戸時代までさかのぼると、あらゆる物資やエネルギー源は、太陽など自然と植物由来のものでまかなわれていたと言っても過言ではなく、当時は、限られた資源を有効活用するために、さまざまな場面でリサイクル・リユースが行われていたと言われています。

例えば、「衣食住」の「衣」。
着物は細長い生地から必要なパーツを切り出しますが、洋服のように体の曲線に合わせた裁断で中途半端な切り落とし部分ができるわけではなく、直線で構成されるため、仕立てる段階から無駄が少ないです。
さらに着物は丈や胴回りを着付けの仕方によって調節でき、曲線部も無いため、縫ったものをほどいて仕立て直すこともしやすいようです。

筆者の祖母や母は着物が好きで、多少ではありますが自宅に保持しているため、結婚式や還暦祝いなど、イベントの際には筆者も母の着物を着用します。
筆者と母はほぼ同じ背丈ですが洋服のサイズが異なるため、洋服の交換やおさがりをもらうことはしませんが、着物は共有しているのも、このような特徴があるからと言えます。

話を戻すと、江戸時代は着物が擦り切れるなど劣化すると、子供のおもちゃや小物、雑巾など別の用途に転用されることも多く、さらには雑巾としての役割を終えると燃料として、かまどやお風呂で利用されてきました。
燃えたあとに残る灰は畑の肥料として活用され、その一生を終えます。
畑では人間の食物だけではなく、綿花や蚕の餌になる桑の葉が育てられ、そこから再び生地ができます。
限られた資源を長く最後まで使い切る、さらには循環させること、現代では努力しないと実現できないことが当時は当然のように行われてきました。

余談ですが、筆者の母は若い頃に和裁の勉強をしていたので、筆者の幼稚園時代の浴衣は某キャラクターの生地で母が手縫いで作ったものだったことを思い出します。
あの浴衣は最後どのように一生を終えたのか、気になるところです。
もう数十年前のこと、母にも筆者にも記憶が無いですが、有効活用されたはずと願うのみですが果たして……。

わたしにとっては不用品。でも誰かにとっては必要なもの

鎖国時代を終え、西洋文化が日本に入ると、かばんを持った西洋人を見て手ぬぐいや風呂敷からリメークしたのが「あずま袋」と言われるシンプルな袋。
風呂敷で包むことが一般的だった江戸時代に西洋人にあこがれて作られたと言われ、今日まで使われています。
筆者も祖母からもらい受け、社内で会議室への移動の際にはパソコンやスマートフォンを入れるなど、活用をしています。

また、鎖国時代を終えて交易が盛んになったことで、近現代では石油を輸入し、それを加工するための科学技術や産業が発展しました。
石油由来の製品のおかげで町には物があふれ、使い捨て・大量消費の時代になったことで、物質的には豊かになりましたが、長く大事に使うという意識は薄れてきてしまったように感じます。

そんな中、最近ではおうち時間が増加したことで、住空間の充実の一環で断捨離や片付けブームが起き、物の処分を考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、レジ袋有料化などの新制度や昨今の SDGs や環境問題への関心が高まったことを受け、単に捨てるのではなく、要らなくなったものをどうするか、メディアなどでも特集されることが多くなったと思いませんか。

例えば、洋服など不用品をリサイクル店で査定してもらう企画、本来捨てるはずであったものを別のグッズとして再生させた製品の紹介など、見るテレビ番組の内容が偏っていることを筆者も最近1カ月で目にした例です。
リサイクル店での査定は以前筆者が引っ越した際にも洋服や靴、かばんや本などの買い取りをしてもらったこともありますが、取扱店舗の増加に伴い、多くの方が経験されているのではないでしょうか。

後者の別のグッズとして生まれ変わった製品が個人的には驚いた覚えがあります。
それは「消防用のホース」が生まれ変わってトートバッグになることです。
消防用ホースはビルや公共施設にあらかじめ装備されますが、その90%は使われないまま廃棄されるようです。
まず、その事実を知りませんでした。
未使用は幸いなことですが、保管しておくだけでも経年劣化することを考慮すると、未使用での廃棄もやむを得ないというところのようです。
しかし、消火器具としての役割は果たせずとも、防水性、耐久性はまだ十分あることに着目して作られたのがこのトートバッグ。
長く倉庫にしまわれていたものなので、洗浄したり職人が手作業で縫製したりと手間がかかるため、「価格は1000円!安い!!」というわけにはいきませんが、ご興味がある方、検索してみてはいかがでしょうか。

リサイクル店へ持ち込んで他の方に有効活用してもらうこと、違う役割を持たせることも大切ですが、一方でそもそも「持たない・所有しない」という考え方も浸透してきています。
持たない代わりに定期的、または使うときだけ費用を支払うことで物やサービスが利用できるサブスクリプションサービスやシェアリングサービスに参入する企業や、それを利用する個人・企業がここ数年で増え、カーシェアリングや音楽配信サービスなど誰でも何らかのサービスを利用しているのではないでしょうか。
また、例えば、主に休日の買い物のために車を所有している人は、平日の使わない時間に貸し出すことで遊休資産を活用して利益を出すことができると注目されています。

他人と物・空間を共有することは避けた方が良いという風潮がこれらのサービスに対してありましたが、一時的なものと言われています。
今後もますます発展していくサービス形態として目が離せません。

まとめ

今回は一つのものを大事に使い、限りある資源を循環させることを昔も今も行っていることを中心に取り上げてみました。
皆さまの貴重なお時間から、当コラムに時間を割いていただきありがとうございました。

執筆

文月 (横河レンタ・リース株式会社 営業統括本部 ITS&システム営業推進本部 システム営業技術支援部1グループ)

主な業務は営業に対する技術支援やお客さまや社外向けプロモーション活動。
寺社仏閣めぐり (もちろん御朱印集めも) など日本の文化が大好きです!

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