HPE Synergy検証レポート2

「HPE Synergy」の進化を横河レンタ・リースが実機で検証
HPE BladeSystemからの注目すべき3つの変化とは?

ハードウエア構成作業はすべてOneViewで実行可能

 注目すべき進化として次に伊藤が挙げるのが、管理ツールが「OneView」に統合されたことである。
「OneViewはSynergyがリリースされる前から提供されていましたが、BladeSystemでは機能や購入形態毎に個別のツールが存在しており、ユーザーインターフェースも異なっていました。そのためそれぞれの役割や利用方法、ツール間の依存関係等を理解する必要があり、管理方法をマスターするための学習に多くの時間を費やしていたのです。またツール間で重複する機能もあるため、それらの関連性を知っておくことも求められました」。
その大変さは、実際のサーバー立ち上げのシナリオに沿って説明すると、理解しやすいはずだと高橋はいう。
その一例として、BladeSystemでOneViewを使用せずに HPE 3PAR StoreServにボリュームを作成し、それをSANスイッチでゾーニングし、Virtual Connectでサーバーブレードに接続してSANブート設定を行うケースを見ていこう。

BladeSystemのサーバー管理
BladeSystemのサーバー管理。機能や購入形態毎に異なるツールを使用する必要があり、各ツールの学習が必要だった。

 まずHPE 3PAR StoreServにボリュームを作成するには、HPE 3PAR StoreServ Managemento Console(SSMC)というツールを使用する。次にゾーニングを行うにはSANスイッチのツールを使う必要があるが、これも使用する製品によってツールが異なっており、ブロケード製品であれば「Brocade Network Advisor」を使うことになるという。Virtual Connectの設定は「HP Virtual Connect Enterprise Manager(VCEM)」から行う。作成されたボリュームにブートイメージを作成するには、「HPE Insight Control Server Provisioning(ICsp)」を使用。そしてサーバーブレードを起動してBIOSでファイバチャネルの設定を行うことで、このイメージからのブートが可能になる。

BladeSystemでは半日かかっていたサーバー立ち上げが10~20分で完了

Synergyのサーバー管理
Synergyのサーバー管理。すべての作業をOneView上で行えるようになっている。

 これに対してSynergyでは、一連の作業をすべてOneViewで行える。その具体的な作業例をみていこう。

画面イメージ

 まずプロファイルを作成し(画面1)、その中で接続先を設定する(画面2)。次に論理ドライブを作成し(画面3)、ボリュームを追加(画面4)。そしてブート設定を行えば完了だ(画面5)。すべて一貫性のあるユーザーインターフェースで作業が行えることがわかる。なお、すでにプロファイルが作成されている場合には、それを適用するだけでいい。
「BladeSystemでは一連の設定作業を行うのに1~2時間程度必要であり、BIOSの設定をサーバー設置場所で行う必要があるため、その移動時間も含めれば半日仕事になってしまいます」と高橋。これに対してSynergyは現地に行く必要がなく、リモートで10~20分程度で作業を完了できるという。「OneViewのユーザーインターフェースも、以前よりシンプルになりました。以前のツールは慣れが必要でしたが、今のOneViewは作業項目がグルーピングされた状態で一覧表示されるため、ハードウエア構成の基本的な知識があればツールの学習を行うことなく、何をすべきかがすぐにわかります」。

OneViewはAPIが公開されており、ChefやAnsibleから利用することも可能
OneViewはAPIが公開されており、ChefやAnsibleから利用することも可能。これによってハードウエア構成の自動化も実現できる。

 さらにOneViewはAPIが公開されており、ChefやAnsible等から利用することも可能だ。これによってハードウエア構成の自動化を推進することも可能になると伊藤は指摘する。

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