生体認証はどのような認証方式を選ぶべき?

Q.
多要素認証や生体認証に注目しています。
どのような認証方式がオススメですか。
A.

利用者の顔や指紋を使った生体認証は強力なセキュリティー対策としてオススメです。
Windows の機能を用いて簡単に導入できるものが増えています。

- 目次 -

1 データやビジネスを守るための多要素認証

2 Windows の標準機能で生体認証を利用できる

データやビジネスを守るための多要素認証

一般的なID / パスワード認証は、それだけでは十分な安全性を確保できないことが知られています。
適切に管理しなければ、利用者は覚えやすくぜい弱なパスワードを使い回してしまうかもしれません。
かといって厳格にルールを設けると利便性が損なわれてしまい、何とか楽にならないかと抜け道を探すようになります。
例えば、パスワードをメモしてPCのモニターに貼り付けておく──といった具合です。
これでは安全性を保つことはできません。

この原因は、ID / パスワード認証が記憶に頼った方式であるからです。
利用者の記憶自体は個人を特定する要素として重要なのですが、利便性が非常に悪いのです。
そこで、記憶に頼らない他の方式を組み合わせる「多要素認証」で、安全性を高めることができます。
認証方式としては、パスワードや“秘密の質問”のように利用者の知っていることを利用する「知識情報」、利用者の持っているスマートフォンやハードウエアトークン、ICカードなどを利用する「所持情報」、そして指紋や顔、静脈など利用者の「生体情報」を利用する方式の三つが挙げられます。
多要素認証を導入する際は、これら三つのうちの二つ以上を組み合わせることで安全性を向上できます。
例えば銀行のATMでは、キャッシュカードという所持情報と暗証番号という知識情報を組み合わせています。

Windows の標準機能で生体認証を利用できる

PCへのログインで利用できる認証方式はいくつかありますが、利便性がよく安全性も高いものとして生体認証がオススメです。
Windows 10 / 11 には、「 Windows Hello 」という生体認証を利用するための機能が標準搭載されています。
Windows Hello を活用すれば、PCの内蔵機能または外付けのデバイスを用いて、生体認証を簡単に利用することができます。

指紋認証は、以前から法人モデルでもよく採用されてきた方式です。
キーボード周辺に指紋センサを搭載したノートPCもよく見かけます。
あらかじめ登録した指でタッチすれば、パスワードを入力することなくPCやアプリケーションを利用できます。
最近増えているのは、顔認証です。
Windows Hello に対応したカメラを搭載したPC (または外付けUSBカメラ) であれば、顔認証を利用することが可能です。
カメラに顔を向けるだけで認証が完了するため、非常に便利です。
とはいえ、2020年以降の新型コロナウイルス感染症によって、オフィスやカフェなどでもマスクを常に着用することが一般的になりつつあります。
Windows Hello を利用するにはマスクを外す必要があるため注意が必要です。

生体認証技術としては、ほかにも「虹彩認証」や「声紋認証」が存在しますが、標準で対応しているPCはまだ登場していません。
将来の技術に期待したいですね。
また、所持情報を標準利用できるPCはまだ少ないようです。
いくつかモデルは登場していますし、外付けのICカードリーダーを用いることもできます。
また高度な認証システムを利用すれば、スマートフォンアプリを経由した認証も可能です。
安全性や利便性、予算や運用を考慮して、自社に最適な認証を実現することが重要です。

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