ライセンス管理セミナー発表資料 『ツールは導入したが、まだライセンス管理を実施していないPC管理者の方へ』

第6回 PCの棚卸しから管理体制まで(1)

 ここまで、ソフトウエアの資産管理のポイントを台帳管理の観点から、ご説明してまいりました。ここからはソフトウエア資産管理のスタート時に、非常に重要な現状把握のフェーズについてご説明いたします。資産管理ツールを導入されてすでに運用されているお客さまは、ツールを利用すればPCの資産管理ができると思っておられると思います。確かに資産管理ツールは現状把握には有効なツールでありますが、ツールだけでは現状把握は十分ではありません。

 部署にはネットワークに接続されていないPCがあるかもしれませんし、ツールがインストールされていないPCがあるかもしれません。そのため現地での棚卸しが必要になってきます。上記の図ではオフラインPCの棚卸しの様子を掲載しております。当社のサービスでは、オフラインPCのインベントリー収集には、USBメモリーに入れたインベントリー収集ツールを使用して一台一台してデータを収集いたします。オフラインPCは情報システム部の管理対象になっていない場合も多く、棚卸しの際に管理シールを貼って固体を識別できるようにする作業準備も必要になります。ハードウエア台帳の章でお話したように、ハードウエア管理の網羅性を高める事は、ライセンス管理の重要な要件になってきます。

 現地棚卸で見落としがちなポイントとしては廃棄PCの管理が挙げられます。現場では廃棄対象のPCを廃棄せずに保管している例があります。理由は様々ですが、この状況はライセンス監査の観点からは問題があります。廃棄PCのライセンス購入に関する情報が台帳から消去されている場合には、廃棄対象PCのライセンスの証明ができません。最悪の場合、ライセンスを定価で再度購入してハードウエアの廃棄を行う事になります。棚卸しでは、リストに無いPCの確認は行いますが、余分なPCについてはあまり気にしない管理者もおられますが、廃棄に関しては気をつけていただきたいポイントであります。PCをレンタルしていただくメリットの一つが廃棄になります。レンタルPCは契約期間を過ぎると必ず引き取りが発生するため、この様なリスクを回避できます。

1. ソフトウエアインベントリーの分析

ソフトウエア仕分け分析表

 棚卸しを終えるとPCのハードウエア台帳と、そのハードにインストールされているソフトウエアの台帳が完成します。ソフトウエア辞書を利用して収集したインベントリー情報を有償ソフトウエア、フリーソフト、ドライバー・ユーティリティーに分類します。

 上記の図で提示している仕分け分析表の例では製造元がマイクロソフト社の製品で、有償のソフトウエアを集計しています。
この例では Office Professinal Edition 2003 , Office Professional Plus 2007 をボリュームライセンスで購入されています。それ以外はパッケージ版で購入、もしくはOEM版を利用されています。この仕分け後、利用ソフトウエアと購入ライセンスの突き合わせ作業を行います。パッケージ版を導入されていながら付属品が見当たらない場合などは、購入履歴などでも、購入の証としてソフトウエアメーカーは相談に応じてくれる場合もあります。ライセンスの購入を証明する方法については、ソフトウエアの販売代理店やコンサルタントにご相談ください。ライセンス証書が無い場合にも正規購入を証明する手段についてアドバイスが得られます。 購入ライセンスとインストールソフトウエアの突合が終了し、もし不足分が発生していた場合には是正措置を行います。この是正については、勝手にアンインストールしたり、追加ライセンスを購入せずに、メーカーにまず連絡をしてソフトウエアメーカーの指示に従ってください。ライセンスが不足しているソフトウエアを、自分の判断でアンインストールすると、不正の証拠隠滅に当たる可能性もあります。ご注意ください。

次回以降のテーマについて

ソフトウエアライセンス管理の効率化のポイントについて、複数回に分けてセミナーの内容をご報告します。 現在行っている管理のご参考にしていただければ幸いです。以下に次回以降のテーマをご案内します。

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