面倒な作業を外部へ委託する、最適な選定ポイント
作成日:2018/10/25
更新日:2026/02/13
IT担当者を苦しめるPCキッティング作業と運用業務。
働き方の変化は見直しのチャンスです。
PCの調達を経てまずIT担当者を苦しめるのは、ユーザー配備前のキッティング作業 (セットアップ作業) や配備後の運用業務ではないでしょうか。
今回はパソコンの初回キッティング作業や運用中にも発生している気づかない運用業務にも注目し、それを解決する外部ベンダーの選定方法についてご紹介していきます。
IT担当者の運用負荷は増加傾向にある
サイバー攻撃の高度化とDX推進がもたらすIT担当者への負荷増大
近年、企業を狙ったサイバー攻撃は高度化・巧妙化の一途をたどっています。
ランサムウエア被害や内部不正対策など、企業に求められるセキュリティー対策の水準は年々高まっています。
さらに、サプライチェーンや委託先を狙った攻撃も増えている背景から経済産業省は「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」を発表しました。
制度の整備により、企業は単に対策を実施するだけでなく、「適切に管理・運用されていることを証明できる体制」の構築が求められています。
今後は取引先選定の基準の一つとしてセキュリティー水準が評価される可能性もあり、自社の対策状況を可視化し、継続的に管理していく必要があります。
加えて、国全体でのDX推進の流れを受け、企業にもIT活用の高度化が強く求められています。
クラウド活用、ゼロトラストセキュリティーなど、IT環境はより複雑化しています。
こうした外部環境の変化に対応するため、IT部門の役割は拡大し続けています。
本来、IT部門は企業の競争力を支える戦略部門として機能することが期待されています。
しかし現実には、日々のキッティング作業や急な故障対応など、運用業務に多くの時間を割かれているケースも少なくありません。
外部環境の高度化に対して、内部の運用体制が追いついていない。
このギャップこそが、現在のIT部門が抱える大きな課題といえるでしょう。
キッティング作業と企業の現状
パソコンのキッティング作業 (ユーザーが使えるようになるまでのセットアップ作業) においては、IT担当者がまとめて実施し、ユーザーへ配布しているという企業が多いのではないでしょうか。
2020年以降のテレワーク普及により、出社日に合わせてキッティングを実施したり、ユーザーの自宅へパソコンを発送したりと、遠隔でのサポートなどの対応にかかる工数が増加しているケースも。
2025年1月に、従業員100名以上の企業1,030社を対象に実施したアンケート調査では、サイバー攻撃への対応に伴うセキュリティー対策や、問い合わせ対応などのヘルプデスク業務に次いで、32%の担当者が導入時の対応 (キッティング) に大きな負荷を感じていると回答しました。
(※2025年 マクロミル調査)
人手不足と業務増加の中で、ツール導入やアウトソースによる調整は現実的な選択肢となっています。
詳しくは、下記の資料にてご確認いただけます。
運用中に発生している見えない工数
パソコンの導入・運用に関わる業務は、表面上は「調達」「キッティング」「配備」といった単純な作業に見えます。
しかし実際には、日常業務の合間に発生する突発対応や、裏側で継続的に行われている管理業務など、多くの“見えにくい工数”が発生しています。
ここでは、PC運用の現場で日常的に発生している作業をあらためて整理してみます。
キッティング作業と拠点への配送まで
パソコンのキッティング作業にも、計画的なものと不定期 (急な依頼) があります。
1、新入社員、中途社員など計画的なパソコン調達と配備
2、現場ユーザーからの急なパソコン手配依頼
3、パソコンの故障などの急な故障交換依頼
初回のパソコン配備は計画的に準備を進めることができますが、ユーザーから不定期に発生するパソコン手配依頼や故障交換依頼は、通常業務を中断してでも優先的に社内対応するケースも多いのではないでしょうか。
さらに、キッティング後の配送手配や拠点との日程調整など、細かな調整業務も発生します。
