Ryzen と Intel はどっちがいい?おすすめの用途を解説

作成日:2023/3/31

お役立ちコラム

Ryzen と Intel はどっちがいい?おすすめの用途を解説

こちらの記事では、Ryzen と Intel のおすすめの用途を解説します。
Ryzen と Intel のおすすめの用途や違い、それぞれの性能の特徴が把握でき、自社に適した PC を選定できるので、PC を導入するか悩んでいる方はぜひご覧ください。

Ryzen と Intel の違い

Ryzen と Intel の違いを、コア性能・消費電力の2つの観点から解説します。
Ryzen と Intel それぞれで特徴は大きく異なるので、どちらを選定するか悩んでいる方は、これからの解説をご参考ください。

Ryzen と Intel のコア性能の比較

コアとは、CPU の中核を担う演算回路で、コアの数が単一の「シングルコア」とコアの数が複数の「マルチコア」の2種類に分かれます。

Ryzen と Intel は、ともに「シングルコア」・「マルチコア」両方の CPU を製造していますが、Ryzen は「マルチコア」、Intel は「シングルコア」を得意としています。

マルチコアは、動画編集や配信、AI処理、画像のレンダリングといった複数のアプリケーションの同時使用に優れたコアです。
シングルコアほどの処理速度は求められませんが、複数のアプリケーションを効率良く動かせます。

シングルコアは、単一のアプリケーションの処理に優れており、単一の負荷の大きいアプリケーションを使うビジネスシーンや、ゲームプレイで高い性能を発揮します。

このように、Ryzen と Intel でコア性能が異なるため、これから導入する方は、どちらの方が自分の用途に合っているか見極めが重要です。
Excel や Word といったアプリケーションの処理速度の向上や、ゲームのスムーズな稼働を求める方は、シングルコア性能に優れた Intel がおすすめです。
一方で、複数のアプリケーションを効率よく稼働させて生産性を向上させたいクリエイターは、マルチコア性能に優れた Ryzen が適しているでしょう。

Ryzen と Intel の消費電力の比較

Ryzen は、Intel と比べて低い消費電力で運用が可能です。
Ryzen の方が省電力性に優れている主要因は、コア性能の違いです。
Intel が得意とするシングルコアは、単一のアプリケーションで処理速度を一度に急上昇させるため、比例して消費電力も上がってしまいます。

一方で、Ryzen が得意とするマルチコアは、処理速度がシングルコアほど早くはなく、複数のアプリケーションを効率的に起動できるので、消費電力は抑えられます。

実際に、Ryzen と Intel それぞれの最新モデルである Ryzen 7000シリーズと Core 13世代シリーズの最大消費電力を比較した結果が、以下のとおりです。

Ryzen 7000シリーズ Core 13世代シリーズ
Ryzen 9:88W~230W Core i9:106W~253W
Ryzen 7:88W~142W Core i7:106W~253W
Ryzen 5:88W~142W Core i5:82W~181W

上記の結果から、Intel の Core 13世代シリーズの方が消費電力の数値が高いことがわかります。
ランニングコストを抑えたい方は、消費電力にも着目しましょう。

Ryzen と Intel の CPU 性能比較表

Ryzen と Intel の CPU 性能を、コア・スレッド・クロック数・メモリ・GPUの5つの観点から、具体的な数値を用いて比較します。

コア数

CPU の中核を担う演算回路であるコアは、数が多いほど PC が一度に処理できる作業が増えます。
そのため、CPU の処理性能を見極める上で重要視すべき指標のひとつです。

Ryzen 7000シリーズと Core 13世代シリーズのコア数を比較した結果が、以下のとおりです。

Ryzen 7000シリーズ Core 13世代シリーズ
Ryzen 9:12~16コア Core i9:P-8コア E-16コア
Ryzen 7:8コア Core i7:P-8コア E-8コア
Ryzen 5:6コア Core i5:P-6コア E-コア4~8コア

Intel は、消費電力の削減を目指し、第12世代から性能を重視した従来の「Pコア」と、電力効率を重視した「Eコア」の2種類のコアを搭載しました。
Pコアのみで見てみると、両者ほとんど同じ数値ですが、最上位モデルの Ryzen 9 と Core i9 を比較すると、Ryzen が上回っています。
そのため、複数の作業を同時並行で行いたい方には、Ryzen がおすすめです。

