ハードウエアの管理がソフトウエア資産管理の近道だった ~ ITAM World2017 講演資料から ~

第3回 レンタルサービス活用事例のご紹介(廃棄)

(4)廃棄

今回は廃棄フェーズでのメリットを3つのポイントでご紹介させていただきます。それは「廃棄コスト」、「廃棄と返却の違い」、「コンプライアンスリスクへの対応」です。この3点を、お客さまからメリットについてのコメントも踏まえ、ご紹介します。

まずはコストについて、DELL社の廃棄コスト例になります。

購入のPCにリサイクルマークが無い場合、メーカーに廃棄を依頼すると、1台あたり3,000円の廃棄費用が必要になります。それに対してレンタルPCの場合には廃棄処理費用は必要ありません。

次に「廃棄と返却の違い」について説明します。

レンタルPCの場合には契約終了のご案内が届いたら、ご準備をいただければ回収の手配を行います。

第一回よりあげた企業の事例では、導入時にSKYSEA上で個品番号と利用者、利用部署を連携して管理されています。
返却時にこの管理手法が効力を発揮します。よく「返却時にレンタル品を探すのに苦労する」とのご相談をいただきますが、今回のように資産管理ツールとレンタル契約を導入時に登録していただくと、非常に効率的に、返却時の指示を情報システム部から利用者に出す事が可能になります。

具体的には、レンタル会社から契約満了になったPCの個品番号が入った通知が管理者に届きます。管理者はその個品番号で検索すると誰が、どの部署でPCを利用しているのか発見できます。情報システム部からはユーザに返却日を通知して、それまでにデータバックアップとデータ消去作業の指示を出せば終了になります。データ消去ツールは当社からお送りすることもでき、無償でご利用いただけます。
管理ツールとデータ連携することで、人手がかかる返却作業が迅速に進める事ができるようになりました。

そして最後になりますが、ハードウエアの管理とソフトウエアの管理の関係についてご紹介します。

ソフトウエアの廃棄はIT資産管理の分野でホットなテーマになっております。欧米のカンファレンスでも、廃棄に関するセッションは増える一方です。環境問題や廃棄コストの増大などがその背景にあるのですが、もう一つの理由としてコンプライアンスの問題があげられます。

レンタルPCについては期日が来れば、確実にその特定固体を業者が引き取りを行います。しかしながら、購入されたPCの中には、廃棄されず棚や机の中にそのまま残っている場合が多くあります。毎年、棚卸しを実施されていると思いますが、台帳に記載のあるPCが見当たらない場合、探されると思います。その際、台帳に記載がないが存在しているPCは、そのままにされていないでしょうか。

このような廃棄漏れPCに入ったソフトウエアのライセンスがコンプライアンスリスクを高めてしまいます。
メーカーの監査では廃棄漏れPCであっても、ライセンスの証明を求められます。
多くの場合、廃棄PCに関するライセンスはすでにライセンス台帳から消去されており、再度正規ライセンスを購入してからPCを廃棄するような事態が発生します。
コンプライアンス違反だけでなく、定価でライセンスを再度購入してPCを廃棄するというコスト負担も生じ、この費用の社内決裁を取るのは大変なことだと情報システム部の方から伺ったことがあります。

最近、ソフトウエア資産管理の分野で、廃棄処理が注目されているのはこのためです。廃棄処理の精度を向上させる必要性をご理解いただけましたでしょうか。

まとめ

今回は事例に基づき、ハードウエアの管理とソフトウエアの管理について、PCライフサイクル管理の観点からも管理効率化のヒントをご紹介しました。

ポイントは資産管理ツール(今回はSKYSEA)と個品番号の連携をユーザーにしていただいてからPCを使い始めている部分だと思います。この事によって、障害対応を迅速に行えるようにし、さらに廃棄処理を容易にすることができています。
資産管理ツールの標準機能をうまく利用することでできる有効な手段です。

SKYSEAの標準機能を利用して管理項目を追加した事例をご紹介しましたが、この方法は非常に有効な手法です

また、コンプライアンスリスクへの対応ですが、廃棄処理の精度を上げることが、最終的にコンプライアンスの向上と、余計なコストを発生させないために重要であることがご理解いただけましたでしょうか。

ハードウエアの管理は、やって当然になっていますが、まだ工夫の余地が残っています。昨今PC管理者が減っていく現状では、レンタル会社のサービスももっと管理者の工数低減を実現するものにならなければなりません。

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寄稿者

横河レンタ・リース株式会社
マーケティング本部
CDセンター
中井 史郎
SAMAC公認SAMコンサルタント
E-mail:cdc_mk@yrl.co.jp

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