横河レンタ・リースの中古パソコンの品質とこだわりとは？

作成日：2020/12/11
更新日：2022/06/13

横河レンタ・リースの中古パソコンを販売するサービス
「Qualit」（クオリット）

毎日約1,000台規模で返却される法人向けレンタルパソコンを社独自の品質基準でリフレッシュし、中古パソコンとして提供しているサービスが「Qualit」（クオリット）。
人気が高い Apple の MacBook、MacBook Air、 MacBook Pro、iMac、Mac mini、iPad Air、 iPad Pro、iPad mini、iPad や、マイクロソフトの Surface Pro 他人気中古PCやタブレット、モニターなどの在庫を豊富に取りそろえています。

貸し出していたパソコンは大きく2種類に分かれ、ひとつは検品、動作チェック、清掃などの作業ののち、再レンタルが可能なものは、再び横河レンタ・リースのもつレンタル品の在庫としてストックされ、もう一つは返却時点で外観など瑕疵（かし）が発見され再レンタルの基準に満たないもの、もしくは製品発売日からの経過年数により、レンタル品としての需要を満たさないものは、中古PCとして Qualit をはじめとするリセール（再販）ルートに回し、中古パソコンとしてストックされます。

Qualitで販売される中古パソコンは、限られた、状態のよいものに厳選。

中古パソコンの販売ルートはいくつかあり、そのひとつが「 Qualit 」。
もうひとつは、ヤフオク！内ショップや楽天、Amazonなどに販売され、さらに、他の中古パソコン販売業者への卸売り。
動作不良品などは、ジャンク品として専門中古PC業者へ引き取られます。

現在販売されるパソコンのスペックに対し低いもの、発売日から経過年数がたっているものは他の中古販売業者におろされ、リセール品のおよそ8割がこれにあたります。
残りの約1割が自社でダイレクト販売されるのですが、中でも Qualit で販売される中古パソコンは、限られた、状態のよいものに厳選されています。

つまり Qualit の中古パソコンは、基本的に、横河レンタ・リースの返却品のうち、以下の2種類であると言えます。

外観の品質グレードは低いですが、経過年数がそれほどたっていない中古PC
外観の品質グレードは高いですが、ある程度経過年数がたっている(3～5年が中心）中古PC

一般的な中古パソコンとQualitで販売している中古パソコンの品質は大きな差があることがわかります。
つまり、Qualit で扱っている中古パソコンよりも低いグレード品が他の中古PC販売業者へ回り、Qualitで扱う商品、それ以上のグレード品は、再レンタル品へ回るため、中古パソコン市場には出回っていないということなのです。

グレーディング（品質のクラス分け）について

グレーディングとは、Qualit に回ってきた中古パソコン販売の対象品が品質のクラス分けをすることです。（最高品質はSクラス、やや低品質の中古パソコンはバリュー品とクラス分けしている）
Qualitの中古パソコンをいくつか見てみますと、SクラスとAクラスと言われても、どちらにもパッと見で傷はわからず、かといってBクラス、やCクラスを見ても、確かにどちらにも小傷は見られますが、その境界を見分けるのは至難の業です。

そこで Qualit のグレーディングを担当する大塚さんにグレーディングチェック作業を見せていただきました。

キズの有無を探します

指の腹を製品のエッジやラインに沿ってたどっていき、引っ掛かりを探していきます。
ラインを調べ終わったら、面に対して明かりを当て、光の中に屈折がないかを見ます。
面にキズがあれば、たとえ小さなキズであっても、光はフラットに広がらず、必ず別方向に反射する箇所が見えます。
それをまた指でチェックし、程度を確認します。

素人目には、見た目が大事という観念から、どうしても視覚に頼りがちですが、キズの程度は触覚による診断が１番だと担当者は言います。
その診断を元に、決められた基準値に照らして、個々のキズの程度を査定し、それらを総合して最終的な商品ランクを決定するのです。

クリーニング作業

Qualit で販売する中古PCは、すでに一度クリーニング作業がなされています。
それでも担当者の方は、自らの信じるやり方でクリーニングを再度実施することを徹底しているといいます。
Qualit で行うクリーニングはレンタル品と基準が違うのだといいます。

「レンタル品は、利用期間が終われば当社に戻ってくる社内の在庫ですが、Qualit で販売される中古パソコンは、当社の手を離れてお客さまの私物になる商品。お客さまが手にしたときに不快感があっちゃいけないと思っていますので」

担当者の方は入社当初、クリーニング担当者として掃除の仕方を徹底的に仕込まれました。
「社内で利用されているPCが汚れているのを見かけるとクリーニングしたくなる」というほど、生粋のクリーニングマニアです。

