IoTデバイスの送信・受信評価における計測ソリューションの動向

注目の計測ソリューション

近年、さまざまな製品やサービスが開発され、今後、急速な成長が見込まれるIoT市場。IoT市場で取り上げられている無線通信には、セルラー通信系の無線通信方式やコネクティビティー系の無線通信方式があります。これらの無線通信方式は、それぞれに規格団体があり、無線通信の技術適合要求があります。また、使用される国や地域で制定された法や規格などの電波のルールも存在し、それぞれの要求品質やルールを考慮しながら評価を行う必要があります。
IoTデバイスの評価は、品質が確保された通信モジュールを組み込んでいても、実装状態や環境などの影響により、無線通信品質を悪化させてしまうこともあり、IoTデバイスを実際に使用する状態で無線通信品質を評価することが特に重要となってきます。

本コラムでは、IoTデバイスの無線通信品質の評価に関して注目を集めている新しい測定手法・計測ソリューションについて紹介します。

GNSS受信評価

IoTでは自動車、ドローン、農業機器、建築機器など、位置情報を利用したソリューション、サービスの展開を期待する分野が多く存在します。これらの実現にはGNSS(Global Navigation Satellite Systemの略で、アメリカのGPS、ロシアのGLONASS、ヨーロッパのGalileo、日本の準天頂衛星(QZSS)などの衛星測位システムの総称 )の受信評価を確実に行う必要があります。しかしながら、単にGNSSアンテナを製品に実装したとしても正確に動作するとは限りません。正確な動作確認には、フィールドでの試験が必要になりますが、実環境では常に同じ信号を受信することはできません。このような場合には、信号をシミュレートできるベクトル・シグナル・ジェネレータ(ローデ・シュワルツ SMBV100A)を使用することで所望の信号を使用した試験が可能です。

※出典・参照:ローデ・シュワルツ IoTソリューションカタログ「GNSS評価」

無線LAN搭載製品の送信・受信評価

近年、IoTの普及に伴い無線LANの通信機能はカメラ、白物家電、センサ、工業機器など、さまざまな機器・製品に搭載されるようになりました。無線LANの通信機能をIoT機器に持たせるには、一般的に無線LANモジュールを搭載する必要があります。これらは単体では良品として品質が確保されていても、IoT機器への実装状態や環境によっては、「電波の減衰」、「電波の混信」、「機器内での電波の反射」、「機器内干渉」などの現象により、無線通信品質を悪化させてしまう場合があります。IoTデバイスを設計する際には、これらを考慮して無線LANモジュールが搭載されたIoTデバイスを実際に使用する状態で、無線通信品質の評価をすることが重要です。
アンリツ MT8862A(ワイヤレスコネクティビティテストセット)は、無線LAN搭載機器を完成品、かつ実動作状態で無線通信品質を評価できる「ネットワークモード」という機能を備えた測定器です。一般的な無線LANの通信手順と同じように接続して、送受信の性能を評価することができます。

※出典・参照:アンリツ リーフレット「無線LAN搭載製品、つながりにくい、途切れやすいということはありませんか?」

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