オンサイトキッティングとは?メリットやデメリット、作業手順を解説
PC管理
- 公開:
- 2024/06/03
この記事では、オンサイトキッティングのメリットやデメリット、作業手順などをご紹介します。
専門的な知識や技術が必要となるキッティング作業を専門業者に現地対応してもらうことで、スムーズにデバイスのセットアップを進められます。
オンサイトキッティングを利用する際はスケジュール管理や事前の入念な打ち合わせなど、注意点もいくつかあるため、あわせてご確認ください。
当社では、機器調達やPC運用管理時に発生する手間や課題を解消するサービスを展開しています。
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オンサイトキッティングとは
オンサイトキッティングとは、企業でPCのキッティングを行う際に、オフィスへ人員を派遣し、現地でPCのセットアップやネットワーク設定など一連の作業を行うことを指します。
ここでは、オンサイトやキッティングの意味や方法についてご紹介します。
オンサイトとは
オンサイトとは、「現地」や「現場」を表す「on-site」が語源となる言葉で、「現地で」「現場で」「その場で」のような意味を持ちます。
例えば、PCのキッティング以外にも、修理などを業者へ依頼する際に「オンサイト対応可能」と記載されている場合は、オフィスへ直接業者が赴き、現地で対応してもらうことができます。
オフサイトとの違い
オンサイトの対義語として、「オフサイト」があります。
オフサイトは「現場・現地から離れた」を表す「off-site」が語源となる言葉です。
オンサイト対応はキッティングや修理などを現地で対応するのに対して、オフサイト対応は現地での対応を行わず、業者のオフィスなどで作業を行う点が大きな違いです。
オンサイトとオフサイトは語感や文字の並びが似ているため、業者へ依頼する際は見間違うことのないよう注意しましょう。
キッティングとは
キッティングとは、PCやスマートフォンなどのデバイスをユーザーがすぐに使えるよう、各種設定や必要なソフトウエアのインストール、周辺機器への接続など一連の作業を行うことを指します。
キッティングには、主に次のような作業が含まれます。
- デバイスの開梱 (かいこん)
- OSのインストール、初期設定
- BIOSのセットアップ
- ネットワーク設定
- 業務に必要なソフトウエアやアプリケーションのインストール
- ソフトウエアやアプリケーションのライセンス認証
- セキュリティーの設定
- ドメイン参加
- 動作確認
- 周辺機器への接続
- 各種アップデート、パッチの適用
- 各種ドライバー・ツールの設定
- 管理ラベルの貼り付け
- 管理台帳への記入
キッティングの方法
キッティングには、1台ずつ手作業で各作業を行う方法と、1台のPCでマスターイメージを作成し、マスターイメージをほかのPCへコピーする「クローニング」、各従業員のPCの設定情報をクラウド上に構築し、インターネットに接続することで設定情報が付与される「ゼロタッチキッティング」の3種類があります。
それぞれのメリットやデメリット、適する企業については、次のとおりです。
メリット | デメリット | 適する企業 | |
---|---|---|---|
手作業 |
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クローニング |
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ゼロタッチキッティング |
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テレワークを導入している企業や、PC導入時のセットアップ、従業員からの問い合わせ対応など、情シスに多くの負担がかかっている場合は、Windows Autopilot を活用したサービス「Cotoka for PC」がおすすめです。
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オンサイトキッティングを利用するメリット
オンサイトキッティングを利用することで、業務効率化や作業者の負担の軽減、ヒューマンエラーの防止などさまざまなメリットがあります。
オンサイトキッティングのメリットは次のとおりです。
また、キッティング作業をアウトソーシングするメリットについては以下の記事でもご紹介しているので、あわせてご確認ください。
コスト削減が期待できる
キッティング作業を社内で行う場合、手作業・クローニングを問わず多くの時間を要します。
対応するデバイスの台数や機種が多い場合は、スケジュールに合わせて対応できるよう作業者を増やす方法で対処するケースもあるでしょう。
しかし、作業者を増やすことで人件費が増加したり、増員した作業者が対応するためのスペースや設備の確保にコストがかかったりするリスクがあります。
オンサイトキッティングを依頼することで、自社で作業者を増やして対応するよりも少ない人数で、かつコストを抑えて対応できる可能性があります。
委託業者とコミュニケーションをとりやすい
オンサイトキッティングでは、業者が現地で作業をするため、自社と業者間でコミュニケーションを取りやすい点がメリットです。
業者の作業進捗 (しんちょく) を確認しやすいだけでなく、不明点や疑問点が生じた際に、すぐにお互いに確認できることから、スムーズにキッティングを進められます。
