法人向けに個人向けPCは利用できる?

Q.
コンシューマ向けのPCを業務用として利用するときの問題点はありますか?
法人モデルのほうがよい点はどこでしょうか。
A.

コンシューマ向けPCは Windows 10 / 11 Home が標準で、企業ネットワークに必要な機能がありません。
法人向けPCに採用されていることの多い Windows 10 / 11 Pro は企業システムに必須の機能が標準搭載されており、安全性や管理性に優れています。

- 目次 -

1 企業ネットワークは安全性と管理性が重要

2 法人向けPCは統合的な管理や計画的な調達が容易

企業ネットワークは安全性と管理性が重要

メーカー各社のコンシューマ (個人) 向けPCと法人向けPCについて、スペックの差はそれほど大きくありません。
Webカメラや生体認証といった機能も、高級機であればコンシューマ向けでも採用されています。
それならばと安価なコンシューマ機を選びたくなるのもわかりますが、企業システムはスペックだけで選ぶべきではありません。

企業ネットワーク上でPCを管理するには、いくつかの機能が必要です。
例えば「Active Directory」は、ネットワーク上のデバイスやユーザーを識別・認証し、アクセス権限を管理するための重要なシステムとして、もはや標準的に利用されています。
Active Directory「グループポリシー」という機能を用いて、デバイスやユーザーを統制している組織も多いでしょう。
この Active Directory の機能を用いて集中管理するには、 Windows Pro 以上の企業向けエディションが必要です。
Windows Home は管理対象として登録できないのです。
もちろんグループポリシーで統制することもできません。

また Windows Vista 以降、ドライブを暗号化する「Bit Locker」という拡張機能が利用できるようになりました。
仮にPCが盗まれたり、ディスクだけ抜き取られたりしても、Bit Locker が有効であればデータを盗み見られることはありません。
ただし、この機能も Windows Pro 以上のエディションでなければ利用できません。
さらに、ネットワークを介してPCを遠隔操作したりヘルプデスクを提供したりするための「リモートデスクトップ」機能も、 Windows Pro 以上が必要です。

法人向けPCは統合的な管理や計画的な調達が容易

コンシューマ向けのPCをメーカーのオンラインショップで注文する際には、たいていの場合、ハードウエアスペックや搭載されている機能をカスタマイズして、自分のニーズに合わせることができます。
しかし、インストールされているソフトウエアまで細かく調整することは困難です。

コンシューマ向けのPCは、初めて利用するユーザーでもわかりやすいように、必要と思われるソフトウエアがあらかじめインストールされています。
リッチなPC操作マニュアルやインターネット接続支援ツール、アンチウイルスソフトの期間限定版、簡易なビデオ編集ソフト、トランプゲームなど、さまざまなものが用意されていますがたいていは業務に不要なものです。
法人向けPCの場合、こうしたムダなソフトウエアはおおむね排除されていますので、管理者がアンインストールする手間が省けます。
またコンシューマ向けPCは、メーカーの方針としてロードマップがはっきりしていないケースがほとんどです。
同じモデルに見えても、仕様が大幅に変更されていることもあります。
つまり、今年購入したPCと同じものを半年後や1年後に購入できるとはかぎらないのです。
もし全社的に同じモデル、せめて同等モデルでそろえたいと思っても、コンシューマ向けPCでは困難ということです。
一方の法人向けPCは、メーカーが事前にロードマップを示しているため、調達や更改の計画を立てやすいという利点があります。

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