ライセンス管理セミナー発表資料 『ツールは導入したが、まだライセンス管理を実施していないPC管理者の方へ』

第5回　ライセンス管理体制構築プロセス（3）

1. ハードウエア管理の実例

　ここまで台帳の構成についてご説明いたしました。 ここからは、当社のレンタルサービスでご提供する帳票の利用を例に、ライセンス管理台帳への記録・更新を精度を高く、効率的に行う方法をご紹介します。

　当社のレンタルサービスをご利用いただいているお客さまでは、展開時にPCのクローン作業支援をご用意しております。 その場合、インストール作業を行う際に使用した、ライセンスキーを作業記録として保管しております。 作業記録から、いずれのライセンスキーによってPCにソフトウエアをインストールしたかがわかります。 管理者はこのデータを利用して購入ライセンスと利用PCの突き合わせ管理が可能になります。

　ここでは、当社の事例を元にご説明いたしましたが、お客さまがお付き合いされているアウトソーサーや常駐ベンダーとも、 この様な観点で作業の報告形態を検討されると、ハードウエアとインストールしたソフトウエアのライセンスの管理が可能になります。 上記の図は、当社がお客さまに提示している契約管理をWebから検索出来るようにしたシステムの帳票例です。この帳票は故障時に代替機をお送りした場合にも更新されます。 定期的にすでにお使いのPC資産管理ツールのインベントリー情報と突き合わせ管理していただければ、 どのシリアル番号のPCに、どのソフトウエアをインストールしたのかトレースすることができます。

2. 資産管理ツールとの連携例

3. ハードウエアの網羅性の向上（オフラインPC管理）

　ハードウエアの管理では対象PCの網羅性が非常に重要な要件になります。ここでは一つの例として、オフラインPCの棚卸しについてご紹介します。

　計測器にPCを繋いで、データの収集と解析を行うことは、製造現場や研究所ではよく見かける構成です。 これらのPCはネットワークに接続されておらず、管理ツールのインストールもされずに使用されている例が見受けられます。 現場では計測システム一式として管理されていますが、ライセンス管理の観点からは、購入ライセンス形態が未確認のPCとなってしまいます。

　研究現場等にあるPCは、情報システム部の管理外になっている場合が多いのですが、そのままにしてはおけません。 このシステムがどのライセンスを利用しているのか、確認する必要があります。 マイクロソフト社の製品の場合は、PCの型番を確認することで、OEMのソフトウエアが入っていたのかを確認できる場合もありますが、 いずれにせよライセンスをどのように調達したのかを説明できるようにしておく必要があります。 ライセンスの形態を確認することで、ライセンスの過不足が明確になり、先に申し上げたコンプライアンスリスクについて評価可能になります。

　今までは部署単位での管理をしていたかもしれませんが、情報システム部が管理していないPCについてもライセンス管理の範囲を広げていく必要があります。 セキュリティーやコンプライアンスの観点から、全社での一元管理が必要になっています。

次回以降のテーマについて

ソフトウエアライセンス管理の効率化のポイントについて、複数回に分けてセミナーの内容をご報告します。 現在行っている管理のご参考にしていただければ幸いです。以下に次回以降のテーマをご案内します。

• 第6回　PCの棚卸しから管理体制まで（1）
• 第7回　PCの棚卸しから管理体制まで（2）
• 第8回　ライセンス管理のスタート

バックナンバー

• 第1回　横河レンタ・リースのPCライフサイクルマネージメントへの取り組み
• 第2回　ライセンス管理におけるコンプライアンス対策の重要性
• 第3回　ライセンス管理体制構築プロセス(1)
• 第4回　ライセンス管理体制構築プロセス(2)

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