万が一キッティング中にトラブルが起きた際も、業者だけで対応するのではなく社内の従業員と対応できるため、素早い解決につながります。
資産管理を徹底できる
オンサイトキッティングでは、デバイスやデバイスに付属する周辺機器へのラベルの貼り付けや管理台帳の記入といった資産管理に関する作業も行います。
多くのデバイスをキッティングする場合、あわせてラベルの貼り付けや管理台帳への記入作業も増えてしまい従業員への負担が大きくなりますが、業者に対応してもらうことで管理業務の負担が低減できるだけでなく、正確な資産管理が行えるでしょう。
ヒューマンエラーを防げる
自社でキッティングに慣れている従業員がいない場合、対応漏れや設定ミスなどのヒューマンエラーが生じる可能性が高まります。
オンサイトキッティングなら、専門的な知識や技術を持った作業者が対応するため、ヒューマンエラーのリスクを低減できるでしょう。
また、現地で対応してもらうことで万が一のミスやトラブルにも自社側で気づきやすくなるため、ミスによるタイムロスやスケジュールの遅延を最小限に抑えられます。
情シスの負担軽減につながる
先述したように、キッティングを行う際は1台ずつ手作業で行うか、事前にマスターイメージを作成しなければならず、時間や手間がかかることから情シスの業務負担が増えるリスクがあります。
業者にキッティングを依頼することで、情シスの業務負担が減り、本来の業務に集中できるようになるため、業務効率化や生産性向上にもつながります。
また、専門的な知識や技術を持つ専門業者へ依頼することで迅速にキッティングを進められるため、キッティング後に行う対応や業務を前倒して進められる可能性もあります。
あらゆるデバイスに対応できる
キッティング作業を専門業者に委託することで、PCやスマートフォン、タブレットといった業務で使用するあらゆるデバイスのキッティングがスムーズに行えます。
社内ですべてのデバイスをキッティングする場合、デバイスによってキッティング手順が異なることもあるため、設定漏れや設定ミスなどのトラブルも起こりやすいです。
オンサイトキッティングでは、多岐にわたるデバイスを業務利用することで複雑化したキッティング作業を現地で行えるため、デバイスごとの進捗 (しんちょく) やトラブルが生じていないかなどを確認しやすい点がメリットといえます。
オンサイトキッティングを利用するデメリット
オンサイトキッティングでは、先述したようなメリットがある一方で、次のようなデメリットがあります。
セキュリティーリスクが伴う
外部の業者を自社のオフィス内に立ち入らせることになるため、作業時に受け渡す社内の機密情報や個人情報が不正利用されたり、漏えいされたりするなどのセキュリティーリスクが伴います。
そのため、入館時の認証や入館証で入れるスペースの権限付与といったセキュリティー対応を行う必要があり、コストや手間がかかることもあるでしょう。
業者へ依頼する際は、委託業者のセキュリティーポリシーの確認を徹底し、信頼できる企業へ依頼することが大切です。
オフサイトよりもコストがかかる場合がある
オンサイトキッティングの場合、業者によっては現地への派遣費用が必要になるケースも考えられ、オフサイトでの対応よりもコストがかかる場合があります。
また、事前に設定したスケジュール通りに作業が進まなかった場合、追加の作業期間や対応スタッフを確保しなければならないため、追加費用が発生します。
オンサイトキッティングを依頼する際は、あらかじめ余裕を持ったスケジュールや予算の確保をおすすめします。
委託業者への依存度を高めないよう注意する
委託業者へすべての作業を依頼してしまうと、万が一トラブルが発生した際に、自社でコントロールできない場合があります。
自社で行う範囲と委託する範囲を明確に設定し、委託業者へ依存しすぎないよう意識することが大切です。
オンサイトキッティングサービスの中には、従業員の立ち会いを前提に作業を行うケースもあります。
このとき、キッティング中の不明点やトラブルはすぐに解決しやすい環境が整うものの、自社で立ち会いおよびトラブル時の対応スタッフを確保しておく必要があります。
作業環境を用意する必要がある
オンサイトキッティングはオフィス内で作業を行うため、専用の作業スペースを用意する必要があります。
会議室を長時間使用する場合は、ほかの従業員の業務に支障が出る恐れもあるため、あらかじめ他部門のスケジュールも確認しておきましょう。
また、オンサイトキッティングではキッティング前後にデバイスを社内で保管します。
作業スペース以外に保管スペースも確保しなければならないため、ご注意ください。
オンサイトキッティングの作業手順
オンサイトキッティングは、基本的に次のような手順で進めます。
キッティング設計
キッティングを行うデバイスのOSやインストールするソフトウエア、設定項目、作業の進め方、デバイスの仕様、作業スケジュールなどを事前に打ち合わせします。
また、キッティング時にマスターイメージを作成する際は、マスターイメージを反映させた予備のデバイスを準備するかなども確認します。
開梱 (かいこん) ・機器の設置
オフィスに納品されたデバイスを開梱 (かいこん) し、各デバイスに傷などがないか確認します。
デバイスの開梱 (かいこん) 後は、マウスやキーボードといった周辺機器の設置や接続、周辺機器の動作確認などを行い、キッティングの準備を進めます。
キッティング作業
