身近な美化活動から【SDGs】を考えてみませんか?

作成日:2022/12/01
更新日:2023/11/28

お役立ちコラム

身近な美化活動から【SDGs】を考えてみませんか?

以前のコラムでも取り上げた、個人レベルでできる SDGs への取り組みですが、今回は筆者の身近なところで河川の美化活動が実施されるとのことで、実際に参加した体験記とともに、個人レベルの活動がどのようなSDGsへの効果をもたらすのかを考えてみました。

日頃お世話になっている「荒川」に何か恩返しをしたい

筆者の住まいからは荒川と墨田川が見えるのですが、特に荒川には日頃から親子ともども何かとお世話になっています。
荒川は、明治43年の大洪水をきっかけに大規模治水事業が行われるようになったのですが、おかげで河川敷が広くつくられており、地域によっては親水公園が整備されるなどして、近隣住民の憩いの場となっています。
筆者の娘は、それこそ歩き初めのころから河川敷を散歩したり、自転車の練習をしたり、ボール遊びやスケートボードなど、天気のいい週末にはのびのびと遊んでいます。
もはや、荒川に育てていただいたといっても過言ではないかもしれません。

実際に、秋ヶ瀬取水堰で取水される飲料水は埼玉県民約430万人、東京都民約1250万人、合わせて約1680万人の飲み水として供給されています。
もし、荒川の水が飲めなくなったら、考えるだけで恐ろしいですね。
そんな訳で、日ごろお世話になっている荒川に、何かしら恩返しをしなければと思い立った訳です。
そこに、タイミングよく「ふるさと清掃運動会」の皆さんが誰でも参加できる荒川の美化活動を行われるということで、一念発起、参加しました。

「ふるさと清掃運動会」とは?

まずは、いろいろな美化活動を行われている「ふるさと清掃運動会」についてご紹介します。
ふるさとの山、川、海、湖沼、街など身近なところから環境アクションを起こそう !
ボランティアでの美化活動は、楽しくなければ継続できない、との思いから「ふるさと清掃運動会」として命名されたそうです。

スタートは2007年から、スタッフとして学生ボランティア企画集団NUTSも当初から参加しているとのことで、2022年でなんと16年目。
そして、活動への参加人数は、およそ27万人。
実行委員会は市民団体、企業、学生ボランティアなどで構成されているそうです。
活動内容など以下のWebページからご確認いただけます。
興味のある方はぜひご覧ください。

「荒川でちょっといいことゴミ拾い」をやってみた

10月29日 (土) 午後、「荒川でちょっといいことゴミ拾い」というイベントに参加しました。
実施場所は、東京都足立区の荒川河川敷、集合場所は千住新橋 (南詰) の下、北千住駅西口より約1.5km、徒歩で約20分の場所でした。
集合場所に到着すると、すでに100人以上の方が集まっており、大きな横断幕やのぼり旗が立てられていたので、初参加でしたがスムーズに受付することができました。

しばらくして、開会式の後、いよいよ実際の清掃活動をスタートとなりましたが、まずは清掃場所への移動です。
グラウンドとグラウンドの合間の通路から、事前に実行委員の皆さんが作られた通り道を抜けて、川岸の葦原の中へ分け入ってゴミ拾いを行います。

河川敷の清掃ということで、グラウンドや道路脇の清掃を思い浮かべる方も多いと思いますが、実際にやってみるとびっくりというか納得というか、本当に多種多様なゴミが落ちていました。
代表的なところでは、お弁当などの容器類、コンビニのレジ袋、ペットボトルにカン・ビンはもちろん、中身が不明な一斗缶までありました。
プラスチック系のゴミは、雨などで増水した際に海まで流されながら徐々に細かくなって行き、やがてはマイクロプラスチックとなります。

およそ1時間半で集めたごみの量は、可燃ゴミが58袋、ペットボトルが50袋 (約1500本)、カン・ビンが31袋、その他に粗大ごみとしてエンジン、フライパン、灯油缶、などなど。
これらが荒川やその先の東京湾まで流れ出していたかと考えると、なかなかにゾッとするものがあるのではないでしょうか。