こうした突発対応の積み重ねが、IT担当者の業務を圧迫する大きな要因となっています。
PCごとのマスターイメージ保管
一般的に企業での大量のキッティング作業の手法として各パソコンに1台マスター機を作成し2台目のパソコンへ同一PCイメージをクローニング (複製) するという手法を取るケースがあります。
この方法は効率的である一方で、別の管理負担も生じます。
1、機種ごとのマスターイメージ保管
2、セキュリティーパッチやアプリ更新に伴うイメージの更新
3、イメージのバージョン管理
PCの機種が増えるほど、保管すべきマスターイメージも増加します。
その結果、「どの機種にどのイメージを適用するのか」「最新状態はどれか」といった管理が煩雑になり、運用工数が膨らんでいきます。
機種・イメージ数を増やさないことも管理工数削減のポイントです。
代替え用の予備機管理
マスターイメージを保管・管理するとともに、イメージを展開するパソコン自体の予備機も一定数確保する必要があります。
多くのケースではパソコンの新規調達台数に応じて何%かの予備機台数も合わせて手配をされている企業多いと思います。
1、いつ・どれくらい必要になるか予測しにくい
2、保管スペースの確保が必要
3、長期間未使用によるバッテリー劣化や起動不良
4、利用後の清掃や再キッティング作業
といった課題が発生します。
「すぐ出せると思っていた予備機が使えなかった」「想定以上に余剰在庫を抱えていた」といった事態も珍しくありません。
予備機は安心材料である一方、管理対象としての負担も抱えています。
利用者からの問い合わせ対応
パソコンを運用する中で、利用者からの問い合わせ対応も大きな業務の一つです。
利用者からの問い合わせは下記の通りで、
1、不具合に関する問い合わせ
2、操作方法の確認
3、ソフトウエア利用に関する相談
など多岐にわたります。
特に、不具合発生時には、切り分けの実施やメーカーへの修理依頼、修理日程の調整、再キッティングなどパソコンが修理されるまで時間と手間がかかります。
保守未加入や保守対象外の場合には、「修理か買い替えか」の判断や、社内承認・発注処理といった追加業務も発生します。
こうした対応は一件あたりの工数は小さく見えても、年間で見ると大きな負担になります。
キッティング作業と委託ベンダーと選定ポイント
前章で記載した通り従来の運用だけでもキッティング作業や予備機管理に課題が多いのではないでしょうか。
特にセキュリティー強化やDX推進などの業務増大している中でも、入社時のキッティング対応や故障時のヘルプデスク対応などの業務量は変わらず、IT担当者の負担は年々増しています。
今後は、外部委託も視野に入れ、本業に専念できる体制へシフトしていきたいものですね。
ここからは業務委託をする外部ベンダーの特徴や選定ポイントについて触れていきたいと思います。
キッティングベンダーへ作業のみ委託する
パソコンは従来の独自ルートで安く調達し、キッティング作業は別の専門ベンダーに依頼するケースです。
キッティング専門ベンダーに依頼することで高品質の作業体制のもとで作業委託が可能です。
最近では物流・配送を専門とするロジスティックス系のベンダーもパソコン配送サービスメニューの1つとしてキッティング作業を請け負っているため、全国の配送と合わせて安心して依頼することができます。
ただしパソコン調達とは切り離している為、あくまで作業面でのスポット利用が多く、運用・サポート業務はパソコン配備が完了した後の運用は自社で対応するケースが多いでしょう。
PC調達ベンダーにキッティング作業やLCMサービスも合わせて委託する
パソコン調達ベンダーにキッティング作業もセットで依頼するケースです。
法人向けパソコン販売を担う大手ベンダーでは、IT機器の調達以外にも保守サービスをワンストップで提供し全国規模で展開しているので、運用体制も万全です。
キッティング作業費やサポート費用は別料金となりますが、パソコン調達以外に数千円の月額を支払うことで初期費用を抑えて、保守・運用サポートまでを委託することが可能です。
その企業に合わせたカスタマイズ運用にも対応し、パソコンのライフサイクル全般を委託することが可能です。
