ワークステーションってパソコンとどこが違うの?

作成日:2019/06/27

お役立ちコラム

ワークステーションってパソコンとどこが違うの?
~ワークステーションの利用場面が進化しています。~

突然ですが皆さん、「ワークステーション」と聞いてどんなものをイメージしますか?
高速なパソコン、高額なパソコン、サイズが大きくて重いなど。
すべて正解です。しかし、明確な定義はありません。

メーカーがワークステーションとして販売している製品には共通の特徴があり、それが業界の標準となっています。

ワークステーションの定義とは

先に述べたように定義を明確にするにはいろいろな用途があり難しいのですが、本誌ではPCにはない特別で高い性能を持ち合わせ、動作に対する高い信頼性、確実性を高めたコンピューターのことをワークステーション(以下WSと略す)と称して説明します。

1.WSの代表的な使われ方は?

WSの定義でも触れた、PCにはない特別で高い性能や信頼性を必要とする場面とは以下のような用途を想定しています。

WSの用途例

  1. 解析・シミュレーション: 圧力/風/流体などの影響予測
  2. 科学技術計算: 天気予報素材や天体移動予測
  3. AI: 機械学習、ニューラルネットワーク、ディープラーニングなど
  4. 3D CAD: 部品や建物の立体的な図面設計
  5. BIM(CIM): 建築分野(土木分野)での共用データ3次元化による効率化
  6. 多画面出力: デジタルサイネージ(映像広告)や証券トレーディング
  7. 映像編集&仮想体験: CG作成、VR/AR/MRなど

WSはコミュニケーションを効率化したり、プレゼンをしたり、文書を書いたりするOA用PCとはだいぶ違う用途で利用されています。
またホストコンピューターで行っているような分野も含まれており、基本的にホストコンピューターと用途は同じですが、扱うデータ量や必要になるCPUが少ない解析や設計でWSが利用されています。

2.高速で信頼性を向上させるために、さまざまな工夫がされています。

ここでWSの特長的なポイントを紹介します。
WSも Windows 10 を搭載しているため、基本操作は通常のPCと同じです。
一方で、サーバー用プロセッサー、ECCメモリー、独立グラフィックボード、電源供給、冷却機構、エアフロー設計など、負荷の高い業務用アプリケーションの長時間稼働を前提に設計されています。

WSの構成パーツの重要な役割は以下のとおりです。

サーバー用プロセッサーとは

通常のPCより一段高い性能のインテルXeonプロセッサーを使用しています。
多数のメモリースロットにも対応し、大容量メモリー搭載のコンピューターを構成できるようになっています。
また止まることが許されないサーバー用のプロセッサーを使用しているため、酷使しても処理速度が低下しにくく、パワーを必要とする重い処理でも安定した動作のまま作業を行うことができます。

ECCメモリーとは

このメモリーは動作の誤りを検出して訂正する機能を持っています。一般的にメモリーのエラーは起こりにくいのですが、ごくまれに何らかの原因で誤動作が発生した場合、プログラムの動作が止まってしまったり、計算結果が異なったりする可能性があります。計算結果が重要なWSでは、ECCメモリーを使うことで信頼性を高めています。

独立グラフィックボードとは

通常のPCはプロセッサー内蔵のグラフィック機能で画像や映像を表示しています。
内蔵グラフィック機能を使うとメインメモリーの容量がたくさん使われてしまい、コンピューター全体の速度が遅くなる場合があります。
そこでWSでは独立グラフィック機能を搭載し画像や映像の処理を任せることで、コンピューター全体のパフォーマンスを向上させます。

その他の高性能機能

独立グラフィックボードは、高性能なものはサイズだけでなく発熱、消費電力も大きくなります。
そのため電源を強化して高性能グラフィックボードに対応し、エアフローおよび冷却機構によって、熱くなった筐体内の空気を効率良く排出できるように設計されています。

3.最近のWSの利用場面はどうなっているの?

昨今、さまざまな分野でAIの利用がメディアで話題になることが多いのですが、その技術を支える機械学習、中でも高性能を必要とする深層学習(ディープラーニング)用でWSの利用が伸びています。
高性能のグラフィックスボード(GPU)で単純な整数演算を高速並列処理させることによって、従来よりも学習時間が劇的に短くなり、モデル構築の試行錯誤を行いやすくなりました。

そして今後はVR、AR、そしてMR(Mixed Reality)分野での進化も見込まれています。
最近では、アミューズメント分野で、VRを使ったゲームがブームになっています。
この市場の早い動きに対応していくと、当然ハードウエアの陳腐化の速度も早まると想定されます。

MRは遠隔地作業支援や作業手順の適時表示などで、ビジネス用途が拡大し、コスト削減やサービス向上に貢献すると期待されています。
横河レンタ・リースでは、MRコンテンツを確認できるようにMicrosoft HoloLensのレンタルサービスも行っています。

WSでMRコンテンツを作ったらHMDで体験してみましょう。

体験用に HoloLens のレンタルをご用意しました。

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