消費電力を抑えつつ、単一の作業を高速で行いたい方は、Intel が向いているといえるでしょう。

スレッド数

スレッド数とは、同時に処理できる命令の最大数のことです。
コア数とセットで語られることが多く、例えば、10コア / 20スレッドというCPU の場合、同時に処理できる命令数は10ですが、負荷の少ない命令で CPU に余裕があれば、1つのコアで2つの命令を処理し、最大で20の命令を同時に処理できることを表しています。

Ryzen 7000シリーズと Core 13世代シリーズでスレッド数を比較した結果が、以下のとおりです。

Ryzen 7000シリーズ Core 13世代シリーズ
Ryzen 9:24スレッド~32スレッド Core i9:32スレッド
(Pコアのみの場合:16スレッド)
Ryzen 7:16スレッド Core i7:24スレッド
(Pコアのみの場合:16スレッド)
Ryzen 5:12スレッド Core i5:16~20スレッド
(Pコアのみの場合:12スレッド)

スレッド数の総計で見ると、Eコアが搭載されている分、Intel が上回る結果でした。

ただし、Eコアは従来のPコアよりも省電力性に特化しており、処理性能は劣るため、Pコアのみで見てみると、Ryzen 9 が Core i9 を上回ります。
以上の結果から、複数作業の同時並行は、Ryzen の方が向いていることがわかります。

クロック数

クロック数とは、データの処理速度を表す CPU の指標のひとつです。
単位はHz (ヘルツ) で表され、クロック数が大きいほど、処理性能が高いです。

Ryzen 7000シリーズと Core 13世代シリーズで、最大ブーストクロックを比較した結果が、以下のとおりです。

Ryzen 7000シリーズ Core 13世代シリーズ
Ryzen 9:5.4GHz~5.7GHz Core i9:5.3GHz~5.8GHz
Ryzen 7:5.3GHz~5.4GHz Core i7:4.9GHz~5.4GHz
Ryzen 5:5.1GHz~5.3GHz Core i5:ー

クロック数においては、両社で大差はありませんでした。
クロック数は、データの処理速度を表す指標ですが、処理性能を比較する際はクロック数だけでなく、コア数やスレッド数などの処理できる容量を表す指標もあわせて確認し、総合的に判断しましょう。

メモリ

Ryzen と Intel は、対応しているメモリ規格も異なります。
Core 13世代シリーズは、DDR4とDDR5両方の規格に対応していますが、Ryzen 7000シリーズは、DDR5にしか対応していません。
DDR5は最新のメモリ規格で、DDR4からメモリ帯域幅が大幅に上昇しており高性能な分、DDR4よりも高価です。
Core 13世代シリーズの方が選択肢も増えるため、コストを抑えて導入したい方は、両社の性能だけでなく、価格にも注目して比較してみましょう。

GPU

内蔵 GPU の観点からも比較していきます。
CPU によっては、GPU を搭載していないモデルもあるため、ゲームプレイやデザイン制作などの業務でグラフィック性能を重視したい方は注意が必要です。

Ryzen 7000シリーズと Core 13世代シリーズの内蔵 GPU を比較した結果は、以下のとおりです。

項目 Ryzen 7000シリーズ Core 13世代シリーズ
内蔵GPU名 Radeon Graphics インテル® UHD グラフィックス770
内蔵 GPU の有無 全てのモデルに搭載 一部モデルで非搭載

Ryzen 7000シリーズは、全てのモデルに内蔵GPUが搭載されています。

一方で、Core 13世代シリーズには、品番の末尾に「F」が付く「内蔵グラフィック非搭載モデル」があります。
自分でグラフィックボードを選定・搭載したいゲーマー向けのモデルであるため、導入する際は注意しましょう。

価格

価格については、Ryzen の方が安価な傾向にあります。

主な理由は、Ryzen は生産を外部に委託して、複数のチップを1つのダイに乗せて生産することでコストを抑えているのに対し、Intel は自社工場で生産しているためです。

ただし、近年のモデルはほぼ同等の価格で、Ryzen の方が高価であるケースもみられます。

そのため、一概に Ryzen の方が安いとは言えませんが、前述のとおり、Ryzen は Intel と比べて低い消費電力で運用が可能なため、少しでもコストを抑えたい方には、Ryzen がおすすめです。

