【情シスの工数削減】 Windows Autopilot を導入した方が良いこれだけの理由 前編

作成日:2021/08/16

お役立ちコラム

Windows Autopilot を導入した方が良いこれだけの理由 前編 情シスの工数削減


情シスが担う作業のひとつである、OS展開やセットアップ作業。

パソコンの台数が多いほど面倒な作業ですが、 Windows 10 は高頻度で更新されるため、セットアップ作業は欠かすことができません。

「 Windows Autopilot 」を利用することで、セットアップ作業の工数を大幅に削減できるだけではなく、テレワーク環境の構築も可能となります。

今回は Windows Autopilot について、前編と後編に分けて解説します。

Windows Autopilot とは

Windows Autopilot とは、クラウドによって Windows 10 の展開とデバイスのセットアップを効率的かつ自動的に行うことができるサービスです。

Windows Autopilot を活用することで Windows 10 の展開や設定が自動的に実行されるため、情シス部門の負担を軽減できるだけではなく、セキュリティーレベルを向上させることもできます。
また近年の状況に照らして考えると、テレワーク環境の構築にも貢献するでしょう。

ここでは Windows Autopilot について、従来の展開方法との違いや Windows Autopilot によって実現できることについて解説します。

従来の Windows 展開方法と課題

企業のような組織で安全にパソコンを利用したい場合、企業で定めたセキュリティーポリシーなどの要件に従い、同一の環境下でパソコンをセットアップ・運用することが求められます。

そのため企業の情シス担当者は、「キッティング」や「クローニング」と呼ばれる作業を行い、各デバイスを同様の環境にするためのセットアップを行います。

従来における一般的な Windows 展開方法は、次の通りです。

従来の Windows 展開方法
  1. 各種設定やセキュリティーポリシー、ドライバやアプリケーションなどの情報を持ったマスターイメージを作成する。
  2. Sysprep(シスプレップ)というツールによってパソコン内部情報の削除を行い、クローニングが可能な状態にする。
  3. クローニングツールなどを用いて、マスターイメージを各デバイスに展開する。

マスターイメージというひな形を各パソコンに当てはめることにより、大量のデバイスをある程度効率的にセットアップすることができるクローニングですが、 Windows 10 を最新の OS とする現代では以下のような課題に直面します。

  • Windows 10 は半期に一度の頻度で機能更新があり、更新の度にマスターイメージを切り替える必要がある。
  • ソフトウエア、ハードウエア共に入れ替えの機会が多くなっており、それに伴ってデバイスセットアップの頻度も高くなっている。
  • クローニングによりある程度効率的なセットアップが可能ではあるものの、高頻度のセットアップは情シスにとって負担が大きい。

Windows Autopilot の展開方法

従来の展開方法における課題を解決するのが、 Windows Autopilot による展開です。
Windows Autopilotでは、以下の手順でOSの展開を行います。

  1. デバイス情報やユーザー情報、プロファイルなどをあらかじめ登録する。
  2. 登録済みのデバイスをユーザーに渡す。
  3. ユーザーはデバイスを起動し、デバイス情報とユーザー情報の認証を行う。
  4. OS や設定、プロファイルが自動的に適用される。
Windows Autopilot の展開方法

簡単にいうと、ユーザーが箱からパソコンを出してインターネットにつないでログインするだけで、各企業向けにセットアップされたパソコンを使用することができます。

情シスの担当者はデバイスやプロファイルの登録などの作業が必要ですが、手動でOS展開を行うよりも手間がかかりません。
なんといっても情シス担当者が、パソコンの開梱(かいこん)作業からセットアップまでを行う必要がなくなることは、大きな工数削減に繋がるでしょう。

さらに Microsoft Intune を利用することで、より効率的にOS展開を行うことも可能です。

Windows Autopilot を利用することで、情シス担当者にもユーザーにも負担をかけることなく、簡単かつ効率的にデバイスのセットアップを行うことができます。

