迫りくるITインフラの課題と、新たな調達・運用戦略
サーバー・インフラ管理
- 公開:
- 2025/04/03

企業のITインフラは、かつてないほどの変革の波にさらされています。
さまざまなシステムニーズに対応するために、ハイブリッドITが普及しつつありますが、その管理は複雑さを増しています。
さらに、2025年の崖、2030年問題といった言葉が示すように、老朽化したITシステムの刷新や、深刻化するIT人材不足は、企業の持続的な成長にとって無視できない課題です。
本コラムでは、顕在化しているITインフラの課題と、その課題に対処するための具体的な方法について考察します。
顕在化する課題:「2025年の崖」と「2030年問題」
経済産業省が指摘する「2025年の崖」とは、多くの企業が抱える、老朽化したレガシーシステムの維持・運用が限界に達し、DX (デジタルトランスフォーメーション) 推進の大きな障壁となる状況を指します。
長年使い続けられてきたシステムは複雑化し、ブラックボックス化していることも少なくありません。
そのため、改修や新たな技術との連携が困難となり、結果として運用コストが増大し、DXへの投資を圧迫する要因となります。
いよいよその2025年を迎え、このような課題に直面している企業も少なくないでしょう。
一方、「2030年問題」は、労働人口の減少に伴う、IT人材の深刻な不足を示唆しています。
技術革新が加速する現代において、高度な専門知識を持つIT人材の確保はますます困難になることが予想されます。
これは、従来のように人的リソースに依存したITインフラ運用モデルの限界を示しており、ITインフラの運用効率低下やセキュリティーリスクの増大といった新たな課題を生み出す可能性があります。

DX推進を阻む既存ITインフラの重圧
多くの企業がDXの重要性を認識し、その推進に取り組んでいますが、その道のりは決して容易ではありません。
経済産業省が2022年にまとめたDXレポート2.2では、デジタル投資の内訳は約8割が既存ビジネスの維持・運営に費やされている状況が継続していると指摘しています。
これは、老朽化したITインフラの維持・運用に多くのリソースが割かれ、DXに投資するための余力が不足しているという構造的な問題を示唆しています。
まさに、既存のITインフラの運用コストと要員不足が、DX推進の最大の足かせとなっているのです。
このような状況を打開し、企業の成長と変革を実現するためには、従来のITインフラの調達・運用方法を根本的に見直す必要があります。
これまでの「自社で全てを保有し、運用する」という考え方から、「必要な機能を必要な時にサービスとして利用する」という、新しいITインフラの利用モデルへの転換が求められています。
【引用】
● 経済産業省 「DXレポート2.2」
「ITインフラのすべてをサービス化」という新たな選択肢
このような背景を踏まえ、横河レンタ・リースは、ITインフラのすべてをサービス化して、サブスクリプションモデルで利用できる「 Cotoka for Systems 」という新たな概念のソリューションを提供しています。
「 Cotoka for Systems 」は、お客さまのニーズに合わせてライフサイクルを支援する選択型運用サービスであり、企業のITインフラに関わるあらゆる側面をサービスとして提供することで、ITインフラのライフサイクルに伴うコストと、運用を行う人的リソースの課題解決を支援します。
「 Cotoka for Systems 」は以下のようなサービスを通じて、企業のITインフラ運用を効率化し、DX推進を加速させます。
- ITインフラコンサンプションサービス
オンプレミスのITインフラ環境を、パブリッククラウドのように利用できる月額サービスとして提供します。
これにより、初期投資を抑え、柔軟なリソースの増減が可能となり、ビジネスの変化に迅速に対応できます。 - Yellow Dash Support
Webポータルを経由した構成情報の一元管理とアカウント管理体制により、煩雑になりがちなITインフラの運用を効率化します。
また、ITインフラのかかりつけ医のようなサポートと、運用の自動化を含めたハイブリッドIT環境の運用を支援するサービスを提供します。
また、構築やセキュリティー、データセンターのサービスなど、ITインフラのライフサイクルにおけるさまざまなニーズに対する、個別のサービスもそろえています。

「 Cotoka for Systems 」導入のメリット
「 Cotoka for Systems 」を導入することで、企業は以下のようなメリットを享受し、ITインフラに関わる課題を克服することが可能となります。
既存ITインフラの運用コストと要員不足の解消
「 ITインフラコンサンプションサービス 」の活用により、自社でハードウエアを保有する必要がなくなり、運用・保守にかかる人的リソースやコストを大幅に削減できます。
また、「 Yellow Dash Support 」による運用支援と自動化により、限られたIT人材でも効率的なインフラ運用を実現し、人的負担を軽減します。
ハイブリッドクラウド環境の効率的な運用
「 Yellow Dash Support 」は、ハイブリッドIT環境の一元管理と運用を支援し、複雑化するマルチクラウド環境の管理を簡素化し、運用負荷を軽減します。
DXへのシフト加速
既存ITインフラの運用負荷から解放されることで、情報システム部門は本来注力すべきDX戦略の策定や推進にリソースを集中させることができます。
これにより、ビジネスモデルの変革や新たな価値創造を加速することが期待できます。
「 Cotoka for Systems 」を導入することで、企業は以下のようなメリットを享受し、ITインフラに関わる課題を克服することが可能となります。
- 既存のITインフラの運用に多くの人員と工数を費やしており、DXへのシフトがなかなか進められない企業
- 運用要員が不足している企業
- ハイブリッドクラウド環境の運用を効率化したい企業
まとめ
「2025年の崖」や「2030年問題」といった課題が目前に迫る中、従来のITインフラのあり方を見直し、新たな戦略を採用することが急務となっています。
「 Cotoka for systems 」は、未来を見据えたITインフラ戦略を実現します。
既存のITインフラのライフサイクルマネジメントや、運用リソースに課題をお持ちの方は、ぜひ「 Cotoka for systems 」の活用をご検討ください。
