ワークステーションとハイスペックPCとの違い
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ワークステーションとハイスペックPCとの違いはなんでしょうか。
機能やスペックはどのように異なるのでしょうか。 -
それぞれに適した用途があり、そのために最適なパーツで構成されています。
いずれも安価ではありませんが、ニーズを見極めて適切に活用すれば高い価値を発揮するマシンです。
「プロ用・複数人向け」と「高級な一般向け」
ワークステーションは、古くは書籍など印刷物の組み版 (ページレイアウト) や学術計算から、CAD、グラフィックデザイン、事務処理などに用いられる高性能なコンピューターのことを示します。
基本的には複数人で共有して用いることを前提として法人向けに提供されています。
近年は、3D CADによる設計、3D CGのモデリング、医療イメージング、高精細な映像の制作やゲームの開発にも用いられています。
軽度な事務処理用であれば、共用するためサーバーOSを搭載していても、高性能なデスクトップPCとあまり変わらないスペックで低価格のものが選ばれることもあります。
一方で、非常に高い負荷の処理を担うワークステーションは、高度な業務向けのパーツで構成されているため、100万円以上するマシンも珍しくありません。
ハイスペックPCは比較的新しい区分で、主に一般消費者向けの高性能なPCのことを示します。
高速なグラフィックス処理が重視されるゲーム用や、YouTube に代表される比較的簡単な動画編集などに用いられます。
基本的には業務向けとは言えませんが、最近はビジネスでも YouTube を積極的に活用する企業が増えていますし、新型コロナウイルス感染症の影響でウェビナー (Web配信を用いたセミナー) も開催されています。
簡単な動画編集とはいえ一般的な事務用のPCでは力不足で、短い動画であってもデータ処理に長時間かかってしまうことがあります。
ハイスペックPCは、動画編集にも適した高性能なグラフィックカードを搭載しているため、高速にデータを処理できます。
そのため最近では、企業が部門の共有デバイスとしてハイスペックPCを導入したり、ベンダーが企業向けにハイスペックPCを提供したりする例が増えています。
「プロ向けの専用パーツ」と「一般向けの高級パーツ」
ワークステーションとハイスペックPCは、搭載されているパーツが大きく異なります。
例えばグラフィックカードの場合、ワークステーションは NVIDIA の「Quadro」シリーズのような業務グラフィックス作業向けに設計された製品・チップを搭載しています。
一般向けの製品と比較して、3Dモデリングなどのプロ向けソフトウエアに最適化されているのが特徴です。
一方のハイスペックPCは、「NVIDIA GeForce RTX」や「AMD Radeon RX」といった一般消費者向けの“高級製品”が搭載されています。
CPUについても、ワークステーションは「Intel Xeonプロセッサー」のような並列処理向けに設計されたサーバー向けCPU製品を搭載しています。
ハイスペックPCは、「Intel Core i7プロセッサー」や「AMD Ryzen 7」のような一般PC向けの高級CPUが採用されています。
一般企業においても、動画やグラフィックスなど、リッチなコンテンツを制作するニーズが増えています。
従業員の利用する一般的なPCでは負荷が高く仕事にならないため、用途や環境に合わせてワークステーションやハイスペックPCを検討してください。
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