半導体不足で見えない納期。PC管理者はどうする!?
~不透明なPC供給の見通しとその対策~
2022年7月
-Agenda-
先が見えないPCの供給不足改善
慢性的な供給不足が続くPC
PCの供給不足が続いています。
機種によっては納期が3カ月以上になるものもあり、調達に頭を悩ませている企業のIT管理者も少なくないでしょう。
その原因となっている半導体不足について、少し前までは2022年下半期には解消するだろうという見方もありましたが、ここへ来てインテルのCEOや米国の商務長官が相次いで2024年までは続くであろうという見通しを発言しており、しばらくのあいだはこの状態が続くことが予想されます。
2018年よりPCの供給不足は続いている
実はPCの供給不足は今に始まったことではありません。
2018年秋ごろよりインテルのCPUが供給不足に陥り、その後の Windows 7 サポート終了に伴う需要増や、2019年秋の消費税増税に伴う駆け込み需要などから、慢性的にPCの供給不足が続いています。
この当時は、主にCPU不足がその原因となっていました。
この状況に拍車をかけたのが、2020年の初頭から中国で猛威をふるい始めた新型コロナウイルスでした。
まだ記憶にあたらしいところですが、2020年春には日本でも緊急事態宣言が発令され、企業のテレワークが一気に進み始めました。
当初は社内で使っていたデスクトップPCを持ち出して、などという例もありましたが、家庭内でのスペースの都合もあり、ノートPCの需要が高まっていきます。
その一方で、新型コロナウイルスは全世界に感染拡大し、PC生産工場や半導体工場の操業停止や、部品や製品の輸出入に使われる港の閉鎖により、いわゆるサプライチェーンに大きな混乱が発生。
CPUだけでなく、PCに必要なさまざまな部品・部材の流通が滞るようになっていきました。
この結果、各PCメーカーは大幅な受注残を抱えることになりました。
さらに、新型コロナウイルス感染拡大により経済が停滞し、落ち込むと見られていた自動車業界の需要が、2020年秋ごろから回復し、半導体不足に拍車をかけます。
これによりあらゆる半導体の需給バランスが完全に崩れてしまいました。
2021年から2022年にかけて、エアコンやガス給湯器の品不足や、自動車工場の一時帰休などが話題になりましたが、いずれも半導体不足に起因するもので、その影響の大きさがわかると思います。
「アフターコロナ」「ウクライナ侵攻」でさらに拍車がかかる半導体の供給不足
2021年秋ごろには「2022年の下期には半導体不足が解消されるだろう」という見通しを示す業界筋の関係者の声もありましたが、その後の新型コロナウイルス感染拡大の落ち着きを背景とした経済の回復に伴う需要増や、2022年春に始まったロシアによるウクライナ侵攻がさらなる影響を与えています。
インテルのゲルシンガーCEOは2022年5月に「半導体不足は2024年まで続くであろう」という発言をしています。
その背景には、旺盛な半導体需要に対し工場の増設など設備増強を行っているが、その設備が半導体不足により調達が困難にあるためとしています。
レモンド米商務長官もこの発言を認めており、半導体不足とその結果としてのPCの需要不足はまだまだ続くと考えられます。
供給不足を前にして、PCの調達をどうするか
採用増、そしてDX推進でさらに増えるPCの需要
ワクチンの接種が進み、感染者も減少傾向にある2022年6月現在、日本国内でも「ウィズコロナ」を前提として、経済の回復に力点を置くようになってきました。
これらを踏まえ2023年春の新卒採用は増える傾向にあります。
また新型コロナウイルス感染症拡大での経験を踏まえ、DX (デジタル・トランスフォーメーション) に注力する企業も増えており、DX人材の確保も課題になってきています。
これらの人材を確保するためには、先進的で生産性の高い業務環境を整えることが必須となりつつあります。
「道具」として欠かせないPCも、AIなどへの対応などから、従来のオフィス用PC (OAPC) より高い性能のものが求められています。
