ソフトウェアの調達とライセンス管理

作成日:2019/11/06
更新日:2021/03/16

お役立ちコラム

ソフトウェアの調達とライセンス管理

当社ではPCのレンタルが主なビジネスですが、PCと併せて Microsoft 365 の販売も行っていることから、お客さまからソフトウエアライセンスの管理のご相談もいただいています。

ソフトウエアライセンスの管理をするためには、まず購入したライセンスをどこで誰が使っているかを把握する必要があります。
次にそのソフトウエアの利用方法がソフトウエアメーカー(以下パブリッシャー)の提示している方法と合っているか確認します。
約款に書かれている制約条件や権利の確認も欠かせません。
この一連の確認を正確に効率的に行い、購入ライセンスに誤りがあれば迅速に是正する活動が、ソフトウエアライセンスの管理です。
ここでは、ライセンス形態と注意するポイントをいくつかご紹介します。

1.ユーザーライセンスとデバイスライセンス

ライセンス形態で一般的な調達形態は、ユーザーライセンスとデバイスライセンスです。
これまでのライセンス管理はデバイスライセンスでの提供が一般的でした。
これは利用しているデバイス数のライセンスを購入するライセンス形態です。
個人にデバイスが提供されているビジネス環境ではパブリッシャーとしても合理的なライセンス提供形態でした。
オフィスでデスクトップPCを使って仕事をしているだけであればこのライセンス形態で良いですが、外出先でモバイル端末も使って仕事をする場合は保持しているデバイスの台数分のライセンスが必要になってしまいます。
その点、ユーザーライセンスはユーザー数に応じたライセンスの調達をすればよく、インストールPCの台数はあまり管理する必要がありません。
例えば Microsoft 365 はユーザーライセンスで利用しますが、利用デバイスはデスクトップPC、ノートPC、タブレット端末など1ユーザーで15台までインストールが許可されています。
ユーザーの職場環境や働き方の変化も要因の一つですが、パブリッシャーとしても不正使用を防げるためにユーザーライセンスでの提供に移行しています。

2.永続ライセンスと非永続ライセンス

パッケージなどで購入してきたソフトウエアは、いつまでも使える永続ライセンスでした。
利用約款にライセンス期間が定められていたわけではありません。契約上はいつまでも利用できます。
事実上、サポートが終了するまで使用していた方も多いのではないでしょうか。長く使うソフトウエアは、この調達方法がトータルコストで有利になるかもしれません。

最近は非永続ライセンス(サブスクリプション)での提供も一般化してきました。
これは期間を決めて利用するタイプのライセンスです。
例えば Microsoft 365 も契約期間を決めて必要な時期だけ利用します。
サブスクリプションライセンスでは、パブリッシャーの販売戦略に合わせてバージョンアップが必要になったり、価格改定で値上げが実施されたりした例があります。
常に最新のバージョンを必要な時期だけ使うことができ、変化の激しいビジネス環境では有効なライセンス形態ですが予算外の費用が発生するなどのリスクもあることを認識ください。

3.デバイスライセンスの管理

デバイスライセンスの管理はデバイスごとにライセンスされているため、ソフトウエアの利用台数の正確な把握が必要です。
この管理を行うには、IT資産管理ツールのインベントリー情報からデバイスの台数とインストール台数を把握します。
購入しているソフトウエアとデバイスのライセンスがひもづけば問題ありません。
デバイスライセンスの管理でよくある問題は、購入ライセンス証書の管理が不十分で調達されたライセンスの正当性が証明できない場合です。
複数のデバイスへの不正コピーがあったため、パブリッシャーはデバイスの利用台数とライセンスの購入数管理を求めてきました。
そしてPC運用管理者はこの台数の管理に多くの工数を取られしまうのです。

4.ユーザーライセンスの管理

ユーザーライセンスは、パブリッシャーが管理しているログインユーザー数で制限されているため、PC運用管理者は不正なインストールの防止策を気にする必要がなくなります。
契約ユーザー数を超えて利用することができないため、利用数の管理が容易になります。
PCの入れ替え時のライセンス継承も、ユーザーに変更がなければ問題なく入れ替えができます。

昨今のユーザーライセンス管理の課題として、Windows 10 移行時に導入ソフトウエアのライセンス形態を見直しされるケースに触れておきます。
移行時期にユーザーライセンスとデバイスライセンスの混在が発生する場合は、PCにインストールされているライセンスの管理が複雑になります。
例えば Microsoft 365(ユーザー)と Office 2019(デバイス)の混在などは気を付けてください。
保持しているOfficeライセンスの合計数が合っているだけでは、ライセンス違反の可能性があります。
製品ごとの管理が必要です。

5.ライセンス契約の情報収集

ライセンスの制約条件は、パブリッシャーができるだけ多くソフトウエアを販売し、競合への対応のためにしばしば変更が発生します。
そのため自社で導入しているソフトウエアのライセンス情報収集は欠かさないようにしてください。
ライセンス管理の基本を学んでパブリッシャーの動向に注意していただくことで、コンプライアンスへの対応だけでなく最適な価格での調達も可能になります。

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