そこで、そんなPC掃除のプロである大塚さんに、自分のPCをきれいに保つ秘訣（ひけつ）、掃除のコツをうかがいました。

掃除用具

PC掃除に使うのはシーツの切れ端やてぬぐいがよいです。
PC清掃時に用意するのは、水、アルコール、洗剤。
洗剤は工業用洗剤でも、家庭用のお掃除洗剤でもOK。薄めて使ってもいいです。
アルコールは市販の除菌アルコールでOK。
汚れ落としにおすすめなのは「激落ちくん」（メラミンスポンジ）。
「激落ちくん」を使うときは軽くなでるくらいで。強くこすってはいけません。

液晶ディスプレー掃除のコツ

液晶は水を含ませたシーツ布で拭き、その後、から拭きするとよいです。

iMac掃除のコツ

iMacは水拭きもダメで、から拭きのみがおススメ。指の油などが付くのが１番ダメ。

ラバー部品掃除のコツ

ThinkPadなどで使われるラバー地の掃除は水で。あとは激落ちくんで軽く。

ケーブル類掃除のコツ

ケーブル類の汚れは、アルコールで。アルコール入りウェットティッシュでも可。

キーボード掃除のコツ

キーボード掃除は、まず掃除機で溝にたまったゴミを吸います。
次にキーボードを立ててブラッシング。
カスが出るのでもう一度掃除機で吸います。
特に汚れている箇所はマイナスドライバーなどでキートップを外し、アルコールを付けた綿棒でその中を拭きます。
ブラシに布を巻いてアルコールや洗剤を含ませてキートップを磨きます。
ノートPCのキーボードはシーツや日本てぬぐいにアルコールを吹きかけて、キートップを覆い、上から靴用のブラシなどでこすります。
キーボードの清掃は左から右に、上から下に。

驚きをもって迎えられるべき中古PC

試しに、SランクからCランクまでの同型番の中古iPadを用意してもらい、その程度差を見比べてみました。
さすがにSランクとCランクではまったく程度が違いますが、SとA、AとBと1ランク差の商品を比べていきますと、どちらが上のグレードだかほぼ判別がつきません。
また、一番下のCランクの中古PCといえど、これなら決して悪くはないと思わせてくれる状態なのです。

Qualitのサイトに並ぶ中古パソコンは、すべて大塚さんがグレーディングし、クリーニングし、梱包（こんぽう）までひとりで行っています。
大塚さんの作業目安は1日20台前後。
つまり、Qualitに新しい商品が加わるのは、1日に20台前後が限界になっています。
そこで、こうしたグレーディングやクリーニング、Qualit向けに梱包（こんぽう）などをし直さない、レンタルパソコンが返却されたままの状態のVランクというバリュー商品のラインアップも投入しました。

そんなQualitが今かかえる、最大の悩みの種が、大塚さんの後継者がいないことなのだといいます。
ヤフオク!店などでは、グレーディングを外部委託するなどの施策も始めていますが、外部委託するには基準が必要です。
ところが、大塚さんの基準値は社内でも飛びぬけて厳しいです。
少しでも気になるキズがあれば、グレードを下げて査定します。
時には、スタッフと商品ランクについて意見がぶつかることもあるといいます。

会社としては少しでも高く売りたいですので、多少甘目な判定に傾いてしまうこともあるそうなのですが、大塚さんは自身が気になると頑として譲らず、結局は大塚さんの付けたグレーディングで販売することになるのだそうです。

前出のグレーディング専門の外部委託業者と話していても、「Qualitのグレーディングは普通より1ランク高いと言われてしまう」と亀田センター長も苦笑します。

しかし、Qualitの商品はリピーターも多く、特に商品グレードに関しては苦情が出たことがありません。
いいものが安く買えることのほうが大事。
現状の商品がお客さまに満足してもらっているのであればグレード付けを変えるつもりはないと亀田センター長は言い切ります。

Qualitの中古パソコンで人気が高いのは、やはりSクラスの超美品なのだといいます。
しかし、ことQualitの商品に限って言えば、むしろBクラスやCクラスくらいの商品のほうが納得感は高く、お買い得なのではないかとすら思います。
少しでもきれいな美品をと考える気持ちも分かりますが、中古PCの導入を考えているのであれば、とにかく一度QualitのBクラス、Cクラスの商品を手に入れてみてほしいです。
「この程度の良さで、このグレードなの!?」という驚きが分かってもらえると思います。
価格的にもリーズナブルで満足感も高いはずです。

Qualitには、大塚さんのこだわりによって厳格にグレーディングされ、丁寧にリファービッシュされた、中古ながら「驚きをもって迎えられるべきPC」がそろっているのです。