横河レンタ・リースと考えるソフトウエア資産管理

第1回 ソフトウエア資産の成熟度とは何か

1. ソフトウエア資産の成熟度とは何か

昨年、幸いにもソフトウエア資産管理成熟度評価をする機会に恵まれました。
成熟度評価は評価企業にも私にとっても大変な作業でありましたが、普段は監査対策の話しが多い中で、ソフトウエア管理基準について再度考えるいい機会になりました。
おそらくソフトウエアの管理をされている方でも、成熟度評価はあまり馴染みがない評価になると思います。

レンタル会社のメルマガではありますが、ソフトウエア資産管理成熟度評価について、3回に渡ってご紹介します。
ソフトウエア成熟度評価を利用することでSoftware Asset Management(以下SAM)の管理状況把握に有効なことをぜひ認識いただければと思います。

それでは第一回のスタートです。
ソフトウエア資産管理の成熟度を評価するには、ソフトウエア資産管理認定評価協会(以下SAMAC)が作成しているソフトウエア資産管理基準が参考になります。
管理基準と評価基準はSAMACのホームページに掲載しているのでIT資産管理を担当されている方はぜひ、一度ご参照ください。

 管理基準のURLはこちらです。
 http://www.samac.or.jp/docs/kanrikijyun_ver4.1_20140618.pdf

評価を始めるために成熟度評価とは何なのか、簡単に説明しておきたいと思います。
前述のURLの資料をご覧いただきながら説明をお読みいただければと思います。

第一項目にはソフトウエア資産管理の方針・規程の整備について記述されています。

そして管理目標として自組織に適した資産管理の方針、規程等が作成されていることになっています。
さらに、その目標のための管理要件として5項目挙がっています。
実際に管理基準の表を見ると、いくつにもカスケードされた表が見られると思います。
実際の5項目を列挙します。

ソフトウエア資産管理の方針・規程の整備

【管理目標】自組織に適したソフトウエア資産管理の方針、規程等が作成されていること

~管理要件~

1.組織におけるソフトウエア資産管理の方針・規程・手続が明確化されており、周知されている。
2.ソフトウエア資産管理に関するリスクアセスメントが実施されている。
3.ソフトウエア資産管理に関する監視および監査が実施されている。
4.ソフトウエア資産管理に関する方針、規程、手続きに関する見直しが実施されている。
5.ソフトウエア資産管理に関する文書・記録が管理されている。

いかがでしょうか、規程は作成されていますでしょうか?
棚卸しは毎年されていると思いますが監査はどうでしょうか。
規程の見直し、文書管理のルールは作られていますでしょうか。

ここまでの実施となると、心もとない企業や団体も多いかと思います。
管理方針の評価項目を見ただけでも色々な課題が見えてきます。

管理基準を読み進めると、多くの管理者が気にされているコンピテンシー、保有ライセンスの把握と証明、導入ソフトウエアの把握についての管理要件も記述されています。
これら各々の管理項目にハードウエアとソフトウエアの管理について細かく要件が出ています。

成熟度評価では、これらの管理項目について出来ているかどうか評価を進めます。
項目の内容は、具体的にそして客観的に評価をできるようになっていて、私見を入れることなく評価を進めます。

管理基準を見ていただくと、資産管理ツールで収集できるインベントリー情報が、管理プロセスで必要となるデータの一部であることがよく分かります。
SAMの全体を理解したうえでどこまで管理をするのか決めるのと、ツールの機能から管理範囲を決めるのでは、その管理内容はまったく違うものになってしまいます。

ソフトウエア資産管理基準では、個別のソフトウエアメーカーの監査対策については述べていません。
SAMに関する基本的な管理としてプロセスがどの程度構築できているのかを評価しています。

成熟度評価でSAMの基本プロセスを確認することで、SAMの管理で出来ていない部分を明らかにし、その後、管理プロセスに各ソフトウエアメーカーが要求する管理項目を追加していくことになります。
成熟度評価は、目標とする管理への指針を与えてくれることになります。

次回以降のテーマについて

第二回以降の内容については以下となります。
次回は成熟度評価の実施方法についてお伝えいたします。

寄稿者

横河レンタ・リース株式会社
マーケティング本部
CDセンター
中井 史郎
SAMAC公認SAMコンサルタント
E-mail:cdc_mk@yrl.co.jp

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