キッティング設計で決定した項目に沿って、各種デバイスのキッティングを行います。
このとき、同じ機種かつ多くの台数を対応する場合は、マスターイメージを作成し、ほかのデバイスへクローニングさせます。
一通りの作業が完了し、正常に動作することが確認できたら、資産管理システムへの情報登録や、管理シールの貼り付けを行います。
ソフトウエア・アプリケーションのインストール
業務に必要なソフトウエアやアプリケーションのインストールおよびライセンス登録、各種設定などを行います。
このとき、ウイルス対策ソフトなどのセキュリティー対策ソフトもあわせてインストールします。
ネットワーク設定・プリンター設定
社内ネットワークやインターネットに接続できるよう、ネットワーク設定を行います。
リモートワークなどで遠隔から社内システムを利用する際、社内ネットワークへ接続した上でアクセスさせる場合は、このようなネットワーク設定を事前に各デバイスへ適用させる必要があります。
また、ネットワーク設定が完了し、社内ネットワークへアクセスできるようになったら、社内のプリンターを利用する際に必要なプリンタードライバーのインストールや、各デバイスとプリンターへの接続、初期設定などを行います。
オンサイトキッティングを依頼する際の注意点
オンサイトキッティングをスムーズに進めるためには、次のような点に注意しましょう。
スケジュール管理を徹底する
オンサイトキッティングでは、キッティング作業以外にも開梱 (かいこん) 作業やネットワーク設定、プリンター設定、ラベル貼り付けといった多くの対応項目があります。
また、万が一トラブルが発生した際は作業が遅延する可能性もあります。
スケジュールが遅延することで、後に続く予定に支障が出ないよう、あらかじめ余裕のあるスケジュール設定をすることが大切です。
また、予定通りに作業が進んでいるか、自社側でも進捗 (しんちょく) 管理を行っておくとよいでしょう。
作業手順を入念に確認する
キッティングの作業内容や進め方は企業やデバイスによって異なるため、あらかじめ入念に業者と作業計画を立て、シミュレーションしておくことが重要です。
特にマスターイメージを作成する際は、マスターイメージに不備があった場合、イメージ展開を行ったすべてのPCにも不備が生じてしまうため、ミスを徹底的になくさなければなりません。
手順書やマニュアル、チェックシートを作成し、作業を進めながら対応漏れなどがないか確認できる体制を整えておくとよいでしょう。
横河レンタ・リースのPCキッティング・インテグレーションサービス
横河レンタ・リースでは、複雑なPCキッティング作業を専門スタッフへ委託できる「PCキッティング・インテグレーションサービス」を提供しています。
ここではサービスの内容や強み、導入事例について詳しくご紹介します。
サービス内容
PCキッティング・インテグレーションサービスでは、通常情シスが担当するキッティングをはじめとした一連のPCセットアップ作業を当社のレンタル品に適用し、お客さまへお届けする作業代行サービスです。
事前の打ち合わせにてお客さまのご要望や業務環境に合わせて柔軟なカスタマイズが可能です。
PCキッティング・インテグレーションサービスは、キッティング作業を行う時間がない方、作業内容を一元化したい方、情シスの業務負担を軽減させたい方などに特におすすめです。
なお、お客さまの環境に合わせて現地での対応も可能なため、オンサイトキッティングを検討している方におすすめのサービスです。
サービスの強み
当社では、年間10万台以上のキッティングを行える作業ラインを保有しており、数千台規模のPCのキッティングも対応可能です。
当社で独自開発したキッティング作業専用のシステム (セキュリティー対策、ソフトウエア識別ツール、バーコード管理、半自動化のインストールシステム) を利用しながら作業を進めるため、高品質のキッティング環境を実現できる点も強みです。
PCキッティング・インテグレーションサービス以外にも、当社では運用済みのPCをユーザーへ直接届けるサービス「Cotoka for PC」も提供しています。
Cotoka for PC では、情シスが行うPC調達や初期セットアップ、従業員からの問い合わせ、テレワーク対応といったPC管理に関わる業務工数の最小限化を実現します。
導入事例【井村屋グループ株式会社さま】
菓子・食品製造を行う井村屋グループでは、グループ全体で利用するPC約600台を当社から調達し、業務工数の大幅な削減を実現しました。
これまで井村屋グループでは、PCをリプレースする際に情シス担当者がキッティングを行い、各拠点へ送る作業を行っており、業務負担を減らすことが課題となっていました。
当社のPCレンタルサービスでは、あらかじめキッティングを行ったものを各拠点へ直接配送できるため、情シス担当者の業務工数を減らし、他業務へも注力できるようになりました。
導入事例について詳しくは、以下のページをご確認ください。
まとめ
この記事では、オンサイトキッティングのメリットやデメリット、作業手順、注意点などをご紹介しました。
オンサイトキッティングを利用する際は、専用の作業・保管スペースが必要になったり、スケジュールの遅延時に追加費用が発生したりするケースもあるため、事前に余裕を持ってスペースや予算、スケジュールを確保することが大切です。
専門業者への委託をお考えの方は、記事内でご紹介した当社のPCキッティング・インテグレーションサービスもぜひご検討ください。