Excel 関数「COUNTIF」「COUNTIFS」の違いと使い分け

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「COUNTIF関数」と「COUNTIFS関数」がありますが違いは何ですか?

どちらも『条件に合ったセルの数を数える』という関数だけど、末尾に複数形の「S」が付く「COUNTIFS」は複数の条件にも対応できる関数といったところね。

だったら「COUNTIFS関数」だけあればいいのでは?

それはそうだけど条件が一つだけの場合は結構あるから、名前だけで単一条件と分かるシンプルな構文の関数はあったほうがいいと思うわ。

確かに「COUNTIFS関数」の構文は「COUNTIF関数」より文字数が多いので分かりにくいかもしれませんね。

といっても文字数が多いだけで、実際に使って慣れたら難しくないわよ。

説明

「COUNTIF関数」の構文は以下の通り。

COUNTIF(範囲, 検索条件)

引数の役割は

  • 範囲 (必ず指定):数えるセルのグループ。 範囲には、数値、配列、名前付き範囲、参照が入る。空の値とテキスト値は無視。
  • 検索条件 (必ず指定):個数の計算対象となるセルを決定する条件を数値、式、セル参照、または文字列で指定。

たとえば検索条件は、数値なら「32」、比較演算子なら「">32"」、セル参照なら「B4」、文字列なら「"リンゴ"」といった具合に指定します。

「COUNTIF関数」の「関数の挿入」画面での説明文は

『指定された範囲に含まれるセルのうち、検索条件に一致するセルの個数を返します』

となっています。

次に「COUNTIFS関数」の構文は以下のようになります。

COUNTIFS(条件範囲1, 検索条件1, [条件範囲2, 検索条件2], ...)

引数の役割は

  • 条件範囲1 (必ず指定):対応する条件により評価の対象となる最初の範囲を指定。
  • 検索条件1 (必ず指定):個数の計算対象となるセルを定義する条件を数値、式、セル参照、または文字列で指定。
  • 条件範囲2, 検索条件2, ...:追加の条件範囲と対応する検索条件のペアで省略できる。最大 127 組の範囲/条件のペアを指定可能。

追加の条件範囲がある場合、"条件範囲1"で指定された範囲と同じ数の行、あるいは列が設定されている必要があります。
「COUNTIFS関数」の「関数の挿入」画面での説明文は以下の通り。

『特定の条件に一致するセルの個数を返します』

「COUNTIF関数」の説明文より短くなっています。

具体例があったほうが理解しやすいので、簡単な例として 3人の生徒による 3科目のテスト結果の点数表があるとしましょう。

このすべての点数から「100点の数」を調べるには

=COUNTIF(B2:D4,100)

と入力すればいいことになります。

これを確定すると「1」と表示され、100点はひとつだけと分かります。

つまり指定された (ひとつの) 範囲の中に含まれる、条件に一致したセルの数を数えて (カウントして) いるわけです。

一方で「3人とも 60点を越えた科目の数」を調べるには

=COUNTIFS(B2:B4,">=60",C2:C4,">=60",D2:D4,">=60")

と入力することになります。

これを確定すると「2」と表示され「3人とも 60点を越えた科目」は「国語」と「英語」の2科目というわけです。

この場合は、指定された範囲の中に含まれる条件 (複数でも構わない) に一致したセルの数を数えているのです。

ちなみに「COUNTIFS関数」は、2つ目以降の条件となる「条件範囲2, 検索条件2, ...」は省略可能なので

=COUNTIFS(B2:D4,100)

も成り立つし、結果も「COUNTIF関数」のときと同じで「1」となります。

このように「COUNTIFS関数」は「COUNTIF関数」を兼ねることができますが、関数名から条件が一つと分かるシンプルな関数もあったほうが便利です。

執筆者: 林 俊二

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