コーアツ工業株式会社さま 導入事例
多数ある仮想サーバーの運用業務を Yellow Dash Support でアウトソーシング
情報システム部門の工数削減・負荷軽減を実現

鹿児島県鹿児島市に本社を置くコーアツ工業株式会社は、道路・鉄道などのコンクリート (PC) 橋梁の設計・製造・施工を手掛けています。
西日本を中心に高速道路や新幹線などのプロジェクトに参画し、リニア中央新幹線の建設にもJV (共同企業体) で参加しています。
同社ではこれまで、データセンターおよび本社に設置された4台のホストサーバー上で稼働する、約30台の仮想サーバーの運用を自社で行ってきました。
しかし、サーバー台数の増加に伴う保守・運用管理工数の増大や、働き方改革が進む中での情報システム部門の夜間・休日対応が課題となっていました。
そこで、横河レンタ・リースのITインフラ運用支援サービス Yellow Dash Support を導入し、サーバー機器の監視、バックアップ、OSアップデート管理などの業務をアウトソーシング。
情報システム部門の運用負荷を削減し、安定したITインフラの稼働を実現しました。
評価ポイント
サーバー運用業務の負荷を軽減
働き方改革を実現
サポート
鹿児島県で唯一上場している建設会社
1959年に南日本高圧コンクリート株式会社として創業したコーアツ工業さまは、コンクリート製品の製造・販売・施工やPC (プレストレスト・コンクリート) 橋梁の工事を手掛けてきました。
建設業では鹿児島県で唯一の上場企業として、南九州自動車道や東九州自動車道などの高速道路や九州新幹線といった大規模プロジェクトをはじめ、主に西日本を中心とした橋梁工事で豊富な実績を誇ります。
また、東北地方の建設現場や建設中のリニア中央新幹線 (JV) など、西日本以外のプロジェクトにも多数参画しています。
自社に合ったサポート先が見つからず、気づけばITインフラの自社運用に奮闘