Windows Autopilot でできること

効率的なデバイスセットアップを可能にする Windows Autopilot ですが、大きく分けて以下の三つの作業が可能です。

  • 新しいデバイスのセットアップ
  • 既存デバイスのサポート
  • リセット

新しいデバイスのセットアップ、そのほか、Windows 7 や 8.1 が入っている既存のデバイスに最新バージョンの Windows 10 を展開することができます。
また、デバイスからアプリや設定の情報を削除し、元の状態にリセットすることも可能です。
なお新しいデバイスのセットアップ、その方法には、ユーザーがセットアップを行う「 ユーザー主導モード 」のほか、人間の操作を最小限に抑えた「 自己展開モード 」があります。

Windows Autopilot では、新規デバイスや既存デバイスのセットアップ、そしてリセットまで、セットアップに関する作業が一貫してサポートされています。

Windows Autopilot を利用する要件

OS展開の手間や工数を削除できる Windows Autopilotですが、利用するためには以下3つの要件を満たす必要があります。

  • OS 要件
  • デバイス要件
  • ライセンス要件

それぞれの要件について、以下で詳しく見ていきましょう。

OS要件

Windows Autopilot を利用するためには、 Windows 10 が必要です。
Windows 10 の中でも、以下のバージョンがサポートされています。

  • Windows 10 Pro
  • Windows 10 Pro Education
  • Windows 10 Pro for Workstations
  • Windows 10 Enterprise
  • Windows 10 Education
  • Windows 10 Enterprise 2019 LTSC

【参考】Microsoft Windows の自動操縦ソフトウエアの要件

デバイス要件

Windows Autopilot を利用するためには、 Windows Autopilot を使用してデバイスを出荷しているメーカーのデバイスを利用する必要があります。

利用可能なデバイスの製造元は以下のメーカーです。

  • acer
  • ASUS
  • DELL
  • dynabook
  • FUJITSU
  • Getac
  • HP
  • Lenovo
  • NEC
  • Panasonic
  • POSITIVO
  • Softchoice
  • Microsoft Surface
  • TAROX

ライセンス要件

Windows Autopilot を利用するためには、Microsoft が提供する特定のライセンスを取得する必要があります。
ライセンスが必要な理由は、 Windows Autopilot の利用に Windows 10 のほか Azure Active Directory や Intune などが必要となるためです。

必要なライセンス・サブスクリプションプランは以下のいずれかです。

  • Microsoft 365 Business Premium
  • Microsoft 365 F1、F3
  • Microsoft 365 Microsoft 365 アカデミック A1、A3、A5
  • Microsoft 365 Microsoft 365 Enterprise E3、E5
  • Enterprise Mobility + Security E3、E5
  • Intune for Education
  • Azure Active Directory Premium P1、P2
  • Microsoft Intune

【参考】Microsoft Windows Autopilot のライセンス要件

まとめ

前編では Windows Autopilot の内容と利用条件について解説しました。

Windows Autopilot とは、クラウドによって Windows 10 の展開とデバイスのセットアップを効率的かつ自動的に行うことができるサービスです。

Windows Autopilotを活用した OS の展開方法は、以下の通りです。

  1. デバイス情報やユーザー情報、プロファイルなどをあらかじめ登録する。
  2. 登録済みのデバイスをユーザーに渡す。
  3. ユーザーはデバイスを起動し、デバイス情報とユーザー情報の認証を行う。
  4. OS や設定、プロファイルが自動的に適用される。

Windows Autopilot を利用するためには、以下の要件を満たす必要があるため注意しましょう。

  • OS要件: Windows 10 の一部エディション
  • デバイス要件: Windows Autopilot に参加しているメーカーのデバイス
  • ライセンス要件: Windows 10 やAzure Active Directory 、Intune が利用可能なプラン

後編では Windows Autopilot を導入した方が良い理由と、利用時の注意点について解説します。

ニューノーマル時代のPC運用バイブル

当社でのPC運用管理ノウハウを詰め込んだ最新のニューノーマル時代のPC運用管理ガイドブックを無料ダウンロードいただけます。
Windows 10 でのPC運用管理の課題と対処方法や今後注目されているゼロトラスト、Autopilot などの最新技術についても当社のソフトウエア開発責任者の視点で詳しく解説しています。

お問い合わせ

お問い合わせ お問い合わせ

お気軽にお問い合わせください

ページの先頭に戻る