ライセンス管理セミナー発表資料 『ツールは導入したが、まだライセンス管理を実施していないPC管理者の方へ』

第7回 PCの棚卸しから管理体制まで(2)

1. 標準ソフトウエアの選定

 前項でソフトウエアライセンスが不足してる場合に、ライセンスの是正処理をすることをお話しました。
ライセンスの過不足処理の後は、運用プロセスの検討に入ります。まず始めに運用プロセス構築のために、全社で利用する標準ソフトウエアの選定を行います。通常は利用者の多いソフトウエアを標準ソフトウエアとして、候補をリストアップして選定作業を行います。

 ここで利用ソフトウエア台帳の分析を行います。台帳をみて利用者数が多いソフトウエアを標準ソフトウエアとして候補に挙げます。企業により個別の判定の基準があるかと思いますが、一般的に利用者数による選定が、社内コンセンサスを得やすい方法のようです。

 次に、それ以外で業務に利用するソフトウエアを、個別ソフトウエアとして利用者/利用部署から申請をしていただきます。個別に業務で必要なソフトウエアを選定していきます。このとき、セキュリティーの観点と許諾書、約款を確認してください。特にフリーソフトなどで商業利用に関して注意が必要になります。

 この選定作業の副次的な効果として、利用ソフトウエア数が絞られることが挙げられます。担当者の興味による購入や、試用ソフトの利用が避けられるためです。利用ソフトウエアの種類が減ることで、コンプライアンス及び、セキュリティーのリスクが軽減されることは言うまでもありません。

標準ソフトウエア、個別ソフトウエアが決まると、これを社内に周知し、標準/個別ソフトウエア以外利用を禁止します。このソフトウエアの利用カテゴリーを決めて、禁止ソフトウエアの利用をさせない運用するために、ソフトウエアの利用申請や廃棄などのルールについて検討することになります。このプロセスを経て、社内規定を運用する土台ができたと言えます。

2. 個別管理ソフトウエアと禁止ソフトウエア

 標準ソフトウエアの決定方法について、もう少し具体的に見ておきたいと思います。

SAMAC"ソフトウエア分析ツールのご紹介"より引用

 先ほどソフトウエアの利用台帳を使用して、標準ソフトウエアの選定を行うお話をいたしました。上記のサンプルをご覧いただくと、全社で導入しているソフトウエアが思いのほか少数であることが分かると思います。この表はSAMACの資料からの抜粋です。

 ここで、有償、フリーソフトウエアを含めて利用者数の多いソフトウエアを標準ソフトウエアとして候補を出します。実際の分析では、ソフトウエア名は具体的にして分析します。(この表はサンプルです)ドライバー、ユーティリティについてはセキュリティーの観点からすべてのソフトウエアを標準とします。このように実際の利用数をもとに標準ソフトウエアを決定していけば、公平感をもって選定をすすめることができます。

 それ以外に利用するソフトウエアを個別ソフトウエアとして利用者、利用部署から申請を受けます。申請されたソフトウエアを個別ソフトウエアに登録するかどうか約款とセキュリティーの観点から判断を行います。

 管理者としては、ここで決めたソフトウエアが規定どおりに利用されているか、ユーザの利用規定が周知徹底されているのか、問題があれば改善を加えていくことになります。このプロセスは品質管理のプロセスそのものです。

 簡単に記載しておりますが、非常に時間と根気が必要な取り組みになります。そのため欧米では、全社を透過的にみてライセンスの管理をする専門職が存在します。コンプライアンス、セキュリティー、購買について全社を横串にして見ることで、はじめて成果が出せると考えられています。日本でも是非この様な観点で、ライセンス管理を全社透過的に見て改善を進める役職が創設されてほしいと思います。

次回のテーマについて

ソフトウエアライセンス管理の効率化のポイントについて、複数回に分けてセミナーの内容をご報告します。 現在行っている管理のご参考にしていただければ幸いです。以下に次回のテーマをご案内します。

バックナンバー

本資料についてのお問い合わせ先

横河レンタ・リース株式会社
マーケティング本部
CDセンター
中井 史郎
SAMAC公認SAMコンサルタント
E-mail:cdc_mk@yrl.co.jp

Copyright © Yokogawa Rental & Lease Corporation
各会社名、商品名は、各社の商標、または登録商標です。
横河レンタ・リース株式会社は、本資料の一部あるいは全部について、一般的な公開情報を除き、著作権をはじめとするあらゆる権利を留保いたします。

お気軽にお問い合わせください

ページの先頭に戻る