海洋プラスチックごみ問題について

環境省が令和2年に公開した「環境・循環型社会・生物多様性白書」によれば、1950年以降に世界中で生産されたプラスチックの量は83億トンを超えているそうです。
もちろん、生産の増大に伴って廃棄量も増えていて、およそ63億トンがゴミとして廃棄されたと言われています。
このままのペースで行くと、2050年までに250億トンのプラスチック廃棄物が発生、120億トン以上のプラスチックが正しく処理されず、埋め立てや自然投棄されてしまうと予測しています。

また、2018年6月に発表されたUNEP (国連環境計画) の報告書によれば、2015年時点での世界のプラスチック生産量を産業分野別に見ると、包装 (容器) 分野のプラスチック生産量が最も多く、全体の36%を占めているとされています。
箱、袋、ケース、そしてペットボトルなど、まさに荒川の川岸で集めたゴミそのものです。

※引用元:環境省 令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第1章第3節 海洋プラスチックごみ汚染・生物多様性の損失

外務省 国連環境計画 (United Nations Environment Programme (UNEP) )

身近な日本国内の取り組み

国内の取り組みとしては、2019年5月に開催された「海洋プラスチックごみ対策の推進に関する関係閣僚会議」において、「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」を策定しています。
事業者はもちろん、民間団体、国、地方公共団体、国民など、すべての者が当事者意識を持って真摯 (しんし) に対策に取り組んでいくことを求めています。
もちろん、SDGsにかなうことを前提としているので、経済活動の制約ではなくイノベーションが求められており、プラスチックを有効利用することを前提としつつ、新たな汚染を生み出さない事を目指して以下のような取り組みを定義しています。

  1. まず、廃棄物処理制度によるプラスチックごみの回収・適正処理をこれまで以上に徹底するとともに、ポイ捨て・不法投棄及び非意図的な海洋流出の防止を進める。
  2. それでもなお環境中に排出されたごみについては、まず陸域での回収に取り組む。
  3. さらに、一旦海洋に流出したプラスチックごみについても回収に取り組む。
  4. また、海洋流出しても影響の少ない素材 (海洋生分解性プラスチック、紙など) の開発やこうした素材への転換など、イノベーションを促進していく。
  5. さらに、我が国の廃棄物の適正処理などに関する知見・経験・技術などを活かし、途上国などにおける海洋プラスチックごみの効果的な流出防止に貢献していく。
  6. 世界的に海洋プラスチック対策を進めていくための基盤となるものとして、海洋プラスチックごみの実態把握や科学的知見の充実にも取り組む。

1と2については、まさしく、いま私たちが「当事者意識を持って真摯 (しんし) に対策に取り組まなければならない課題」であると言えるでしょう。

引用元:環境省 海洋プラスチックごみ対策アクションプランの概要

まとめ

今回は、筆者が実際に参加した身近な美化活動「荒川でちょっといいことゴミ拾い」を中心に、マイクロプラスチック問題、海洋プラスチックごみ問題についてまとめてみました。
筆者には5歳の娘がいるおかげで、何かと娘の足元周辺を気にする機会が多く、ちょっとしたゴミにも気が付いたりします。
よほどのものでなければ、持ち歩いている (もちろん使いまわしの) ビニール袋に拾い、分別してゴミ箱へ捨てるようにしています。
以前は気にもとめていなかったことですが、大切な人の周りを、手の届く範囲だけでもキレイに保ちたいと思うだけで、行動の変容は起こります。
個人ができることは本当にわずかですが、その積み重ねこそが未来を変える力となるのではないでしょうか。
「千里の道も一歩から」、まずは自宅の玄関前から始めてみるのも良いと思います。

おまけ

当社では、ハイブリッドIT環境においてどこでもサーバー管理ができるデジタルタッチポイントサービス「 Yellow Dash Support 」を展開しています。
このサービスではITインフラに関する情報を一元管理する Yellow Dash 構成管理も提供しています。

筆者

娘とカミさん大好きマン (横河レンタ・リース株式会社 営業統括本部 ITS&システム営業推進本部 システム営業技術支援部)

主な業務は、構成支援、問い合わせ対応、コラム・メルマガ作成など。
まな娘と、ビールと、ラウドミュージックと、もちろん妻も愛してやまない、アラフィフパパです。

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