AMD Ryzen シリーズと Intel Core iシリーズの Windows 11 への対応比較

AMD Ryzen シリーズと Intel Core iシリーズの Windows 11 への対応を比較します。
AMD Ryzen シリーズは、Ryzen 2000シリーズから最新の Ryzen 7000まで幅広く Windows 11 に対応しています。
詳しくは、Microsoft の公式サイトの Windows 11 でサポートされている AMD プロセッサ から確認可能です。

一方で、Intel Core i シリーズは、各シリーズの8世代から最新の13世代まで対応しています。
Intel Core i シリーズについても、詳しい Windows 11 への対応状況は、Microsoft の公式サイトの Windows 11 でサポートされている Intel プロセッサ から確認できるので、これから Windows 11 を導入する方はご覧ください。

Ryzen と Intel はどっちがいい?

Ryzen と Intel それぞれの特徴を踏まえて、具体的な用途別にどちらがおすすめか解説します。

すでに用途が決まっている方は、これから解説する内容をご参考ください。

プログラミングや科学技術計算なら Ryzen

プログラミングや科学技術計算には、Ryzen がおすすめです。
プログラミングを実装する際には、ソースの書き込み・変更と動作確認の反復作業が発生しますが、Ryzen のマルチコア性能を活かすことで、ビルド時間が短縮でき、効率的に仕事ができます。
科学技術計算においても、複数のアプリケーションを用いて大量の演算を行うため、シングルコア性能にたけた Intel は向いていません。

また、そのほかの複数のアプリケーションを用いる画像・動画編集やレンダリングといったクリエーティブな作業でも、Ryzen であれば快適に同時並行で作業できます。

ゲームなら Intel

ゲームに使うなら Intel がおすすめです。
Intel の方がシングルコア性能に優れているため、処理速度を落とさずに、快適にプレイできます。
第13世代Coreシリーズは、前世代からゲーム性能が大きく向上しており、Core i3 や Core i5 などの下位モデルでも、ゲーム用としては十分な性能を発揮してくれます。
ゲームプレイと一緒に配信をしたい方は、マルチコア性能が向上している Core i7 や Core i9 などの上位モデルがおすすめです。

また、Intel の内蔵グラフィック非搭載モデルを導入すれば、自分好みのグラフィックボードを PC に搭載できる点も、ゲームに Intel をおすすめする理由のひとつです。
Ryzen は内蔵グラフィックが搭載されているモデルがほとんどであり、搭載していないモデルとなると、世代が古く、CPU 全体の性能が低いため、おすすめはできません。

テレワークやオフィス作業などのビジネスなら Intel

Intel は、テレワークや通常のオフィス作業といったビジネスシーンでの使用にもおすすめです。
Intel の CPU は、高品質なノイズ除去フィルターのオープンソース・ライブラリーである「オープン・イメージ・デノイズ」に対応しているため、オンライン会議の「 Teams 」を快適かつ低消費電力で使用できます。

また、Intel はシングルコア性能に優れているため、Office ソフトを使った作業も高速化が期待でき、作業効率の向上を狙えます。

まとめ

こちらの記事では、Ryzen と Intel のおすすめの用途や性能差について解説しました。
ゲームやテレワークでの利用であれば、シングルコア性能に優れた Intel がおすすめです。
また、複数のアプリケーションを用いて大量の演算を行うプログラミングや科学技術計算処理であれば、マルチコア性能に優れた Ryzen がおすすめです。
PCの導入方法には、購入だけでなく今回ご紹介したレンタルPCもあるので、導入コストを抑えてPCを利用していきたい方は、ご検討ください。

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ビジネス利用での Intel 製PCの導入を検討している方は、レンタルPCがおすすめです。

レンタルPCであれば、購入よりも導入コストを抑えられるため、自社での一斉導入を検討している企業におすすめです。
また、利用終了時のPCの廃棄処分やデータ消去も不要なので、手間とコストを抑えて利用可能です。

当社は、レンタル保有資産100万台の豊富な在庫があります。
今回ご紹介した Intel のPCも幅広く取りそろえておりますので、お気軽にお問い合わせください。
また、レンタル期間は1週間から最長5年まで、短期から長期まで幅広く対応しているので、お試しやアプリケーションの動作検証などにもご利用できます。

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