PMあるある (PMの愚痴 その2)

作成日:2021/10/18

お役立ちコラム

PMあるある (PMの愚痴 その2)

このコラムはプロジェクトマネジャー (以下PM) の日常をご紹介しています。
「あーっ、それってあるよね。」「もっとこうしたらいいのに。」「同じような悩みだなぁ。」など、PMあるあるを息抜きに楽しんでください。

ご紹介するプロジェクト (以下PJ) は実際のものですが固有名詞は仮名です。
また数値も一部変更していますのでご了承ください。
前回のコラムをお読みでない方はぜひ、PMの愚痴 その1 をご覧ください。 

PJ概要

  • 見積額:2,000万円
  • 開発期間:7カ月
  • 体制:3~5名 (フェーズにより増減)
  • 内容:受注情報、収支情報を記録参照する業務管理アプリ開発
  • 主な要素技術:C#、SQLサーバー、Web関連
  • 状況:業務管理アプリへ追加機能開発中

プロジェクトメンバーの紹介

  • PM(寺島学):業務管理アプリ開発PM。鹿児島出身48歳。
  • PM(秋田忠弘):流通業のシステム導入PM。東京出身。49歳。

寺島と秋田は共にバイク好きで同期入社の親友。
お互い業務が忙しく会う機会は減っていた。
今日は期初キックオフミーティング。
新型コロナウイルス感染拡大による2回目緊急事態宣言は解除されたところだが、密を避けるためマネジャー職以外はリモート開催となった。
ふたりは原宿の本社会議室で参加していたキックオフパーティーで軽く食事取った後、

裏原宿のショットバーで上司や部下には言えない日頃の愚痴を交えて会話が始まった。

PM (秋田)

すみません、お代わりください。同じヤツで。寺島は?

PM (寺島)

俺はやっぱりモルトでいこう。ロックでお願いします。

PM (秋田)

で、もう一方の件、デリバリー品質の維持向上はどうだった?

PM (寺島)

デリバリーのメンバーは新人や中途採用の加入でこの3年でグッと増えただろ。

PM (秋田)

あぁ、そうだな。俺はこの3年同じ顧客に同じチームメンバで対応しているのでニューフェース投入なしだけど、まぁ、たまたまなのだろう。

PM (寺島)

こっちはどの案件も2、3名は初めて一緒に仕事するメンバーだ。それまで同じメンバーで似た様な案件をこなして、暗黙の了解で意思疎通できたけど、新しいメンバーで仕事するようになって、そうはいかないな。

PM (秋田)

そりゃそうだ。いろんな事態を共有してきたメンバーだからお互いの考え方や行動が理解できるが、SEとして同じ職種でも新しい環境ではチームの慣習やルールはわからないものだ。でも新人は未経験だけに配属されたチームの慣習やルールは乾いたスポンジが水を吸収する勢いで身に着けていく。だけど経験ある人ほど、ましてやその経験で成功すればするほど自身のパラダイムは固まっていくから新しい慣習やルールを受け入れられない場合があるだろうな。

PM (寺島)

うん、パラダムを変えるのは成功してきた人ほど厄介だ。俺だって自信もって業務に就いている。そこで、お前のやり方は間違っている的なことを面と向かって言われたら俺だって反発姿勢とっちゃうよ。

PM (秋田)

メンバーに良かれと思って、これじゃダメだって一見否定的な発言するときはあるだろう。こっちは個人を否定しているんじゃなく、やり方や成果物の内容に関して指摘しているだけなんだがね。

PM (寺島)

その真意が伝わらずメンバーによってはパワハラと思われるケースってあるんじゃないのか?

PM (秋田)

自分じゃ気づいてないけどあるかもな。だけどそれがデリバリー品質にどう関係する?

PM (寺島)

パワハラは変な方向になってしまったけど言いたいことはシンプルさ。誰がどのチームに参加しようとも、会社としてデリバリー品質を担保するためプロセスと、それを支援するツールを整備しましょう、って話だ。

PM (秋田)

俺たちは成果物をブレークダウンしてメンバーに担当を割り振っている。成果物のイメージを伝え相手の理解を確認し、納期を指示して途中経過を確認するだろ。表現の違いがあるかもしれないけどPMがやっている本質は同じだ。

PM (寺島)

その表現の違いがだんだんチーム独自ルールや慣習を生んでいる。それ自体が決してダメではないけど、会社としての統一した基準や手順ではない。うちはまだ伸びるだろ。そうなれば新しい技術者がドンドン増える。同じ顧客は、PMを秋田がやっても俺がやっても同じ品質でシステムを提供してくれる安心感を得たいよな。だから今のうちに品質に関する策が必要だと思っている。

PM (秋田)

それって大規模なシステムインテグレータが持っているような品質管理システムを整備しよう、ってことか?

PM (寺島)

最終目標はそうだ。だけどうちのリソースでは日々のデリバリー業務に手一杯だから一気に整備できるとは考えていない。そこでテーマを決めて小刻みに品質管理システムの拡充していきたい。そんな思いを経営層にいろいろと話したんだ。

PM (秋田)

品質管理システムはこれまでも飲み屋で会話のネタとしてよく盛り上がってきな。だけど日々の業務はそんなモノなくても回っているから、nice to have、いつも後回しで具体的な動きナシだ。 で、経営層の反応は?

PM (寺島)

必要性は理解しているがリソースを割り当てるのは厳しい、って最初のお言葉だ。でも、言い出しっぺの寺島がいろんなアイデアを持ってそうだから一度品質管理システム導入の提案書を作って持ってきてくれ、と。

PM (秋田)

おぉ、そりゃいい話だ。宿題を抱える事になるけど会社として整備する気持ちありの言質が取れたのは大成功だよ。

PM (寺島)

そうなんだ。実は提案書の初版を作ったんだ。キックオフも終わったし1週間後に山田さんと一緒に経営層へ説明に行く予定だ。その提案書をあすメールするからちょっと見てくれないか?

PM (秋田)

もちろんOKだ。俺も興味あるし、コメントも入れておくよ。これを機に俺も品質システム導入に参加させてくれ。

プロジェクトにおける成果物の品質はPMやメンバーの技量に依存する点が多いです。
そこに会社として成果物の品質を担保できる仕組みがあると、顧客の安心感は高まりリピートオーダの確度が高くなります。
メンバーが少なければPMの目が届くので明文化した品質管理システムがなくても同等以上のチェックが働きます。
そのため品質管理システムの導入は重要である認識はありつつも、ルールと実践するためのツールを整備する必要があり、工数と費用がかかるため優先度は低くなります。
しかし会社が成長するためには品質管理システムの整備は避けて通れません。

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