また、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、オフィスワークとテレワークを柔軟に行う、いわゆる「ハイブリッドワーク」がスタンダードになりつつあり、特に都心部ではオフィスのあり方、働き方を見直す企業も増えています。
このようなことから、特に高性能モバイルPCの需要は高まっています。
しかしながら、折からの半導体不足・部材不足により、PCメーカーは数が出やすい廉価なモデルを中心に生産を行っていることから、これら高性能なモバイルPCの調達は困難になっているのが現状です。
人員の変動幅と期間に大きな変化の可能性
その一方で、ウクライナ情勢や米中対立による影響などから、物価の上昇や円安といった日本経済にとって不利な状況が続くことから、景気の先行き不透明感は続いており、急な人員削減もありうる不安定な状況でもあります。
人員の変動は、社内のPC需要にも連動します。
ある程度、予備のPCを確保していれば吸収は可能ですが、コストの最適化も求められる中、余剰なPCの在庫を持つことは難しいでしょうし、かと言って人員が増えた場合に「PCが確保できません」というわけにもいかず、頭を抱えているIT管理者は多いのではないでしょうか。
「買う」のではなく「利用する」という選択肢も
このような課題の解決案として、PCを「買う」のではなくサービスとして「利用する」という発想はいかがでしょうか。
近年、クラウドサービスの利用が格段に伸びています。
皆さんの身近なところでは Microsoft 365 が挙げられるでしょう。
その他にも特定の業務ソリューションを提供するいわゆるSaaS型や、サーバーをクラウド化したIaaSなどです。
このようなクラウドサービスは月額定額制のいわゆるサブスク (サブスクリプション) モデルで、システムを購入することなく「利用する」事ができます。
同様に、調達や保守を外部に任せることができ、PCを「利用できる」のがレンタルPCです。
調達や保守は横河レンタ・リースのようなレンタル会社に任せ、ユーザー企業は毎月一定額を払ってPCを使う。
IT管理者の頭を悩ませてきた調達や保守・運用をアウトソーシングできます。
レンタル会社は毎年大量のPCをメーカーから購入するため、大口顧客としてPC供給不足の状況下でも比較的確保がしやすくなっています。
またボリュームディスカウントもあることから、お客さま自身で購入する価格と遜色ない金額で利用が可能です。
障害発生時の対応もレンタル会社に連絡するだけで代替え機の送付や修理対応を行うため、トータルでIT管理者の負担を軽減することも可能です。
さらにレンタルならPCの資産計上の必要はなくなり、すべて経費としてオフバランス化できるのもメリットの一つと言えるでしょう。
もちろんレンタルにも不得意な部分はあります。
例えば市場でマイナーなスペックのPCやIT機器は、調達ができても費用的な面でメリットが出せないものもあります。
このあたりは用途や利用台数などを勘案して検討してみるのが良いでしょう。
さらに進んだ PCの「サブスク」モデルも
横河レンタ・リースではレンタルをさらに一歩進め、PCのサブスクモデルといえる「Cotoka」のサービスの提供を2022年春に開始しました。
「Cotoka」はPCレンタルの枠を超え、あらかじめ締結した契約に基づきお客さま専用のポータルサイトを提供。
社員の方は自分で業務用のPCをポータルサイトから選択して調達することが可能です。
ハイブリッドワークにも対応し、社員の自宅にもPCを配達。
セットアップは Windows Autopilot を使い、クラウド経由で行うことができるので、出社することなくテレワークでもPC環境を整えることができます。
さらに標準でデータレス PC™やテレワーク対応の Windows Update を提供しており、ハイブリッドワーク環境でも高いセキュリティーを確保しつつ業務を行うことが可能です。
まとめ
いかがでしょうか。
PC供給不足の今、安定したPC調達とともに、保守・運用業務をアウトソーシングできるPCレンタルサービス、そしてPCのサブスクモデル「Cotoka」。
変化が激しい今日、柔軟性の高いPC運用ができるこれらのサービスを検討の一つに加えてみてはいかがでしょうか。