生体認証はどのような認証方式を選ぶべき?

Q.
多要素認証や生体認証に注目しています。
どのような認証方式がオススメですか。
A.

利用者の顔や指紋を使った生体認証は強力なセキュリティー対策としてオススメです。
Windows の標準機能を活用すれば、比較的簡単に導入できます。
2025年現在、生体認証はパソコン・スマートフォンで標準化が進みつつあり、個人や企業でもログイン手段として広く利用されるようになっています。
一方で、ハードウエアによって生体認証の種類や対応可否が異なるため、導入前に対応状況を必ず確認することが重要です。

- 目次 -

1 データやビジネスを守るための多要素認証

2 Windows の標準機能で生体認証を簡単に導入

データやビジネスを守るための多要素認証

かつては「ID/パスワード」を定期的に変更して運用することが、もっとも一般的なセキュリティ対策とされてきました。
しかし現在では、パスワードだけに依存する認証方式では十分な安全性を確保できないことが明確になっています。
総当たり攻撃や辞書攻撃、リスト型攻撃など、パスワードを突破する手法は年々高度化しており、情報流出のニュースも後を絶ちません。
NISC の『インターネットの安全・安心ハンドブック』でも、パスワード単独での防御には限界があると指摘されています。

●インターネットの安全・安心ハンドブック|内閣サイバーセキュリティセンター (NISC)

特に最近では、企業のサーバーがランサムウエアの被害に遭い、個人情報や ID・パスワードが流出する事例も増えています。
こうした流出情報は不正アクセスに悪用されることがほとんどです。

攻撃から身を守るには、そもそもパスワードを盗まれない仕組み「多要素認証」を導入することが重要です。

多要素認証(MFA)では、以下のような複数の認証要素を組み合わせます。

・知識情報:パスワード、PIN、秘密の質問など
・所持情報:スマートフォン、ハードウエアトークン、ICカードなど
・生体情報:指紋、顔、静脈など

これら三つのうちの二つ以上を組み合わせることで不正アクセスのリスクを大幅に低減する仕組みです。
パスワード頼みのセキュリティーから脱却し、最新の技術で先手を打つセキュリティー対策を講じることが、重要です。

Windows の標準機能で生体認証を簡単に導入

PCへのログインで利用できる認証方式はいくつかありますが、利便性がよく安全性も高いものとして生体認証がオススメです。
Windows 11 には、「 Windows Hello 」という生体認証を利用するための機能が標準搭載されています。
Windows Hello を活用すれば、PCの内蔵機能または外付けのデバイスを用いて、生体認証を簡単に利用することができます。

■指紋認証
以前から法人モデルでもよく採用されてきた方式です。
キーボード周辺に指紋センサーを搭載したノートPCもよく見かけます。
あらかじめ登録した指でタッチすれば、パスワードを入力することなくPCやアプリケーションを利用できます。

■顔認証
最近増えているのは、顔認証です。
Windows Hello に対応したカメラを搭載したPC (または外付けUSBカメラ) であれば、顔認証を利用することが可能です。
カメラに顔を向けるだけで認証が完了するため、非常に便利です。
また、Copilot+ PC では、特に機密性の高い情報について「 Windows Hello による認証が必須」となるケースがあり、より高度なセキュリティーが標準化しつつあります。

生体認証技術としては、ほかにも「虹彩認証」や「声紋認証」が存在しますが、標準で対応しているPCはまだ登場していません。
また、所持情報を標準利用できるPCはまだ少ないようです。
いくつかモデルは登場していますし、外付けのICカードリーダーを用いることもできます。
また高度な認証システムを利用すれば、スマートフォンアプリを経由した認証も可能です。
安全性や利便性、予算や運用を考慮して、自社に最適な認証を実現することが重要です。

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