PCキッティングの自動化を利用する
Windows Autopilot などを使い、キッティング自動化する企業も増えています。
Windows Autopilot を活用することで、初期セットアップ作業の効率化やゼロタッチ展開が可能です。
Windows Autopilot の手順やポイントに関しては、下記の資料で手順を解説しています。
一方で、Windows Autopilot を運用するには、 Microsoft Intune 上でパソコンと利用者を紐づける行い、利用終了時には解除する必要があります。
また、登録作業や出荷管理、初期問い合わせ対応など、想定以上に運用負荷がかかるケースも少なくありません。
こうした運用負荷を軽減する方法として、 Windows Autopilot 登録済み端末のユーザー直送からヘルプデスク対応までをパッケージ化した「Cotoka™for PC」のようなサービスを活用する選択肢もあります。
Windows Autopilot 登録済みパソコンを直接ユーザーへ配送し、到着後すぐに利用開始できる体制を整えることで、社内キッティング作業・配送手配・初期問い合わせ対応といった業務の削減が可能です。
利用終了後は紐づけの解除も当社で実施します。
そうしたサービスを活用していくことも一つの選択肢といえるでしょう。
なお、 Windows Autopilot 以外にもキッティング自動化の手法はあります。
自社の体制や運用方針に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
『PCキッティングを自動化する方法とメリット・デメリットをあわせて紹介』でそれぞれの手法を解説しています。
レンタル会社の標準レンタルサービスを利用する
意外と見落とされがちな選択肢の一つが、パソコンの長期レンタル活用です。
一般的にはレンタル=短期利用というイメージですが、近年パソコンを取り扱うレンタル会社の標準サービスが向上し、レンタル在庫品の倉庫にキッティングラインを併設しクローニングサービスなどにも対応。
出荷前にお客さまの仕様に合わせたカスタマイズ作業に対応しています。 (キッティング作業費は初期費用)
また、初回契約時にキッティングをしてれば、故障時の代替機交換 (※標準サービス) にも初回作業時と同様の作業付きで、代替機が届きます。
レンタルを活用することで、社内の予備機を減らすことができ、予備機の清掃・修理のやり取りなどの工数を削減することができます。
こうしたレンタル会社の標準サービスをうまく活用し大幅に運用コストの削減を実現する企業も増えています。
またパソコンを導入する際には、機種やスペックの制約が課題に挙がることがよくありますが、大手レンタル会社であれば最新かつ豊富なラインナップのパソコンを大量に取りそろえているので、その中から問題なく選択することができるでしょう。
まとめ
サイバー攻撃の高度化やDX推進の加速により、IT部門に求められる役割は年々拡大しています。
その一方で、キッティング作業や予備機管理、問い合わせ対応といった日常的な運用業務は減ることなく、IT担当者の負担は確実に積み上がっています。
こうした“見えない工数”は一つひとつは小さく見えても、年間で見ると大きな時間とコストを消費しています。
今後重要になるのは、すべてを内製で抱え続けるのか、一部を効率化・自動化するのか、外部パートナーと役割分担するのか、をあらためて整理することです。
キッティング作業の外部委託、LCMサービスの活用、 Windows Autopilot による自動化、レンタルサービスの導入など、選択肢は広がっています。
大切なのは「価格」だけで判断するのではなく、どの業務を削減できるのか、IT部門の時間をどれだけ創出できるのか、という視点で検討することです。
PC運用を単なる“作業”として捉えるのではなく、企業のIT戦略を支える基盤として再設計することが、これからの時代には求められています。
自社の運用体制を見直し、最適な選択を行うことが、IT部門の価値をより高める第一歩となるでしょう。





