ITフレッシャーズシリーズ ~仮想化技術編~

IT基礎知識

サーバー・インフラ管理

公開:
2024/04/03
知って得する!お役立ちコラム

IT技術の進化によって、企業が利用するITインフラは年々高度化し複雑化しています。
一方で、ITインフラを支える物理的なリソース (サーバー、ストレージ、ネットワークなど) は限られています。

このような状況下で、限られたリソースを効率的に活用し、インフラを最適化するための技術が「仮想化技術」です。
本コラムでは、ITインフラを語る上で欠かせない仮想化技術について、基礎から最新動向までをわかりやすく解説します。

仮想化技術とは

仮想化技術とは、1つの物理リソース (CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークなど) を主にソフトウエアで論理的に分割し、複数の仮想リソースとして使えるようにする技術です。
物理リソースを共有しながらも、それぞれの仮想環境は独立して動作するように制御されています。

例として、サーバー仮想化を見てみましょう。
1台の物理サーバー上で複数の仮想サーバー (VM:Virtual Machine<仮想マシン>と呼ばれる) が動作しているかのように見えます。
しかし実際には、1台の物理サーバーのリソースを仮想化ソフトウエア (ハイパーバイザー) により分割し、あたかも複数のサーバーが存在するかのように活用しています。

実は仮想化の考え方は意外と古く、1960年代の大型コンピューターで使われていたTSS (タイムシェアリングシステム) が源流とも言われています。
これはコンピューターのCPUの利用時間を細かく分けて、1台の大型コンピューターを複数のユーザーが使えるようにする技術です。
その後、技術の大幅な進化で、PCレベルでも仮想化技術が使えるようになり、現在のように幅広く普及する技術となりました。

主な仮想化技術

仮想化技術には、主にサーバー、ストレージ、ネットワーク、デスクトップの4つの種類があります。

  • サーバー仮想化
    1台の物理サーバー上で稼働するハイパーバイザーによって、複数の仮想サーバー (VM) を動作させることができます。
    VMごとにOSをインストールでき、あたかも独立したサーバーが存在するかのように利用可能です。
    主なハイパーバイザーとして、ESXi (VMWare)、Hyper-V (Microsoft)、AHV (Nutanix) などがあります。
  • ストレージ仮想化
    複数のストレージデバイス (HDDやSSDなど) を1つの論理ストレージとして統合・階層化し、効率的に利用できるようにします。
    ストレージ容量を仮想化することで、データの移動が物理的な制約を受けなくなります。
    また物理ストレージ上では断片化しがちな空き容量を効率的に使うこともできるようになります。
  • ネットワーク仮想化
    物理的なネットワークを論理的に分割し、仮想ネットワークを構築できるようにします。
    1つの物理ネットワークを、あたかも複数の論理ネットワークが存在するかのように利用できます。
  • デスクトップ仮想化 (VDI)
    物理的なPCの代わりに、仮想化基盤上で動作するVMに仮想デスクトップ環境を作り、そこにリモートでアクセスして利用します。
    ユーザーごとに仮想デスクトップを用意することで、PCの管理が容易になります。

仮想化のメリットとは

  • 資源 (リソース) の有効活用
    物理リソースを無駄なく効率的に活用できるため、新規の機器投資が抑えられ、コストを削減できます。
  • 管理・運用の柔軟性
    仮想環境は論理的に構築されているおり、それぞれ独立しているため、別の環境に影響を与えることなく新サービスへの対応や環境の変更が手軽に行えます。
  • セキュリティー・災害対策の強化
    仮想環境はデータセンター内の物理サーバーで動作しているため、本番環境から切り離してバックアップを取ることが容易です。
    サーバーダウンの影響も局所化できるため、サイバー攻撃時の緊急対応やBCP (事業継続計画) 対策としても有効です。

仮想環境を利用する際の注意点

メリットの多い仮想環境ですが、一方で、仮想環境を活用する上での注意点もあります。

  • パフォーマンス
    仮想リソースへリソースの割り当て次第で、パフォーマンスが物理環境を下回る可能性があります。
    特に物理リソースが十分ない場合は注意が必要です。
  • セキュリティー
    仮想化ソフトウエアやハイパーバイザーに脆弱 (ぜいじゃく) 性があれば、仮想環境全体に影響が及ぶリスクがあります。
  • 運用管理の複雑化
    従来の物理環境よりも、仮想環境が増えることで管理が複雑化する恐れがあります。
    ただし、この点についてはさまざまなツールが開発・普及しており、これらを有効活用することで、対策が可能です。

このように、メリットとデメリットを十分に理解した上で、仮想化技術を適切に活用することが重要です。

仮想化とクラウドの違い

仮想化技術とクラウドは密接に関係していますが、それぞれ特徴が異なります。

仮想化はあくまでIT リソースの物理的な制約を論理的に解決する技術です。
一方のクラウドは、インターネット上のITリソースをサービスとして利用する形態を指します。
つまり、仮想化はオンプレミス (自社運用) の技術であり、クラウドはパブリッククラウドなど外部のサービスを利用する形態です。

ただし、クラウドサービスの実現には仮想化技術が不可欠です。
クラウド上でも仮想マシンが動作し、仮想化によりリソースが柔軟に割り当てられています。
加えて、クラウドではセルフサービスやリソース自動最適化などの機能も備わっています。

また、オンプレミスとクラウドで同じ仮想化ソフトウエアを使うことで、VMを両者間で移動させることができるなど、透過的に使う技術も出てきています。

このように、用途に合わせて仮想化技術とクラウドサービスを使い分ける、またはプライベートクラウドなど組み合わせて利用することで、より最適なITインフラを実現できます。

最新の仮想化技術の動向

仮想化技術は年々進化を続けており、最新の動向として以下のようなことが注目されています。

  • コンテナ仮想化
    ホストOSを仮想化することで、従来の仮想マシンよりも軽量な仮想化環境を実現する「コンテナ」と呼ばれる技術が普及しています。
    Docker などが有名です。
  • エッジコンピューティングでの仮想化
    IoTの進展に伴い、エッジ側 (端末側) でのリアルタイム処理が重要になってきました。
    エッジ側での仮想化ニーズが高まっています。
  • 5Gネットワークにおける仮想化
    5Gネットワークでは、ネットワークスライシングによって仮想ネットワークを構築し、さまざまなユースケースに合わせた最適なネットワークを実現できるようになります。

このように、仮想化技術の活用範囲は従来のサーバー環境から、コンテナ、エッジ、ネットワークと急速に広がりを見せています。

まとめ

クラウドサービスの基盤としても使われているように、今や企業のITインフラを支える上で、仮想化技術は必須の技術といえます。
限られたリソースを効率的に活用し、コストを抑えながらサービスの柔軟な提供を可能にします。

今、多くの企業ではDX推進が求められています。
ITインフラの運用を効率化する横河レンタ・リースの Cotoka for Systems では、仮想化基盤の構築や運用支援もサービスとして提供しています。
これらのサービスなども活用しながら、ITインフラの効率的利活用を進め、DX推進のための基盤づくりを進めていくと良いでしょう。

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監修

横河レンタ・リース株式会社 マーケティング本部 CDセンター

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