MEBシステムのエネルギーテクノロジー バッテリー編

作成日:2018/10/11

お役立ちコラム

MEBシステムのエネルギーテクノロジー バッテリー編

2020年に15万台のEV販売を目標とするフォルクスワーゲンのEV戦略に注目!「ELECTRIC FOR ALL(すべての人々のための電気自動車)」というPRキャンペーンを打ち出す同社の取り組みに迫る!

EVのキーパーツ 『バッテリー』

電気自動車のバッテリーシステムは、非常に厳しい要件を満たす必要があります。
長期間にわたり最高エネルギー容量を達成するだけでは不十分で短い充電時間やあらゆる使用条件下でパフォーマンスを発揮することが求められます。

MEBバッテリー

MEBバッテリーの構造断面から、非常に強固なハウジングに守られていることが見て取れる。

MEBバッテリーの構成は丈夫なバッファー保護部の上にアルミ製バッテリーハウジングとクラッシュフレームを配置。内部装着されるバッテリーセルは「CMCe」と呼ばれるセルコントローラにより、セルの均一な利用や、電圧・電流・温度などを監視してコントロールされます。

バッテリーハウジングの上部は、カバーで閉じられておりメンテナンス時には簡単に取り外しできる構造となっています。

全体を「BMCe」と呼ばれる統合コントロールユニットがセルモジュール同士を通信して管理されます。

走りにも好影響をもたらすバッテリー

バッテリーを車両下部に搭載することでスペースを節約し、重心を大幅にさげることにも貢献するだけでなく前後バランス50:50という自動車として理想に近い重量配分を実現します。確かに頑丈なバッテリー構造がフロアにあるだけでも、フロア剛性が向上し乗り味が重厚なものになることが容易に想像できます。

拡張性の高いバッテリーシステムは、ユーザーが必要な航続距離に応じた容量のバッテリーを選ぶことができます。
基本的にはモーターなどは同一と仮定すると走行性能は変えずに車両価格を抑えることも可能になるのです。
今後自動運転のレベル3以上を見越すと、「フル乗車でも規定の加速ができること」などのルールが定められて、自動車もPCの様に動作に必要な最低スペックみたいな要件が定義される日がくるのかもしれません。

EVの充電・・・かかる時間は?電池切れの心配は?

同社の想定では大半の人が通勤などで1日50km以上走行しないため、オーナーは1週間に1回の充電で済むと見込んでいます。近年ガソリンスタンドが減少傾向ですので、スタンドまで行かなくて済むのはありがたいですよね。
個人的にはクルマにご褒美をあげる、給油という作業は好きなので残念ですが・・・。

1回の充電時間はどのくらい?

モジュール式ウォールボックス

MEBバッテリーは急速充電に対応しており、125kWの急速充電システムを使用することで約30分で80%の容量まで充電を回復することが可能です。

実際には企業や家庭の駐車場での充電が多いと思われます。就業中や寝ている間にバッテリーを満充電できる、VW製ウォールボックスを約300ユーロで発売すると発表しています。(設置費用は別途)

デザインもスタイリッシュで個人的には積極的に車庫の見える場所に設置したくなるアイテムだと感じました。

地域を救う電気自動車

台風や地震などの自然災害の増加により、停電などが発生することも多々みられるかと思います。近年増加しているオール電化の住宅などでは電気が使えなくなると特に生活に大きな支障をきたすのではないでしょうか。
先ほど紹介のウォールボックスとは別に、22kW(DC)の充電能力を有するウォールボックスの製造も同社では計画しています。
このタイプはエネルギーを電力網に双方向に供給することが可能で、非常時にはEVバッテリーの余剰電力を供給する構想も見込んでいます。
全ての自動車がEVになれば車載バッテリー同士を電力網として連携し、非常事態にもライフラインの確保が実現できるかもしれません。

横河レンタ・リースでは自動車の未来を明るくするべく、エンジニアの皆さまを計測ソリューションでサポートいたします。自動車の開発機材ならぜひ当社にご相談ください。

執筆

原田 大輔 (横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター)

原田 大輔 (横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター)

Flex Work Placeをはじめとする、情報システム管理者の課題解消ソリューションのマーケティングを担当。
業界を問わず各社とコラボレーションした企画やウェビナーを多数開催している。
趣味の自動車好きが高じて、くるまマイスター検定1級を取得。
時間があれば近未来の水素/電気で刷新される自動車の未来について考えている。

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