コーアツ工業株式会社
執行役員 DX推進室室長
新屋 豊 氏
同社では、会計システム、人事給与システム、工事原価システム、販売管理・製造原価管理システムなどの業務系システムや、社内の情報共有用ファイルサーバーを、Windows Server と Hyper-V で構成された仮想化サーバー上で運用しています。
現在、4台の仮想化基盤上で約30台の仮想サーバーが稼働しています。
これらのサーバーの運用管理を自社で行ってきた経緯について、執行役員 DX推進室室長の新屋 豊氏は次のように語ります。
「サーバーやシステム導入時は SIer がサポートを行っていましたが、運用と簡単な設定は私自身が対応できたこともあって、自前で対応を続けていました。」
これまでも運用の外部委託を検討したことはありましたが、委託には至らなかったようです。
仮想化によるサーバーの増加で運用負担が増大
以前はオンプレミスの安価なサーバーを多数使用していたものの、仮想化によって4台のサーバーに集約しました。
「3台は福岡のデータセンターに、1台はバックアップ用として本社に設置しています。BCP対策として、データセンター内サーバーのバックアップを定期的に取得し、本社に送っています。仮にネットワーク障害が発生しても、本社側のサーバーを使って最小限の事業継続はできるようにしています」(新屋氏)。
仮想化によりハードウエアの運用負荷は軽減されたものの、今度は仮想サーバーが増えすぎたことが課題となりました。
新屋氏は、「パフォーマンスに問題がなければ、仮想サーバーの作成台数に上限がないため、オンプレミスで動作していたシステムやPCで稼働していたシステムを、更新のタイミングで仮想サーバーへ移行していきました。気がつけば台数は30台に達し、OSのアップデートやバックアップなどの運用負荷が増大していました」と振り返ります。
さらに、新屋氏が担当していた仮想ホストサーバー (仮想化基盤) の構築機会も少なくなり、他のメンバーへの構築や運用に関する基礎知識の継承が困難となっており、将来的な対策が必要でした。
横河レンタ・リースから Yellow Dash Support の提案を受け、すぐに導入を決意
運用の課題を解決するため、数年前からさまざまな SIer やベンダーに相談し情報収集をしていましたが、夜間や連休中の委託となるため条件に合う委託先探しは難航していました。
そのような折、以前より利用していたPCレンタルで取引のあった横河レンタ・リースの営業担当者から Yellow Dash Support の提案を受けました。
新屋氏は、「正直、Yellow Dash Support の話を聞いたときには、まさに探し求めていたものだと感じました」と当時を振り返ります。
「チケット制なので、業務範囲を細かく限定しない点が1番の魅力でした。また、夜間・休日などのメンテナンスが課題でしたが、それも解決できる点もメリットだと感じました。」
新屋氏はすぐに導入を決意し、社内決裁を経て2024年11月にサービスの利用を開始しました。
柔軟な対応と手厚いサポートで安心して任せられる
今回、コーアツ工業さまでは、サーバーOSのアップデート (ホスト・ゲスト)、月2回のサーバー機器の状態監視、仮想化サーバーの複製を基本の作業内容としています。
新屋氏は、「実際に運用開始後は柔軟に業務を振り替えていただけるなど、融通が利くことは非常にありがたく思っています。また、サポートしてくださるエンジニアの方ともしっかりと打ち合わせができるので安心できます」と評価します。
導入に関してもスムーズに進んだと新屋氏はいいます。
「自前で運用していたこともあり、ドキュメントは十分に整備されていませんでしたが、ログなどはしっかりと記録していたので、その情報を基に対応いただけて非常に助かりました。」
休日・夜間の作業ストレスから解放されバックアップ工数も8割軽減
導入効果について新屋氏は、「サーバーを停止せざるを得ないため土日や夜間に行う必要があったサーバーOSのアップデート作業から解放され、ストレスがなくなりました。また、バックアップ作業も8割はお任せしているので、工数も大幅に削減できました」と語ります。
さらに、導入前に想定していなかった効果も実感しているといいます。
「これまで自己流で運用してきたため、ベストな運用方法か判断しかねていましたが、サポートのエンジニアの方とやり取りすることで見直しができました。より効率的な方法を模索したり、新たな技術を導入したりすることで業務の質を向上させることができました」(新屋氏)。
クラウドシフトは進めつつも、コストの面からオンプレミスも残っていく

コーアツ工業株式会社
工務部工務課 工事サポート係
兼 DX推進室 DX推進課
課長代理 水迫 浩太郎 氏
今後のITインフラ、DXへの取り組みについて新屋氏は、「同様のクラウドサービスがある業務システムなどはクラウド化を進め、RPAによる自動化も推進しています。一方で、昨今のクラウドコスト上昇などを踏まえると、全てのクラウド化は難しいと考えています」と語ります。
その理由について、現場でのIT系サポートを担当する工務部工務課 工事サポート係 兼 DX推進室 DX推進課 課長代理の水迫 浩太郎氏は、「特に近年、施工写真のほか、BIM/CIM (建設の生産・管理で使われる3Dデータ) のデータを盛り込む必要があり、必要なストレージ容量が格段に増加している状況があります」と説明します。
新屋氏は、「特にストレージ容量を考えるとクラウドのコストパフォーマンスは良くないため、引き続きオンプレミスのサーバーを使わざるを得ません」と補足します。
最後に新屋氏は、「今後も横河レンタ・リースには、当社のニーズに合ったソリューションを提案していただきたいと思います。現在、非常に良好な関係を築けているので、引き続き情報提供や提案をお願いします」と期待を寄せました。
会社情報

会社名 | コーアツ工業株式会社 |
所在地 | 鹿児島県鹿児島市伊敷五丁目17番5号 |
資本金 | 13億1900万円 |
社員数 | 269名 (2024年9月末) | URL | https://www.koatsuind.co.jp/ |
- 記載の会社名・商品名は各社の商標または登録商標です。
- Cotoka™、データレスPC™、Flex Work Place (Passage、Passage Drive、Unifier Cast、AppSelf)、Simplit Manager™ は、横河レンタ・リース株式会社の商標または登録商標です。
- 記載事項は変更になる場合があります。
- 内容および所属・役職名などは取材当時のものです。