構成管理の自動化とは

作成日:2021/08/18

お役立ちコラム

構成管理の自動化とは

前回は「 システム導入後の構成管理 」を紹介しました。
今回は、構成管理の手法のひとつである「構成管理の自動化」を取り上げたいと思います。

構成管理の自動化とは

構成管理の自動化とは、従来、手作業で行っていたインフラ関連の構築や変更作業をコードで定義して自動化します。
構成管理ツールは、「 運用管理のための情報収集機能 」と「 構築や設定の変更などの設定自動化 」のツールなどを含めたものです。

自動構築

ソフトウエア開発で従来行われてきたものを、システムインフラ、OS、アプリケーションのデプロイメントやコンフィグレーションまでに広げたものです。

従来の手作業の場合

ハードウエアセットアップ以降の一般的なインフラ構築では以下で設定します。

  1. OSの新規インストールを実施
  2. 各種サーバーで共通する設定を実施
  3. サーバー種別ごとに固有となるOSやミドルウエアの設定を実施
  4. 意図したとおり構成されているかのテストを実施

これには時間がかかり、1~2台でも半日程度かかります。
手作業なので、ミスや作業漏れが発生する可能性があるため、各種チェックが必要になります。

構成管理のツールで構築する場合

例えば、構成管理ツールでメジャーな Ansible の場合、パラメータシートや手順書、テスト仕様書を置き換えた定義ファイル (Playbook) を作成してツールを実行する、インフラのコード化という手法で設定します。

手作業で構築の場合
構築管理ツールで構築の場合

実際のケースにあてはめると、例えば、本番環境で、夜間もしくは休日でないとできないメンテナンス作業は結構あるかと思います。
作業対象が1台ならともかく、20台などあった場合、ひとりでの作業が難しくなり、複数人での作業になります。
例えば、ひとり5台ずつ割り当てして、4人で作業を分担するようなケースです。
作業のチェック手順書を作成したとしても、人が実施することなので、作業の中で抜け漏れなどを完全に防ぐことは難しいです。

1台のサーバーだけなら手作業でWチェックをしながら実施となりますが、多くの台数を複数人で作業をする場合などは、精度を上げるために構成管理ツールなどを利用して行うことで、作業ミスを減らして迅速化でき、複数人の場合に発生していたスケジュール調整などの工数も削減できます。

情報収集

また、構成管理ツールを使用して、各種サーバーやネットワーク機器などの構成情報を取得できます。
定期的に実行することによって、管理情報の鮮度を保つことができ、運用管理の負荷を軽減できます。

構成管理ツールで情報収集

自動化のメリット

  1. 作業工数の削減
    手動で行ってきた作業をコード化、自動化することで高速デプロイが可能になり作業工数と日数を短縮可能。
  2. 作業品質の向上
    自動実行の定義ファイルは実行可能なパラメータシート兼手順書になるため、手作業に比べるとオペレーションミスを削減可能。
  3. システム運用の標準化の向上
    自動化やバージョン管理により、作業が統一できるため標準化が可能。
  4. 作業統制の向上
    適切な作業権限内での実施自動化や、バージョン管理による作業の統一ができるため標準化が可能。

自動化が合わない条件 

  1. 単純に自動化するほど管理台数(サーバーやネットワーク機器など)が多くない
    構成管理ツールの導入やコードを書く学習コストを考えると、手で作業したほうがトータルの工数が少ない。
    また、将来にわたっても管理対象の増加やシステムのリプレースなどが多くなく、構成管理ツールを整備したとしても利用機会が少ないことが予想される環境の場合、自分たちで構成管理情報の収集など自動化する仕組みを持たず、外部リソースを利用するなどして、アウトソーシングをして、運用負荷を軽減するなどが選択肢になると思います。
  2. 定型化されない作業や、主にその都度作業で同じ作業をしない場合は、構成管理ツールで自動設定するより、手作業のほうが工数はかからないです。

まとめ                      

ITインフラに自動化などの適用を進めていくとともに、管理情報の自動収集や構築の自動化を進めていくことで、運用負荷が軽減できます。
自動化するものについては、長期間での全体工数を考慮して、手作業のほうがトータルコストが低いのか?
自動化に向いているものなのか?
それぞれを整理して当てはめていくことで全体の最適化を進めることができます。

また、各種情報収集と整理の構成管理では、自動取得情報とともに、自動収集できない保守期間やハードウエアのEOSLなどの手入力情報と組み合わせを行い、構成管理全般を進めていくとよいかと思います。これによりトラブルを未然に防ぐことができ問題発生を抑止することにつながり、さらなる運用負荷の軽減につながっていきます。

おまけ

横河レンタ・リースでは、ハイブリッドIT環境においてどこでもサーバー管理ができるデジタルタッチポイントサービス「 Yellow Dash Support 」を展開しています。
このサービスではITインフラに関する情報を一元管理する Yellow Dash 構成管理も提供しています。

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