HPE InfoSight実機検証レポート

クラウド上の機械学習で高可用性を実現するHPE InfoSight
HPE 3PAR StoreServでの利用に関して実機で検証

HPE 3PAR StoreServでも利用可能になったHPE InfoSight

 ミッドレンジのストレージアレイとして、業界No.1※1 の評価を獲得している「HPE 3PAR StoreServ」。数テラバイト程度の小規模構成から導入でき、同一アーキテクチャーで最大20ペタバイトを超える規模にまで増強できる拡張性は、ミッドレンジだけにとどまらず、ハイエンドストレージへの要求にも応えることのできるポジショニングを確立しているといえる。これによって数多くの企業が、サイロ化されたストレージの問題を解決し、システム全体のシンプル化にも大きな貢献を果たしてきた。日本企業でもこのストレージ製品は、数多く導入されている。
 このような企業にとって、2018年はエポックメイキングな年だったといえるだろう。2018年11月、HPEはこのストレージ製品の新機能の1つとして「HPE InfoSight」の追加を発表したからだ。
 HPE InfoSightとは、顧客のシステムインフラの稼働状況に関するデータをクラウドへと収集し、それを人工知能(AI)で分析するという機能だ。データ収集の対象となるセンサー数は膨大で、全世界から一日に集まるセンサーデータは数千万規模に達するといわれている。これらのデータをAIで分析することで、顕在化する前に防策を講じることで問題を回避し、グローバルに展開されている他のシステムで同じ問題が起きないようにしているのだ。

HPE InfoSightとは?

 HPE InfoSightは、もともとはフラッシュストレージを販売するNimble Storage社が提供していた予測分析プラットフォーム。HPEは2017年3月、同社を10億ドルで買収すると発表、同年11月に買収後の統合を完了している。これに伴い、HPEブランドとしてのNimble Storageの新製品とサービスを発表。この時にInfoSightもHPE製品群のラインアップに加わったのだ。

※1IDC WW Disk Storage Systems Tracker CQ4 2016、2017年3月。

利用企業にとって大きなメリット、その一方で移行の不安も

 「すでにHPE InfoSightはHPE Nimble Storageで高い実績を持っており、ネットワークに接続された世界中の導入済み製品から集めたセンターデータ を毎秒分析し、ストレージからアプリケーションへの問題を予測し解決しています。」と語るのは、横河レンタ・リース システム事業部 商品企画部で担当部長を務める青木 利行。1台のアレイから収集されるセンサーデータ量は、1日あたり3千万~7千万に上るという。「これだけ膨大なデータを機械学習し傾向分析などを行うことで、高度な予測分析モデルが作成されています。これによって予測分析を行うことで、ダウンタイムの極小化はもちろんのこと、障害発生時の対応工数も最小化できるようになります。」

横河レンタ・リース株式会社 青木 利行

 また、HPE InfoSightが提供するポータルを活用することで、システムインフラの見える化も容易になると言及。ハードウエアはもちろんのこと仮想マシン(VM)まで含め、稼働状況が直感的にわかりやすい形で表示されるため、ストレージのスキルや知識がないユーザーでも、将来の増設計画などを立てやすくなるのだという。

 これがHPE 3PAR StoreServでも使えるようになったことは、この製品のユーザー企業にとって朗報だといえるだろう。しかもHPE 3PAR StoreServのソフトウエアをバージョンアップするだけで、HPE InfoSightに対応できるのである。ただし、HPE 3PAR StoreServ向けのHPE InfoSightは、HPE Nimble Storage向けのものとは若干異なっていると当社青木は指摘する。また、従来からHPE 3PARでもリモートサポートは提供されており、これをHPE InfoSightに対応させた場合のリスクについて、不安を感じているケースも少なくないという。

 「HPE 3PAR StoreServ向けのHPE InfoSightに関しては、HPEから資料が提供されていますが、このような疑問点や不安に答えられるユーザー目線での資料がありませんでした。そこで今回当社では、HPEの協力のもと、HPE InfoSightに関する実機検証を行うことにしたのです。」

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